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台風接近中にどこへ行きたいか尋ねたら行き先が「海ほたる」だった話

昨日から明日にかけて珍しく外出の予定が立て込み、子どもと過ごせる時間が短くなりそうだったので、10月10日(土)は仕事を休み、子どもたちと丸一日遊ぶことにした。

7歳の息子と4歳の娘に、どこに行きたいか尋ねたら、娘が間髪を入れずに「海ほたる!」と叫んだ。その日は台風14号が関東沿岸に接近し、朝から雨が降り続いていたが、そんなのはお構いなしである。彼女はきれいな海の景色が見たいわけではなく、「海ほたる」という場所が気に入っているのだ。今年6月に初めて行き、すでに2回訪れている。

行ったことのない人のために説明しておくと、「海ほたる」とは神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアライン上にある海上パーキングエリアのこと。海が360度見渡せる素敵なスポットであることは間違いないが、基本的にはパーキングエリアなので、そんなに長時間滞在する場所ではない。その証拠に、息子は「海ほたる」には行きたくないという。

「海ほたる」に行きたい娘と、行きたくない息子

息子が「海ほたる」に行きたくない理由は、アミューズメントコーナーに自分がやりたいゲームがないことを知ってしまったからである。6月に息子も含めて家族4人で「海ほたる」に行ったとき、アミューズメントコーナーは新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業中だった。彼はそのことがすごく残念で、アミューズメントコーナーの営業が再開したことを確認した後、もう一度訪れた。

ところが、楽しみにしていたアミューズメントコーナーにはUFOキャッチャーしかなかった。彼はUFOキャッチャーも決して嫌いではないのだが、残念ながら僕はUFOキャッチャーがあまり好きではない。

我が家ではアミューズメントコーナーを訪れる際、一人1日200円ずつお金を渡して自由にゲームをやっていいというルールにしている。200円で子どもの笑顔が見られるなら非常に効率的な投資だと思っているのだが、UFOキャッチャーは200円を渡しても収穫ゼロのことが多い。お金を出しているのに子どものガッカリする顔は見たくない。

彼もそのことを知っているので、アミューズメントコーナーをひととおり見回した後、入り口付近に設置されていたカプセルトイマシン(通称ガチャガチャ)で200円を使うことを選択した。この来訪により、彼は「海ほたる」への興味を急速に失っていった。

「海ほたる」に行きたくないのであれば、どこに行きたいのか息子に尋ねると、イトーヨーカドーに行きたいという。彼は今、「ポケモンメザスタ」というゲームに夢中になっている。イトーヨーカドーには「ポケモンメザスタ」が8台ある。

娘と2人で雨の「海ほたる」へ

息子と娘の意見が分かれた場合、我が家ではどちらか選択するのではなく、別行動を選択することが多い。この日は息子と妻でイトーヨーカドーに行き、娘と僕で「海ほたる」に行くことがすんなり決まった。妻と息子を車でイトーヨーカドーに送った後、そのまま娘と「海ほたる」へ向かう。

4歳児の記憶の仕組みがどうなっているのかよくわからないのだが、彼女にとって「海ほたる」はラーメンとソフトクリームがおいしい場所のようである。着いたと同時に「ラーメン食べたい!」と叫び、ラーメンをほおばりながら、「ソフトクリームも食べていい?」と訊いてくる。どうぞ食べてください。

そしてソフトクリームを食べ終わったら外の様子を確かめに行き、雨が降っているから外に出ると濡れることが分かると、「お家に帰ろうか」とつぶやいた。片道40分かけて「海ほたる」へ行き、滞在時間は1時間ほど。でも、本人が楽しそうなのでよかった。

さて、彼女はもう1回くらい「海ほたるに行きたい」と言うだろうか。海の景色を見ることもなく、ラーメンとソフトクリームを食べるだけなら別の場所でもいいような気もするが、やっぱり「海ほたる」で食べるからおいしく感じるのだろうな。大人になると、そういう感性が薄れてくるので、子どもならではの感性を大事にしたい。

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