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見比べるストレスをゼロに!OCR作業の効率を改善する手法

OCR作業の効率を向上!データ修正の負担を減らす改善策とは?

OCR(光学文字認識)技術は、紙の書類や画像から文字情報をデジタル化する際に大変便利です。しかし、その一方で、読み取り精度の問題やデータ修正の手間が大きな課題となっています。特に、OCR結果のデータ修正時に「どのデータがどの書類部分に対応しているのか」を頭の中で対応付ける作業が、思いのほか時間を要するポイントです。

今回は、この課題を解決するための具体的な改善策をご紹介します。


課題:確認作業における「頭の負担」

従来のOCR修正作業では、例えば以下のようなプロセスが一般的でした。

  1. 画面の左半分に書類の画像イメージを表示
    (紙の書類をスキャンしたもの)

  2. 画面の右半分にOCRで抽出されたテキストデータを表示
    (読み取った文字データのうち、使う項目のみ。金額、日付など。)

(どの項目を使うか?や、間違った項目を読み取った場合の対処はお客様事情にもよる個別開発が多いので、本記事では割愛します。したがって、項目の位置自体は正しく読み取れた後の話です)

このレイアウトでは、画面上で書類イメージとOCR結果データが別々のレイアウトでに表示されます。このため、次のような問題が発生していました。

  • 書類イメージ上の特定項目が、OCR結果データのどの位置に対応しているかを都度考える必要がある。

  • 画面の左右を頻繁に見比べるため、目や頭への負担が大きい。

  • 対応する項目が分かった後、何文字目で読み取りエラーが起きているか分かりにくく、修正に時間がかかる。例:書類では152,585,600となっているものが読み取り結果では152,855,600や52,585,600となっている、など。

結果として、確認作業に時間がかかり、ストレスとミス、コストが増えるリスクが高まる状況に陥りがちでした。


改善策:データ表示の「重ね合わせ」で直感的に!

この課題を解決するために、次のような表示方法を導入しました。

新しい画面表示の工夫

  • 書類の画像イメージを画面上に表示。

  • OCR結果データを、書類イメージの上に直接重ねて表示(使う項目のみ)

    • 書類イメージとデータの位置関係がそのまま保たれる。

重ね合わせ表示の効果

  1. 視線の移動が減少
    書類イメージとOCR結果が同じ場所に表示されているため、左右を見比べる必要がなくなります。修正対象が直感的に把握可能です。

  2. 読み取りミスが一目瞭然
    OCRが誤認識した箇所では、イメージ上の文字と重ねたデータの位置や内容がズレます。このズレが視覚的に分かりやすいため、ミスの特定がスムーズになります。重なったままでは見にくい場合(例:1文字見落としでは以降の文字が全部ずれる、など)はキー操作一つで書類イメージとデータを上下または左右に表示切り替え出来るようにして目視チェックを容易にしました。

  3. 作業効率の大幅向上
    視覚的なストレスが減少することで、修正スピードが向上し、全体の作業時間を短縮できます。


具体的な改善例:画面イメージ

従来の「左右に分かれたレイアウト」の場合:

  • 左:書類イメージ

  • 右:OCR結果データ
    作業者は「頭の中でマッピング作業」を行わなければなりませんでした。

新しい「重ね合わせ表示」の場合:

  • 書類イメージ上にOCR結果データが直接表示される。
    例)帳票上の「氏名」欄に「山田太郎」の画像と「山本四郎」というデータが重ね表示されていれば、修正すべき箇所が即座に分かります。


期待されるメリット

  • 修正スピードの向上:データ確認にかかる時間が削減されます。

  • ミスの減少:ズレや誤認識が一目で分かるため、修正漏れを防止。

  • 作業者の手間、ストレス軽減:頭の中での対応項目変換作業が不要になり、集中力をほかの作業に向けられます。


まとめ

OCR作業におけるデータ修正は、適切な表示方法の工夫によって改善できます。特に、書類イメージとOCR結果データを「重ね合わせ表示」するだけで、修正作業の負担を大幅に軽減することが可能です。
作業効率の向上を目指している方は、ぜひこの方法を取り入れてみてください!

OCR作業フロー改善前後の比較

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