見出し画像

0095 応援したくなるビジネスモデル- “小杉湯”と”小杉湯となり” in 高円寺 -

【街歩き】
to 銭湯を活用したビジネスモデルに興味ある方
to コミュニティのあり方を考えたい方

仕事の都合もあって中央線沿いの街、高円寺に。図らずも街中にある”小杉湯”と”小杉湯となり”に行ってきました。そのきっかけや感じたことを書いてます。

余談から。東京の地図を俯瞰。東西に走る電車を地図の上から確認。東武、西武、中央、京王、小田急、東急。”ここだと乗り換えやすいのか”とか”この公園意外に近いな”とか。意外なつながりを発見するのが好き。久しぶりの中央線沿線街歩きの中、そんなことを考えた。余談おわり。

インサイトをひもとく-小杉湯訪問の動機

そんな街歩き。年末の活気を感じながら、高円寺をぶらぶらしていると、ふと思い出した。たしか行ってみたかった銭湯が高円寺にあったはず。そうだ小杉湯だ。何で見たんだったっけ。経緯をひもといてみた。

海外生活の反動か、サウナブームの後押しか。銭湯が好きになっている。先日行ってきた近所の十條湯。お風呂を出て隣接する”喫茶深海”に。珈琲牛乳でくつろがながら、何気に手に取った本”銭湯図解”。

オフィシャルHP

日本全国の特色のある銭湯が丁寧に図解されている。絵のタッチがよい。箱庭的なわくわくする構図。思わず細かい部分を観察してみたくなる。著者の銭湯愛は本物だ。おもむろに表紙をみる。

きっと男性で年配の絵描きだろう。違った。しおやあゆは? 女性の方。よくよく確認すると、塩谷歩波と書いてエンヤホナミさん。Enyaの"Anywhere is”が頭の中を流れたのは2つ目の余談。どんな方なのかTwitterを見てみる。 

20代とおぼしき若い女性。自己紹介には、”高円寺の小杉湯を経て絵描きとして活動中”とのこと。著者の塩谷さんはかつて小杉湯という銭湯で番頭をしていて、そこから絵描きになっていったということだ。その温泉図解にもしっかり掲載されているのが、歴史ある銭湯”小杉湯”。

これらのことが頭に残っていて思い出したわけでした。十條湯→喫茶深海→温泉図解→塩谷さん→高円寺ぶらぶら→小杉湯を思い出す。という流れ。何かがどこかで記憶にひっかかり、それが決断や行動の動機になったりする。こういう消費者心理って我ながら面白いものだと思った。

そんなこんなで、高円寺の商店街散策に加え、小杉湯に行ってみることにした。

小杉湯。試みがおもしろい

17時。人口密度も高い高円寺で、さらに著名となった小杉湯にはひっきりなしにお客さんが温まりにくる。

入ってみてわかったこと。著名だから人気なのではない。銭湯図解がプロモーションの柱にはなっているのだろうが、それだけではない攻めた仕掛けが。私が訪れたときは、銭湯なのに小さな書店が併設。そして銭湯なのに、良理(料理)道具月間と題して特色のある本物の道具を展示販売。

銭湯後は本を読む
こんな感じ
道具販売はこんな感じ

背景、意図、はもう少し深堀したいところだが、単純に、銭湯というゆるいコミュニティは、さまざまなイベント、媒体、モノ・サービスとコラボできる可能性があると思った。おもしろいことを考える人はいるものだ。しっかり疲れがとれ、銭湯をでた。

小杉湯の隣には”小杉湯となり”がある

外にでると気になる広告が。”会員制セカンドハウス小杉湯となり”? まさに隣には、ウッディーな3階建てのおしゃれな建物が。見学ができるらしい。入ってみた。案内してくれたのは短大生の男性イワクラさん。話を聞かせてもらいました。

看板が目に入る
素敵な建物

かつて小杉湯の隣には、同じオーナーが管理するアパートがあった。老朽化がすすみ取り壊しが確定。居住している方々に退去依頼。思いの他あっという間にみな退去していき、解体まで1年ほどの猶予期間が。

解体を控えた風呂無しアパート。声をかけられた多様なクリエイターが集まった。そのコミュニティは専門分野と銭湯を掛け合わせた活動を展開するプロジェクト”銭湯ぐらし”に発展。そして小杉湯の隣に、銭湯と一緒に利用できる複合施設が誕生するにいたる。これが”小杉湯となり”である。(2020年2月)”その過程で、”プロジェクト銭湯ぐらし”は”株式会社銭湯ぐらし”となり、銭湯を活かした場づくり、イベントを展開している。

1階のパブリックなフリースペース。
イベント告知や共用キッチンなど。
2階。リモートワークによい。掘りごたつ形式の面白い造り。
もちより、寄付された本など
3階は少し狭いがテレビ会議などもできるそう。

この建物は、月2.2万円のサブスクのセカンドハウスといったところ。月10枚の入浴券がつき、コロナ禍のリモートワークに、日々のリフレッシュに、仲間とのイベント実施や参加に。銭湯をとりまくほどよい距離感、それでいてお互いを尊重し合うゆるくてあったかいコミュニティの感覚を、そのまま取り入れたような場所なんだろうと思いました。

銭湯が教えてくれるコミュニティの在り方

コミュニティというものは、難しいが必要。そして面白い。形がないが形がある。ときに孤独を忘れさせてくれるもので、ときに煩わしいもの、面倒なもの。銭湯のカルチャーが根っこにあることによって、その絶秒な人と人との距離感、バランスがいいのかもしれない。

自宅から距離があるので、入会とはいかなかったが、とても面白い試みで、偶然立ち寄ったところ、見学させてもらって、こうして考えるきっかけにもなった。こういう活動をしている方がいることが嬉しい。いろいろな壁があると思いますが、こういう会社はぜひ大きく成長してほしいと思いました。

今回は、訪問した個人の感想を、下のサイトも参照しながら記事にしました。

参照:
塩谷波歩さんTwitter 
銭湯ぐらしnote
銭湯ぐらし公式HP

____
旅行記 Instagram ken_yama.n

いろいろ FaceBook Yamanobe Kenichi

雑多な旧Blog WordPress India Life

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?