砂場が苦手だった息子が裸足で砂遊びをするようになった話
7歳の息子と4歳の娘は遊びの好みがかなり違う。娘は晴れていれば公園で遊びたがるアウトドア派だが、息子は晴れていても気分が乗らないと公園には行きたがらない。どちらかと言えばインドア派である。
息子は公園の砂場で遊ぶのが苦手だった
息子も外で遊ぶのは決して嫌いではないのだが、幼稚園に入園するまでは砂場で遊ぶのが極端に嫌いだった。手に砂がついたり、靴の中に砂が入ったりするのが気持ち悪くて仕方がなかったようだ。
一方、娘は公園に行くと「裸足になっていい?」と必ず言う。「いいよ」と答えると、すぐさま裸足になり、嬉々としてピューッとどこかに走っていく。息子は自分から裸足になることなんてまずないし、「裸足になってもいいよ」と仮に言ったとしても「お断りします」というタイプだった。
雨の日に水たまりができているときも、喜んで突進していくのは娘のほうで、息子は長靴の隙間から水が入って靴下が濡れるのがイヤなので、水たまりを避けて通っていた。そういう性質は生まれ持った個性なので、基本的に変わらないのかと思っていた。
小学校に入ってから裸足で砂遊びをするようになった
ところが、幼稚園に入ってから彼の嗜好に少しずつ変化が生じてきたようだ。自分から好んで砂場に行くことはないが、友達から誘われれば砂場で遊ぶようになってきた。そして小学校に入ってから、ついに裸足で砂遊びをするようになった。
といっても、ここは本物の砂場ではなく、ショッピングモールの中の室内遊び施設の一角にある人工的な砂浜である。本物の砂の感触とは多少異なる。
ただ、彼はこれまでも同じ施設で室内遊びを楽しんでいるが、昨年までは砂浜コーナーに足を踏み入れようとしたことが一度もなかった。それが今年に入って初めて足を踏み入れ、今はお気に入りのコーナーになってきた。面白いものである。
僕は公園や室内遊び施設に行ったとき、「あれ、何だろう?」とか「これ、面白そうだね!」と口にすることはあっても、「あれで遊べば?」とか「これで遊ぼうよ!」と声かけをすることはない。何で遊ぶかは子どもたちが決めることであり、子どもたちから遊びに誘われない限りはただひたすら観察している。
彼のことも7年間ずっと観察してきたつもりだが、裸足で砂遊びをするようになったきっかけが何だったのか、まったく思い浮かばない。きっと家族と一緒にいる時間だけでなく、幼稚園や小学校の友達との遊びの中で、彼の心境が少しずつ変化してきたのだろう。
砂浜コーナーでたっぷり遊んだ後、彼は砂まみれの状態で「すなはらいマシン」の中に入り、全身に風を浴びながら砂を払い、「あー、楽しかった!」と叫んだ。
体つきではなく行動が変化していた
帰りの車の中で、「もしかしたら他にも彼の変化に気づいていないことがあるかもしれない」と思い、じっくり観察してみることにした。
すると、夕食のカレーライスを食べる際も、昨年まではかなり冷ましてからでないと食べられない猫舌だったのが、温かいままでも食べられるようになっていることに気づいた。さらに、カレーを食べる量も昨年よりはるかに多くなっている。
娘は体つきの変化がまだ大きい時期なので、変化に気づきやすいが、息子は幼少期と比べて体つきの変化が少なくなってきたので、昨日も今日も同じに見えてしまっていた。
だが、それ以外の部分で変化しているところがたくさんあった。その変化を見逃さないように、これからもできるだけ多くの時間を子どもたちと過ごしていきたい。
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