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初期研修医のための資産形成入門

こんにちはエスケーです。
私は現在二次救急病院で整形外科医として勤務しております。
初期研修は市中三次救急病院で行いメリハリのある研修医生活を送ることができました笑

学生から社会人になるというだけで大変なのに人の生き死にを目の前で体験し、夜も病棟から電話がかかり、寝れない当直を過ごされている先生もおられるかと思います。
ゴールデンウイークも終わり、少しは仕事に慣れてきた時期かと思いますので偉そうなタイトルですが医学以外に身に着けておくと役に立つことについて記事を書いてみようと思います。


そもそも医学以外を学ぶ余裕があるのか…?

元も子もない話ですが、研修医の最初は学生に毛が生えた程度で、もちろん初日の救急外来は常識的な所作の一つもわかりません。
まずは病棟業務の基本、救急外来での立ち回りを覚えることが先決です。
日常の仕事がままならないままその他の事に手を出すとすべてが上手くまわりません。
仕事を覚えるのに、教科書的知識はとても重要です。しかし、教科書に書いていない超基本的で超重要な実践でしか学びにくい所作は多々ありますし、それに加えて病院ごとに独自のルールがありますので仕事に慣れるまでは積極的に教えを乞うべきと思います。
私は仕事に慣れてきてから少しずつ医学以外の勉強も始めました。
医学以外の勉強も織り交ぜることで全体的な学習意欲が爆上がりし結果的に医学の学習にも良い効果をもたらしてくれたと思います。
余裕が出来始めてからで構いませんので少しずつ自分の視野を広げていくことをお勧めします。

法律や仕組みは世のガイドブックである

仰々しいタイトルです笑
しかし、この世は法律というルールの上に多種多様な取り決めがなされています。質の悪いことに社会人を始めるにあたりこのルールは知っていると得をするという側面より知らないと損をするという側面の方が大きいと感じます。
少しずつ見識を広げることは自分が損をしないところにつながり、ゆくゆくはそのルールの上で上手に立ち回りそのルールさえも味方につけていけるのではないかと思います。
まずは損をしないために学ぶことを始めてみましょう!

①マンション投資と節税と資産形成

結論:
資産形成には裏技はありません。
勤務医には基本的に経費を使用して節税する方法はありません。
ふるさと納税は欠かさず満額しましょう。
比較的高収入を安定して維持できる勤務医であれば大きく損をせず少しずつ資産規模を拡大していくことが重要と考えます。

マンション投資と節税

社会人になると学生の頃高額な家庭教師バイトをしていて喜んでいたことが阿保らしくなるくらい纏まった金額が給与として振り込まれるようになります。それと同時に給料明細を見て法外な金額が税金として引かれていることに気づきます。
そんな時、先生のピッチに
「超優良物件購入しませんか?」
「資産形成も出来、加えて経費を使用でき節税も可能です」
と営業の電話がかかってきます。
まず、外線から電話がかかってくるという状況に慣れておらず、仕事のストレスも溜まり、それでいて儲かるという話を聞かされアポイントメントを設定してしまう先生もおられると聞いています。更には
「今日だけこの値段で、先生に一番に情報を持ってきました。今日決めなければほかの先生にご案内します。」
などと対面で案内された日にはあっという間に嵌め込まれてしまうでしょう。
実際このようなマンションは購入金額より資産価値が低く、利回りも低いことが多いです。それに加え場合によっては住宅ローンで購入されられ将来の自宅購入に際して多大な影響を及ぼす場合もあります。

要するに売れない安いマンションを社会人のスタートで買わされ、借金返済に追われ、住宅ローンも組めない可能性があるということです。

実際医師は収入も多いので何とかなることが多いとは思いますが、社会人早々大きく失敗するのは良い手とは言えないと思います。
実際減価償却と帳簿上の赤字により節税は可能ですが、それは節税ではなくただ損をしているだけです。
狭小マンションを買うくらいならポイントサイトを緻密に利用し、きちっとふるさと納税をすることの方が確実に節税効果を得られます。

最初にするべき資産形成

idecoと積み立てNISA です。
idecoについては基本的に長期間資金が引き出しできないことや利確での税金がかかる可能性などを懸念して否定的な方もおられますが
・sp500や全世界株index購入可能
・掛け金分の控除により節税が可能
・財産分与対象外
・破産しても差し押さえされない
主に上記を理由に満額購入をしています。
詳細については下記を参照してみてください。

また、idecoは銀行口座を登録し毎月自動的に引き落とされるため解除がやや煩雑になることから初めての積み立て投資には最適と思います笑

*やや脱線しますが財産分与や婚費については以下で詳細に記載されています。資産形成中の結婚を考えている先生方は必読と思います。

続いて積み立てNISAです。
積み立て投資枠と成長投資枠があり個別株や値上がり率の高い株式の購入も可能です。
しかし、購入するのはsp500 indexもしくは全世界株式 indexいずれかをお勧めします。私は全世界株式 index推しであり、これは市場効率仮説を信じて投資を行っているからです。
ちなみに、株式で運用益をプラスにできるのは2割程度の様です。
私たちは学力偏差値こそ高いですが、おそらく株式偏差値は良くて平均でしょう。つまりは上位2割に届かないわけですので無理せずにindex投資をメインに始めるのが適当と思います。

不動産投資

私も小規模ですが不動産投資を行っています。
比較的手はかからないですが、放置して収入が楽々入ってくるものではありません。
なにより大切なのは良質な物件を購入することですが、今後の金利上昇や物件価格の高騰による実質利回りの低下などを考えると積み立てNISAから始めるべきでしょう。
しかし、不動産投資の強みはレバレッジをかけて(融資を受けて)事業ができることです。経費が使え、法人設立が出来れば更に裾野が広がると思います。購入経験のない方は慎重な検討や有識者への相談は必須ですが良質な物件に出会えた場合は検討する余地はあるでしょう。

②資格取得

ライフハック系のまとめサイトや動画を見るとFPや簿記、宅建は取った方がいいなどとあれこれ書いていますがまずはFP3級を勉強してみるといいと思います。
FPは所謂世の知っておかないとそんな制度をまとめた試験であるという理解です。FP3級程度の内容はかなり短時間で詰め込むことができ実生活にもかなり実用的であるため資格取得しなくとも一度目を通しておいてもよいと思います。
また、年金や社会保険といった実臨床にも役に立つ知識も得ることができ一石二鳥です。学習には以下のYoutubeチャンネルを利用しました。

ちなみに私が取得した資格は
・宅建士
・簿記3級
です。

いずれも根本的に資産形成や不動産投資に役に立ってはいません笑
宅建士にしても簿記にしてもそれぞれ仲介会社や税理士に相談すればよいわけです。更に、TAC調べでは難易度は以下の通りであり自分の余暇をある程度消費して資格取得しなければいけないわけですからコスパは良くないと思います。
しかし、自分の知らない分野に手を広げるなら知らない知識は少ない方がいいです。購入したい物件を見つけるのに並行し宅建士を取得したり、小規模のうちは白色申告を自分でしたりすることは自分にとってプラスとなると考え、資格取得をしました。

③時間外労働、当直・宿直

時間外労働

時間外労働には実はいろいろ種類があります。
働き方改革で時間外労働を減らす流れになってきていますが一朝一夕には変わらないでしょう。
正当な賃金が支払われないのは腹立たしいですが、諦めないといけないこともあります…
時間外には以下のように取り決めがなされています。
詳細は労働局のホームページを参照してください。

時間外、休日及び深夜の割増賃金(第37条)
時間外、深夜(原則として午後10時~午前5時)に労働させた場合には2割5分以上、法定休日に労働させた場合には3割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません。

当直と宿直の違い

初期研修中の当直ではイメージできないかもしれませんが、夜間に患者が全く来ない「寝当直」なるものが存在します。
当直と宿直は明確に異なり、宿直=寝当直のイメージです。
ただし、働き方改革に伴って夜間救急で絶え間なく働く必要がある病院でさえも宿日直許可を申請しそれが許可されてしまっているようです。
寝れる当直なんだから翌日もタダで働いて当たり前が通ってしまっておりこれにはメスが入ってくれること祈るのみです・・・

④コミュニケーション、人脈

最後になりますが、医療業界という閉鎖された業界内で働く以上人付き合いは避けては通れません。
入局されている先生方は多いと思いますし他人を下げて、自分を上げるではいつか限界が来ると思います。そもそも患者との信頼関係は診療上非常に重要な要素であります。
時間があるうちに男女問わず多種多様な人と会うことをお勧めします。
私は働き始めてから本を通して学ぶことの重要性に気づきましたが、それ以上に直接会って聞けるオフラインの話の重要性を実感しています。
自分の数十倍見識の広い先生や質素に見えてとんでもないお金持ちな他業種を見て自分がいかに普通であるかがよくわかると思いますし、それを目標に頑張れると思います。

強いてコミュニケーションの参考書を推すとすると
藤沢数希先生の「ぼくは愛を証明しようと思う。」です。
ナンパを通してほぼ童貞の主人公が国民的女優と付き合うまでに成長するもセクハラで訴えられ失職し、その後、再起するというどうしようもないストーリーです。
しかし、作中には人との信用関係=ラポールを形成するためのテクニックが盛り込まれています。また、精神的にも成長する様が描かれており、男女問わず人間関係を形成する過程を客観的に観察することができます。
ナンパを題材にした小説ですが、日常会話にも応用でき、ちょっとしたポイントをおさえるだけで会話がスムーズに運ぶと思います。

トークテクニックでは以下もおすすめです。

終わりに

医学以外で役に立つコンテンツをメインに自分の考えをnoteにまとめさせていただきました。
いずれもやってよかった、知っていてよかったと思うものばかりです。
しかし、本業は医業であることを忘れず初期研修を終えるべきだと思います。初期研修2年間で学んだことはいまほぼすべてで役に立っています。
今回書き連ねたことは医師でなくとも実施可能ですので自分が医師であるということで他と差別化できるよう自己研鑽は続けていくべきと考えます。

最後になりましたが長文を読んでいただきありがとうございました。
ご質問、ご意見ありましたらご連絡いただければ幸いです。

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