第104回【花園】データ調べ①:出場チーム登録選手数
第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」が開幕しました。いつも公式記録から体格データの検証を行っていますが、その前に今回は参加選手数に注目してまとめてみました。
公式記録だけではわからないのですが、ラグビーマガジンの別冊付録を用いて、各学校のチーム数から選手数、そして学校の男子生徒数などを抽出しています。
また、高体連の加盟校調査から各都道府県の登録人数も利用しています。
*手作業も多いため、誤りに気付かれた場合にはご指摘いただけると嬉しいです
①参加人数
今回出場しているチームに所属する生徒数ですが、
男子選手:3021名(3年:937名、2年:1016名、1年:1068名)
マネージャー:129名(「学生スタッフ」含)
女子選手:114名
②各チーム選手数-都道府県登録人数に占める割合
以前から、高校ラグビーの人数減少という点は追いかけていて、その中で各地区上位校への選手の偏りが顕著になっているのではないかということは試合会場でも身を以て感じる場面がありました。
ラグマガの付録を使って、その辺を調べてみました
北海道、東京、大阪は複数校出場しています。それぞれの学校選手数に対する割合を出しています。
合算すると以下の割合になりました
北海道:78名/513名→15.2%
東京:160名/1450名→11.0%
大阪:295名/1,413名→20.9%
全国平均:3,021名/21,715名→13.9%
③各学校における、「ラグビー部選手率」
ラグマガには、各学校の男子生徒数も明記されているので、そこからラグビー部選手が占める割合をまとめています。
「30%を越えるチームもある!」というのは驚きですが、
逆に
「この学校はこのくらいの規模なんだ!」
という方が驚きでしょうか。
逆に、どれだけ人数がいるんだ、、、って学校も。
④戦績×人数
今大会での1回戦結果からグループ分けをしてみると
1回戦敗退チーム:35.8名(17-69名)
1回戦勝利チーム:59.2名(25-122名)
シードチーム:93.5名(65-152名)
となっています。体格も例年違いがありますが、人数にかなり偏りがあります。シード校チームで出場選手数の40%を占める結果になっています。
各地区の予選を見てみると、全国では人数が少ないとなっても、予選ではスコアを開いて勝利してきているチームもあります。
「ラグビーをする環境」という部分での差も大きくなっていますね。
人数の多いチームではレギュラー争いも激しくなりますし、公式戦に出られない選手が増える。これは指摘される課題でもあります。
しかし、ラグビーそのものをする、レベルに合わせて試合をするという点においてはその方が満たされるかもしれない。実際にどんな状況なのか、ここはあまりかかわりがありませんので難しい問題ももちろん沢山あることは想像できますが。
⑤未経験者は212名
今大会、ラグマガの付録で確認できた限りでは、高校からラグビーを始めたことが確認できた人数ですが、
合計:212名(登録者数の7%)
1回戦敗退チーム:164名(24%)
1回戦勝利チーム:47名(4%)
シード校:1名
勝敗区分等で大きな差がありますが、それでも登録選手の中では高校から始めた選手は随分と少ないことがわかります。
高体連での選手登録数は21,715名。
このうち未経験者は何名くらいいるんだろうか、ということは気になりますね。ラグビー経験のなかには「タグラグビー」も含まれています。
今回は1回戦の結果から選手登録数に焦点をあててみました。
調べれば調べるほど厳しく感じる数字も出てきますが、関わっている人間が現状から目を背けてはいけないですし、その上で何ができるのかということを考えなくてはいけないですね。
いつまでも「昔は~」で終わらせてはいけないこと。