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今更ながらJATECを受けてきました

こんにちはエスケーです。
私は二次救急病院で整形外科医をしています。
来年度から三次救急病院に異動とのことで投稿します。

初期研修医を終えて数年が経ちますが重い腰を上げて漸くJATECを受講してきました。

初期研修は三次救急病院だったので外傷整形外科に憧れて?研修を始めて間
もなくJATEC教本を購入しました。
参加登録は「外傷初期診療ガイドラインJATEC」に付属のコードを用いますので購入が絶対条件です。

初期研修の間に受講したかったのですがコロナ禍で講習が悉く中止となり、数少ない講習は上の学年から優先のため受講できませんでした。
初期研修が終わってからは整形外科総論的な学習で手一杯であまりJATEC受講欲が低下していたこともありすっかりモチベーションが下がっていました。

受講には2日間かかるのもあり避けていましたが、結果的に受講してよかったと思います。

日程や参加メンバー

講習は
①半日のオンデマンド講習
②病院に集合し1日かけて実技
の2日に分かれます。
更にA,B日程に分かれるため一度にそれなりの人数は受講できるのではないでしょうか。

参加メンバーは初期研修医、救急医、外科医が大半で整形外科医は私だけでした^^;;笑
(内科の先生も受講されていました。)
メンバーの多くは初期~後期1年目くらいなのでそれくらいに受講するものと思っていたほうがよいかもしれませんね。

受講していた初期研修医たちは非常にJATECについて理解をしているようで皆primary surveyについては特にスムーズでした。
年次が経っていても初期対応ができないと言われないように勉強しておかないといけませんね^^;;

受講内容

基本的にはJATEC第6版に沿って2日間の講習が実施されます。
大まかには日常診療で気を付けている流れに沿って診察や対応していけばいいですが、JATECの基本的な概念は
「Preventable Trauma Death(PTD)を減らすこと」
です。
PTDとは適切な治療が提供できていれば救命できた可能性がある外傷死のことでぼんやりと聞いたことのあるABCDEとは診察の順番に全身状態を安定させることで外傷の救命率を上げていきます。

私は超本格的なハイブリッドERのある救急病院での勤務経験はないためJATECで指導される、例えば緊張性気胸は視診で判断して画像を撮らずドレナージを施行するであったり、FAST陽性で止血不可能なら画像を撮らずに止血術というのが実臨床に則しているかは評価不能ですが自分にはない救命を第一優先した方針には目から鱗でした。

JATECTの教科書を読むだけでは納得しきれないと思いますし、講習参加の価値は十分にあるのではないかと思います。

最後に

後期研修医になってから受講をしても非常に実りある講習だったと思います。しかし、若いころに受講することで体系立てた救急初期対応が見についてくるのではないかと思います。
講習は要点を絞っての実施となりますが、1日通しての実習はそれなりに疲れました。何年か救急やっているから余裕と思わずに臨むべきでしょう。

きっと臨床の一助となると思いますのでJATECの教科書を買ったけど受けていない先生は受講してみてはいかがでしょうか!


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