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0059 考える京都❸ マンガミュージアム、漫喫からの脱却を
【旅ログ】
to 京都国際マンガミュージアムについて知りたい方
to 日本の希少なミュージアムのあり方を一緒に考えてくれる方
お寺だけでは飽きがくるのがわかっていた。3日間の中日に京都国際マンガミュージアムに行ってみた。
京都国際マンガミュージアムとは?
マンガについての博物館かつ図書館かつ研究機関。入場料を払えば、展示でマンガについての理解を深め、初期の作品から手に取り自由に読むことができる。以下公式報告HPより。
京都市と京都精華大学の共同事業で、マンガの収集・保管・展示およびマンガ文化に関する調査研究・事業を行うことを目的としています。機能は大きく分け、博物館的機能、図書館的機能、研究機能を合わせ持ち、マンガに関する展示やイベント、ワークショップなどを多彩に開催する他に類のない文化施設です。
建物は元小学校の昭和初期建造の校舎を活用し、当時の佇まいを残します。
保存される資料は、江戸中期の戯画や明治の雑誌、戦後の貸本などの歴史資料や、現在の人気作品、海外のものまで約30万点。そのうち、5万冊のマンガ本は、総延長約200メートルにわたる「マンガの壁」といわれる書棚に配架され、敷地内であればどこでも自由に読むことができます。
施設内にはショップやカフェも併設されています。お天気の良い日には敷地内の芝生に寝転がりマンガを読むことも可能です。
公式HPより
創意工夫でもっと素晴らしいミュージアムになる
ここから個人の感じたこと。まず、マンガが大好きな人間にとっては、天国のような場所なのではと思いました。感心深い点と、こうしたらもっと面白くなるだろうなという点を自分なりにつづってみます。
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昭和初期の作品、海外版含め5万冊のマンガが読み放題。ひとつのシリーズで全巻そろっているというわけではないが、それを差し引いても歴史ある蔵書を気軽にページを繰ることができるのは価値がある。
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この品揃え。知る人ぞ知る作品も多いと思う。この画像の中だと自分は手塚治虫の”どろろ”しか知りません。
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数多くの漫画家の手形がペンとともに。面白い試みですが、もう一工夫ほしいと思ってしまいました。結局、出落ちみたいな感じで、型どられた漫画家の手をまじまじと見る人はいませんでした。
たとえば、壁から迫り出させて立体的に見せる。いくつかその人の特徴やエピソードを展示にまぜこむ。映え意識の角度と色味。など。
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その他のアクティビティ。絵本コーナーはすり鉢状の箇所に子供たちごろごろ。こういう直感にうったえるものはとてもいい。
似顔絵コーナーや漫画の書き方コーナーもあったがスタッフが暇そう。遠くからでも、ブースを1秒見ただけで、そこでどんな経験ができるのか視覚と感情にうったえるものがあるといい。
余談。二年坂の水色亭というお店の前を通るとき、美味しそうなメンチカツのでっかい看板が。つい写真につられて買ってしまった。こういうことかなと思う。
訪れる人の感情によりそうことで、アイディアが生まれ、少ないコストでも創意工夫で、さらに魅力的なものが作れるのではと思いました。
外国人への対応の準備はどう?
マンガ大国日本に訪れる外国人。最後にその期待にこたえられるかを考える。個人的には、ほとんどの展示が英語併記されていて一定の満足はえられると思いました。さらにもうひと”もてなし”がほしいとも思いました。
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画像は各国の翻訳版のマンガの一部。これだけの言語になっているんですよということ。外国人が読み耽るための量ではないです。ただし自国の言葉のマンガがここにあることは嬉しい気持ちになるはず。
上記をヒントに、訪れる外国人の国の文化と日本のマンガ文化の関係性がわかる資料がもっとたくさんあると満足度が高まると思いました。我々がヨーロッパの美術館で、浮世絵を大きく取り上げられている時の誇らしい嬉しさ。逆の立場でうれしいことをもっと。
展示とともに-マンガについて考える
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最後によくできた構成のマンガについての展示を、画像とともにおさらいさせていただきます。
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1.マンガメディア年表
江戸時代からの漫画の系譜。今当たり前にあるものがなかった時代についての想像力が大切。
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2.マンガ人生年表
現代。少年マンガ、少女マンガ、専門分野のマンガなどえだわかれしていく系譜がわかる。
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3.マンガの作り方
興味深い。独特なペン入れの音など想像してしまう。
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4.“お約束”でできているマンガ
フキダシ、オノマトペ、効果線、漫符。自然とマンガの要素として自然と受け入れている私たち。
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5.マンガ家はお金持ちなの?
これは、マンガ家という職業の実態をつまびらかにする素晴らしい展示。ただの憧れだけではじめられるものではないという現実。実力さえあればしっかり安定した生活ができるよう業界全体の構造の底上げ、裾野の広がり、地位向上が必要と思いました。
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6. コスプレもマンガなの?
メディアミックスで広がりを見せる事例の展示。歌舞伎やパチンコ台など、言われてみればコンテンツの活用方法は無限にある。同時に濫用はせず世界観も大切にしてほしいと思いました。
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7.世界中の人がマンガを読んでいる⁉︎
8. 世界のマンガ
日本のマンガの世界への広がりがわかる。各国のマンガカルチャーの広がり方がデータで可視化されるともっと面白いと思いました。市場規模、各国の人気マンガランキング、イベント動員数など。
以上。京都にてマンガを読んでひと休み。次は東本願寺へ。
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