トヨタのカーデザインを考える その3

車の前部がフロントフェイスと呼ばれているのは、ヘッドライトが目のように見えるからである。初対面の相手の印象がその人の目つきによって決まるように、車の印象もヘッドライトのデザインによって左右される。そして、フロントフェイスを顔と認識するからこそ、丸いヘッドライトの車を見るとほっこりするのである。

もしあなたが通りで見知らぬ相手に睨みつけられたら、いったいどう感じるだろうか? 理由もわからず威嚇されているわけであるから、少なくともいい気分はしないはずである。運転中に、つり上がった目のような形状のヘッドライトが視界に入るたびに不愉快に思うのは、威嚇されていると感じているからに他ならない。

トヨタのデザイナーは、目つきの悪いヘッドライトに晒されるドライバーの気持ちを想像したことがあるのだろうか。一歩外に出れば、あらゆる場所で見たくもないフロントフェイスが視界に入ってしまう。最も人目に付く乗り物に、オラ顔で感じの悪いデザインが本当にふさわしいのか、トヨタには今一度考えてもらいたい。