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朝からテーブルに月が出た

今日は都民の日ということで、4歳の娘が通う幼稚園は休みだった。一方、7歳の息子が通う小学校は通常授業。でも、本人は楽しそうに準備をしていたから、何の不満もなさそうだ。

2学期が始まった直後、彼は明らかにイライラしていた。夏休みが終わり、小学校が再開したことにストレスを感じていた。その姿を見て、僕もイライラしてしまった。こちらも休み明けで仕事が立て込み、心の余裕がなくなっていた。本当に申し訳なかったと反省している。

子育てを見直すため本を読んだ

この悪い流れを何とか断ち切らなければならないと手に取った本は、「気鋭のリーダー10人に学ぶ 新しい子育て」(宮本恵理子著、日経BP発行)だった。手に取ったきっかけは、「コヂカラカフェ」というオンライン開催のイベントに参加したこと。この本が僕にいくつかの気づきを与えてくれた。

一番大きな気づきだったのは、子どもがイライラしているときに大人もイライラするのは古い子育てだと再認識したこと。子育ては楽しいことばかりじゃないけど、それも含めて楽しむ姿勢を取り戻そうと思った。

そんなわけで僕はその日からイライラしないことに決めた。子どもの振る舞いに対してイライラしそうになったら、「新しい子育て」の本を開き、見て見ぬフリをした。すると本当にイライラしなくなってきた。

幼稚園が休みの娘は今朝、いつも以上に朝食に時間がかかった。妻がイライラし始めたので、僕がバトンタッチして彼女の朝食サポートを引き受けることにした。

すると彼女は、息子が飲み残したお茶を自分のコップに入れてもいいかと聞いてきた。彼女のコップにもお茶が半分くらい残っている。全部入れたら少しこぼれるかもしれないが、こぼれたら拭けばいいので、「いいよ。でも、テーブルの上でやってね」と答えた。

彼女はワクワクしながら息子が飲み残したお茶を自分のコップに入れた。でも、お茶はテーブルにこぼれることなく、彼女のコップの中にギリギリおさまった。その結果を見て、彼女は明らかに不満そうだった。お茶がテーブルにこぼれるのを期待していたのだろう。

テーブルにお茶をこぼしてもイライラせずに済んだ

次に彼女が何をしたかというと、コップに手を突っ込んで、お茶をあふれさせた。これはある程度想定していたので、「こぼしてもいいけど、テーブルの上だけにしてね」と答えた。

ところが彼女は、お茶があふれたのが想像以上に楽しかったらしく、コップのお茶を全部、テーブルの上にこぼした。こぼしたのはテーブルの上だが、これだけ多くの量をこぼすと、テーブルの下に敷いたカーペットにもこぼれ落ちる。キッチンにいた妻が慌てたが、「僕が全部片づけるから、気が済むまでやらせてあげて」とお願いした。彼女がこぼしたお茶に天井の蛍光灯が反射し、満月みたいに見えた。

彼女はテーブルにこぼれたお茶を手でかき混ぜて楽しそうに遊んだ後、満足そうにうなずいた。それを見て僕はバスタオルを取りに行き、カーペットにこぼれたお茶とテーブルの上にこぼれたお茶を拭き取った。

今日の彼女の振る舞いは、以前の僕であれば相当イライラしていただろう。でも、この日はイライラせずに済んだ。結局、こちらの心構え次第なのである。これからもずっとイライラせずに子どもと接し続けることができるかどうかわからないが、今日の冷静な対応は今後の大きな自信になりそうだ。

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