0148 QC検定 - 言葉の定義と統計学の”知” 資格試験の3ヶ月❺
【学習記録】
to QC検定3級を受けた感想を聞きたい方
1月からつづけた3ヶ月短期インプット期間。ITパスポート、TOEIC、簿記、あいだに社内研修と考査、貿易実務ときました。区切りとなる今回は、本業と一番近いQC検定。感想です。
なぜ受けたか?
現在、ものづくりの品質に関わる部署で働いている。社内で活用している知識の偏りを、一般的で普遍性のある知識で補完する。考え方の武器を増やし判断の精度をあげたい。今後のキャリアに関わらず、モノもサービスも、適切な”品質”にどう効率よく近づけていくか?というのは普遍的テーマだろう。
少し話を大きくしてみる。考えてみると、人類が二足歩行し道具を使い始めた200万年前から、常に品質という概念があったことになると思う。品質に向き合う歴史は、ある意味、人類の叡智の歴史。そこにタッチすると考えると、これは少し嬉しいこと。
受験概要と勉強の記録
品質管理の知識を問う筆記試験を毎年2回、3月と9月に全国約120か所で実施。4級から1級まで4段階。企業人、学生などのキャリアアップ実現を支援。試験時間90分。マークシート形式。合格ラインは約70%。昨今の合格率は50%ほど。詳しくは下記ページ。
日本規格協会グループ
QC検定が始まったのは2005年から。下図。コロナ前までは右肩あがりで受験者がふえている。製造業の方が中心だが、統計的手法などは、どんなビジネスにも汎用性がある。データを重視する思考を育むために、あらゆる業界で推奨されていると推察。
3月20日13:30。東京。北千住から徒歩20分の帝京科学大学にて受験。自分が受けたのはもっとも受験者が多い3級。少し肌寒むかったが晴れてよかった。
学習時間は、直前1週間集中して合計約11時間30分。テキストは薄さと問題集重視で、下記の書籍を選び、読んで解いてを1.5周くらい繰り返し。前提パーソナル情報 : これまで7年弱海外の取引先工場の管理や交渉の経験有。QCの体系的な学習経験はなし。
合否は5/9。合格ラインの70%はとれていると思われる。
学習して思ったこと- 輪郭をはっきりさせる
統計学の”知”
名著『FACT FULNESS』のいう人間の本能的な思い込み。データが語る真実に目を向けると、思わぬ真実が炙り出される。著書がとりあげる対象は国家の豊かさや人口などマクロな視点。
ミクロとしての品質管理の現場。統計データを定量的に分析する手法がいくつもある。品質管理の道は統計学。正しくサンプリングし、数式にあてはめれば、個別のあらゆる現象に適用できる。”理論”の素晴らしさだ。統計的手法の知にタッチすることの有意義さを感じた。
ビジネスの推進力
統計的品質管理のあらゆる数式と向き合って思ったこと2つ。
ビジネスの現場で使える武器をより多くもつことの重要性。そして使いこなせること。個人的には、工程能力指数と相関分析を、実務にもっと取り入れたい。
データに基づかない経験や勘による判断はその精度を欠く。一方、データ至上主義、データ偏重はスピード感を落とす。課題に向き合った時の推進力は、そのバランスが重要。
JISが教えてくれる-曖昧な言葉の定義
言葉について考えさせられる。私たちは定義の境界がぼやけている”言葉”を駆使して、日常を生活している。これまで生きてきた経験、相手との関係性、話の文脈をふまえ、多くの情報を曖昧なままにしても、コミュニケーションが成立する。
品質管理。精緻なゴールに導くためには、可能な限り曖昧な要素を明確にする必要がある。定量的、定数的に表せるものはよい。言葉をどう扱うか問題にぶつかる。定義の明確化が必要となる。たとえば計測と測定。
計測…特定の目的をもって、測定の方法および手段を考究し、実施し、その結果を用いて所期の目的を達成させること。
測定…ある量をそらと同じ種類の量の測定単位と比較して、その量の値を実験的に得るプロセスのこと。
そのわかりやすさの是非はおいといて、JIS(日本産業規格)にひととおり定義されている。先人たちが知恵を絞って言葉に番地を与えていった。
いろいろ2段階ある品質の言葉
言葉の海に飛び込んで、品質に関わるエリアを泳ぐ。すると、”基礎と応用”のように、2つの段階があるものが多いと気づく。話をシンプルにすると①マイナスからゼロ地点にすることを意味する言葉と、②ゼロ地点からプラスにすることを意味する言葉。
①問題 ②課題
①対策 ②方策
①当たり前品質 ②魅力的品質
①固有技術 ②管理技術
①ニーズ ②ウォンツ
”問題”と”課題”という言葉を意図的に使い分けている人は少ないと思う。しかし一度この言葉の定義の違いを理解すると、思考や判断がクリアになる。文節、文章、文脈の輪郭がくっきりしてくる。
資格試験の3ヶ月を終えて
複数の資格試験をつめこんでみたこの特殊な3ヶ月。デメリットとメリット、ポイントをまとめてみる。
デメリット
・自分の血肉にするための行動が足りなくなる。ひとつの試験終了後、次の試験対策に取り組まなければならないため。
・本来のスキルアップの目的から少しずれが生じる。限られた時間なので、合格のための学習になるため。
・習慣化の崩れ。学習時間確保のため、それまで守ってきたルーティンが崩れる。それだけならまだいいが、生活のリズムの崩れとなり、心身の疲労になるときがある。
メリット
・強制的に学習する環境となる。期限が設定されるため、怠惰な自分には有効な手段。
・相乗効果。ひとつの試験で学習したことが、他の試験で必要な知識として、応用的に活かせるものがある。
・自信、自己効力感が高まる。短期間でのチャレンジなため、合格など一定水準の結果がでることで、自分のバージョンがあがる感覚をおぼえ自信につながる。
ポイント
もし今の記憶のまま、3ヶ月前の自分にもどるならどうするか。
・学習計画。無理のない学習計画の全体像をつくり、毎日ふりかえる。
・習慣化維持。習慣が崩れないように、やらないことを決めて、無理のないスケジュールに。生活リズムを崩さない。
・学習環境整備。YouTubeとNetFlixの視聴時間制限。行動レベルでストレスなく視聴を制限できる環境づくり(現在も課題)
・状態目標のイメージ。到達したいレベルアップした自分についてを言語化しイメージし刷り込む。ポジティブに学習に向き合えるように仕向ける。
タフだったが清々しい気分になっている。改めてガンジーが残した名言をもって、この投稿をしめる。
Live as if you were to die tomorrow.
Learn as if you were to live forever.
明日死ぬかのように生きよ。
永遠に生きるかのように学べ。
QC検定当時の様子
2022/7/6追記↓