『報連相』を掘り下げて『連報相』に変える
仕事の基本として『報連相』が大事だとおそらく誰でも言われたのではないでしょうか?
むしろ言ってる側かもしれませんね。
『報連相』というワード自体は否定しませんが、これをもう少し深く掘り下げて正しく使っていけるようになりたいという話です。
まず現状の『報連相』がどうなっているかを解説するためにそれぞれの比率をイメージしてみます。
『報告』・『連絡』に重きを置かれていて、『相談』が追いやられているイメージです。
社内で上席に『報告』するためにキレイな作り込まれた資料を何時間もかけて用意してる光景が思い浮かびます。
『連絡』についてもこれもわざわざ会議が開かれ、情報を伝達するために長時間拘束されます。何の発言もアウトプットもしない生産性のない時間です。会議資料になるというだけでここでもキレイに見た目を気にした手の込んだ資料が用意されます。
資料作成は時間もかかり、一見すごく仕事をしているような感じになりますが、これが本当に悪です。
情報として変わりがないだけでただキレイに見た目を整える作業は何も生産していません。キレイに見た目を整えてもそれだけでは価値は何も変わらないのです。
このことに早く多くの人が気付くべきですが、残念ながら気付かないのか、気付かないふりをして、これまた仕事をしているふりをしていたいのか。
と、そんな光景をしばしば目にします。
では、これをどう変えていきたいかという話ですが、先ほどのグラフを以下のように書き換えてみました。
『報告』『連絡』は生産性がない部分なので、できるだけ小さく抑え込みます。具体的には上述したような無駄なだけのキレイな資料作りをやめます。
方法は重要ではなく、内容がしっかり伝わりさえすればいいわけなので、会議という体裁も必要かどうか疑わしいです。
メールでもチャットでも掲示板でも、必要な人が必要なタイミングで確実に目にするような仕組みであればそれでいいかもしれません。
そうすれば生産しない会議という時間を削減でき、その分、生産性のあるやるべき仕事に時間を使えるようになるわけです。真剣に検討しない手はありませんね。
資料についても、プロジェクトの中で検討しているメモでも資料でもそのまま必要な部分だけを提示すれば十分です。
さらに言えば、各プロジェクトの資料・データは常にデータベース上に蓄積する仕組みになれば、必要な時に必要な人が直接データベースから必要とする情報を取り出せばいいわけです。
これほど早く確実な情報が必要な人の手に入ることもありません。
問題はその能力を如何に育成できるかです。
従来の『報告』は最も詳細をわかっている当事者からその上席へ情報を掻い摘んで報告され、その報告を受けた上席がさらに上席へ情報を伝達するという伝言ゲームになってます。誰でもやったことがあると思いますが、最初の言葉が正しく最後まで伝わらないのがこのゲームの面白さですよね。つまり、従来の仕組みでは最終判断をするトップの人間に判断するための正確な情報が伝わらない構造となっているとも言えます。
そういう意味でもこの従来の『報告』『連絡』は変えた方がいいわけです。
そして、最も重要で時間を使いたいのは『相談』です。
解決すべき課題のある相談こそ上席の経験・知識も交えて検討をしたいのです。報告や連絡のために使い過ぎていた時間を削減して、『相談』に原資を回していく改革をしていくべきですね。
最後に補足ですが。
『報告』と『連絡』を入れ替えたのは、『連絡』はすでに確定した情報を伝えていく話ですが、『報告』はその内容によっては、報告を受けた側からのリアクションもある話です。
報告から相談にはシームレスに移行しながらタイムリーに課題解決に向けた話がその場でできるというのがいいですね。