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雨と花束の感想

ホテルシー京都で、『雨と花束』っていう演劇を体験してきた。
泊まれる演劇。
イマーシブシアターってやつだ!

なんかねー、感想書いちゃお。
良かったから。
すっごく感動したから。

ストーリーに関するネタバレはしないけど、キーワードは書くし、没入型ってどんなんやったかっていうのは書くので(書かないとなにも語れないから)
こういう演目ってなんも知らんと観るのが一番楽しいから、『これから観ようかな?』って思っている人は読まんほうがいいかも。

表現力がないのでたいした感想は書けんけども。でもなんか書きたくなっちゃった。かなりとっちらかると思うけど。

じゃ、書きまんがな。

まずね、なにに感動したかというと、『この作品を創り上げたひとびとがいること』。
私はクリエイティビティみたいなものがほとんどない。それにひとみしり。プライドが高くて恥ずかしがりや。人と協力してなんかやるっていうのもニガテ。
なんか作品を生み出して完成にたどりつくって、まずそれだけですごいなあって思う。
作品を生み出すのって内なるもの(内心)の表出であって、それをひとさまに出すまでには必ず葛藤があると思うんだ。受け入れてもらえるかな?おもしろがってもらえるかな?って。
そして、その葛藤を乗り越えても、でっかい作品を作るにはみんなの協力がいるやん。同志を集めるのも大変だし、人間って基本自分勝手なイキモノだから、同志であっても気に入らない部分とか出てくるし、志があるからこそゆずれない部分がぶつかりあったりもするだろうし…
その上で一つの作品を完成させている。
すごーーーーーーい!
とくにこの作品はすべてのひとに『ガッツ』がないと完成し得ないと思うので…
すごかった。

イマーシブシアターって、観客も舞台に上がっているっていうか、観客も舞台の一員なのよ。しかもこの『雨と花束』では、観客がキャストと話すことが許されているの。

めっちゃこわいやん。ドキドキするやん。知らん人間やん。知らん人間ってなにしでかすかわからんし、どんな質問を投げかけられるかもわからんし、舞台進行に滞りが生じるかもしれんやん。
でも、それはそうなんだけど、そんなことは百も承知で、双方向のアドリブを前提で作られている作品なワケ。
だから、なんか『この作品の造り手たちは、人間のことを信じているのだ!』というのを強く感じた。そこにも感動した。

なんかね、演劇って一回性のもので、だから私は演劇を好きなのだが、イマーシブシアターにはそこにさらに『個人的な経験』というステータスが加わると思う。それがすごく良くて、うれしー気持ちになる。

なんか私ではイマーシブシアターの良さをうまく言語化できないけれど、この役者さんのこの投稿がいいな、と思うので読んでみてね。

人間って世の中にほんっとにめちゃくちゃたくさんいるけど、世の中って物騒だから知らん人に話しかけることってないし、知らん人から話しかけられるのもこわいし、海外旅行だって向こうから日本語で話しかけてくる自称ガイドはたいがいボッタクリだって旅のラジオで聞いたし…(ヘンケンかもしれんが)
でも知らん人と話してみたい!みたいな欲求ってあるとおもうんよ。みんなにあるかは知らんけど、少なくとも私はある。
だからその『知らん人と話してみたい欲』も満たせてほくほくしたんだ。ひとみしりだけど、コミュニケーションはニガテだけど、ひとと関わりたい欲はいっちょまえにあるので。

あとねえ、なんかオズの魔法使いの話が出てね、私はオズの魔法使いを読まずに大人になっちゃったんだけど

自らの臆病をどうにかしたい、勇気を手に入れたいライオンは、魔女に『勇気をください』と頼んだ。でも魔女は『それはできない相談だ。なぜならあなたはもう勇気を持っているから。この旅を乗り越えてきたあなたには勇気があるから。怖いと思う気持ちはだれにでもある。怖いと思いながらも立ち向かっていくことが勇気なのだ。』っていうようなことを言ったらしい。

という話を、劇中でとあるキャストから聞いて、

これって…『ちいかわ』じゃんッ!

と思って感動した。
私はちいかわのこと、臆病で弱虫で泣き虫だけど、だからこそひといちばい勇気があるなあと思っていて、そこがちいかわの人間味であって良さであると思っていて、だからちいかわが一番好きで、
オズの魔法使い読んでみよ〜☺️と思ったのだった。

あとはねえ、キャストの人の演技も良かった(ほんとうに『役者さん』たちだった)し、演出も良かった。光の使い方、それはすなわち闇の使い方でもあり…音楽の使い方も良かったし〜、お部屋の飾り付けも素敵だったし〜、公演中もカクテル飲んだりできて没入感がすごかったし〜、
でもこのへんは『言わずもがな』だ!行けば分かるから。それにこのへんを深掘りするとストーリーのネタバレを避けられないので。

とりあえずこんな感じかな。
後で思い出して書き足すかもしれんが。

とにかく良かった。
ふだん時給どんぐり3個で働く身には、高かったよ。でもそれだけの価値、それ以上の価値がある。
みんなに行ってほしい。
そしてゆくゆくはこういう演劇形態の裾野がずんずんどんどん広がってほしい。やっぱり若い人向けかな?とは思ったので、子供向けとか中高年向けとかもあったらたのしい。(私が行った回は若い人が多かったけど、別に中高年が行ってもたのしいとは思う!一歩踏み出して人に話しかける胆力さえ多少持ち合わせていれば!)