レクチャーのコツ
レクチャーがうまい人は何を意識しているか?
特に意識している項目として7つの項目にまとめてみました。
1.前提条件の確認
上手い場合
前提となる相手の知識や経験を確認する(もしくは推し量る)
下手な場合
相手のレベルなどを把握しないまま説明してしまう
相手のレベルによって話し方は全然違ってきます。レベルが低い場合、1つ1つの用語にも気を付けて話さなければ付いてこれなくなります。逆にレベルが高い場合は相応に専門用語も使用した説明の方がまどろっこしくなく、うまく伝わります。
何のために話すのか、自己満足のために話すわけではないので、相手に如何に伝わるかを常に意識してどこまで話をかみ砕くのかを考えてみましょう。
2.範囲の提示
上手い場合
これから話すことは何についてなのか範囲を伝える
下手な場合
ゴール不明なまま説明を始める
話を聞く上で、何についての話なのか、これがわかっているのとわかっていないのとで受け取り方も全然違ってきます。発信する側と受ける側とで話の焦点の認識を合わせておくということです。例えば、ミクロな話に論点を絞ってレクチャーしてるつもりでもマクロな視点で気にしすぎるとポイントがズレてきます。これも意識合わせができていないからです。
3.構成の工夫
上手い場合
相手がわかりやすいように、伝える順番や展開を工夫する
下手な場合
自分が伝えたい順番で話す
記憶に残る話のコツに『ストーリー』を作るということがあります。ただただ、必要な情報を羅列されてもそれは苦痛な暗記になってしまいますが、ものには大抵成り立ち、ストーリーがあるものです。ストーリーに乗せて話すことで理解のし易さは格段に上がり、結果うまく伝わることになります。
4.情報量のコントロール
上手い場合
相手が処理できるように情報量をコントロールする
下手な場合
相手の処理能力を超える量の情報を伝えてしまう
伝える側として、伝えたいことがあるのはわかります。ただ、受け取る側にもキャパがあり、一度に無限に情報を受け取って理解し、吸収できるわけではありません。ここも初めの前提条件の確認に関わりますが、相手のレベルによって、どれだけの情報であれば無理なく吸収できるのかを考え、一度に伝える情報の量をコントロールします。伝えたい情報の量が一度に伝える情報量を超えるのであれば、無理して一度のレクチャーに盛り込むのはやめて2回3回に分けましょう。発信することが第一優先ではないのです。それではただの自己満足になってしまいます。やはり大事なのは、何のために発信するか?相手に伝えるためなのです。
5.スピードの調整
上手い場合
相手の理解が追い付くスピードで話す
下手な場合
相手の理解が追い付かないスピードで話す
人の話すスピードは人それぞれです。レクチャーするような頭のいい人は得てして話すスピードが速い人が多いです。それでもわかりやすいスピードで話してる人がいれば、それは意識的にコントロールしているということが多いです。レクチャーの目的は相手に伝えることであり、論破することではないので、まくし立てるように話す必要はどこにもないのです。むしろ、ゆっくり目に話すことを意識して話す方が受け取り手を取りこぼさなくてよいかなと思います。そして、時代ですが、最近はレクチャーもオンライン化され録画されてることが多いので、スピードを上げて理解できる人は自分で1.5倍速にして聞くこともできます。ゆっくり目に意識して話してみましょう。
6.わかる言葉の選択
上手い場合
相手がわかる言葉を使う
下手な場合
自分はわかるけど相手はわからない言葉を使う
これも初めの前提条件の確認に共通する内容です。相手の理解度の前提条件によっては、まったくの知識がない状態だと、基本的に一般用語に置き換えながら話を進める必要があります。1つの専門用語が入るだけで、そこで置いて行かれることもあるということです。では、常にそのように話せばいいのかというと、ある程度知識のある相手を前提とする場合は、逆にまどろっこしい説明になってしまい、伝わりにくくなってしまいます。伝える相手のレベルを把握し、適切な言葉選びを意識してみましょう。
7.フォロー
上手い場合
相手が今ついてこれているか観察し、都度調整する
下手な場合
相手の状況を見ず、自分が吐き出すことに意識がいってしまう
レクチャーには持ち時間が与えられ、その中で何を話すか事前に組み立てが必要です。あれもこれも伝えたいことが盛り沢山になってしまい勝ちですが、そのためについてこれていない相手に対して話し続けても伝わりません。話す相手が今、付いてこれてるのかを観察し、その状況によっては適宜補足を入れたり、振り返りを入れるなどして話の途中でもフォローしながら進めます。それによって予定していた内容をすべて話すことは難しくなる場合もありますが、付いてこれていない相手に話続けて、途中からのレクチャーが無駄になってしまうよりもよっぽど有意義です。この辺りもその時にならないとわからない部分はあらかじめバッファーを持った余裕のある構成にしておくことで、必ず伝えたいことは確実に相手の理解を伴って伝えられるように組み立てておくことも重要です。
レクチャーにおける伝え方という切り口で書きましたが、レクチャーに関わらず、打合せなどでも基本的には同じ話ですね。