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デジタル化の本質

最近は猫も杓子も『DX』だとか言ってますね。
少し解像度よく理解するために、情報をデジタル化することの意味を整理しておきます。

『DX』(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation)とは何か、、ということはいくらでも書かれているので割愛しますが、DXのためにはまず情報がデジタル化されていないと始まりません。
ここから、まず『デジタル化』に注目されていますが、デジタル化するだけではそれほど意味はありません。デジタル化することで多少なり効率化になったりはするでしょうが、そのためにデジタル化するコストが見合わないということも往々にして起こり得ます。では、どのような目的を見据えてデジタル化していくべきなのか?ということを考えていきたいと思います。

1つ具体的に事例を通して考えていきます。
例えば、教科書をデジタル化することの意味を考えてみましょう。
これまでの紙の教科書をデジタル化することでiPadのようなタブレット端末でこれまで以上の情報を簡単に持ち歩くことができるという利点が考えられますね。他にも、先生が無駄に黒板に汚い字を板書し、それを生徒がノートに書き写すという精神の修行のような時代遅れのようなこともやめることができるという点もメリットです。書き写すことに必死になって、話を聞くことに集中できないという弊害すらあったなと思い出されます。
教科書のデジタル化においては、そもそも印刷する段階でデジタル情報として存在しているので、デジタル化することのコストも低く、これだけでもメリットがありそうです。

しかし、これで満足していてはもったいないのです。
デジタル化の本質は、もっと違うところに
あります。
デジタル化することで本当に得られる利点は上述したようなことではなく、

  • それぞれの生徒がどこにマーキングし、どこに躓いているのか?

  • 本当に理解しないといけないテストに出るような箇所はマーキングと一致しているのか?

  • どのようなマーキングをしてテストを受けた生徒の得点が高いのか?

  • そしてその勉強時間は?

  • つまり、どのような勉強をすることで効率的に学習効果が上がるのか?

などなど、様々な情報を収集することができるのです。
そして、収集された情報を如何に活用するか、ここにデジタル化の本質があると言えます。
得られた情報を活用するためには単に情報を収集するということでなく、情報をDB(データベース)化するということが重要になってきます。
DB化することで適切に情報にアクセスし、解析し、そこから知見を得ることができるようになるのです。
さらにはAI技術の飛躍によって今ではそれも思っているよりもずっと自動的に行えるようになってきています。仕組みを構築してしまえば、自動的に情報を収集して分析し、その結果が教科書にFBされて改善を図っていくというようにグルグルとPDCAを自動的にかつ高速に回していくことができるのです。ここにいちいち人が介在していては、この高速性が失われてしまいます。進化の速さは如何にここを高速に回すことができるかにかかっています。そのためには『自動的に』と『高速に』がポイントです。

デジタル化されている情報をデジタルのまま処理していればその更新も容易になります。下手に物理的な「紙」に印刷してしまうから物・人の介在がボトルネックになり、速度が落ちるのです。
デジタル情報のまま電子端末に配信すれば、更新も瞬時に可能となります。
そして、もう1つのポイントは、すべての人が同じ教科書で学習する必要もなくなるという点です。個々人の能力に合った内容に編纂して学習することが可能となるのです。いわゆる『マスカスタマイゼーション』ということになります。

今後は、如何にコスト過多にならずにマスカスタマイゼーションできるかが様々な分野において成否の分かれ目になってくると思います。

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Mt
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