10,000人近い減少に絡む数字~高野連加盟人数(令和元年公開データより)~
公益財団法人日本高等学校野球連盟(高野連)の加盟校調査結果が5月末に公表されていました。高体連も同じくらいに発表してくれたら、、、といつも思っています。中体連も。公表されたときにはもう”引退”してしまっている生徒も多くなっていて事実確認だけになってしまうので。。
データ元はこちら
「野球離れ」の実態
近年、野球離れが進んでいるという指摘もよく見ます。
実際のところ人数がどうなのか、というと
今年の加盟人数は平成11年と同水準であることがわかります。ちょうど20年前ですね。甲子園で言うと、横浜高校とPL学園が延長17回を戦った翌年になります。
平成27年から減少を続けていますが、特に今年度は大きく減少しています。(H30:153,184人→R1:143,867人)。
約1万人の減少というのは過去にもなかった数字ですね。
関係する方にとっては重い数字、だとも思いますがそれでもやはり母数が多いことは改めて感じます。
1万人減少の背景-離脱率、継続率
1万人減少という、この数字に関連するものをみていくと、、、
加盟校数:3,971人→3,957人。
平均人数:38.6人→36.4人。
離脱率:91%→89.9%
1%の変化も大きいですが、継続率の高さを考えるとここ数年新入部員が減っていることがじわじわと影響しているのかなと思います。実際、入部した人が学年あがるにしたがってどのくらい離脱しているか、というと
1年→2年では6-7%、2年→3年では3%ほどで近年は大きな変化はありません。そうなると、多く入っていた時には実数として落ちる、ということが言えるので、そういったことが連鎖した結果かなぁと思います。
継続率、、このデータは中体連や高体連では出てこない数字です。
気になるなぁ。。昔より継続傾向にあることははっきりしているけど、この数値が高いのかどうかは比較対照がないので難しいですね。
野球をする場所は大きく減っていないことは加盟校からも確認できます。もちろん加盟校が変わっていなくてもそれぞれの学校の人数には差があるでしょうし、そのことが入部するかどうかに影響することも考えられます。
昨年→今年で考えると、
入部者減少:約2400人
離脱による減少:約5,000人
残りの2,500人ほどはさらに前の入部者数の違いが影響してくるものと考えられますね。
ある学年の人数が少ないというのはその後2年続くことですからね。これがじわじわと影響してきます。。。
合同チーム、派遣制度
つい最近、知った話ですが高校野球では派遣制度があるようです。自分の過去記事で恐縮ですが。。最近この投稿へのアクセスが増えていたのはこういったことが論じられる時期だからなのでしょうか。
調べていたら、こちらの記事がありました。
データが残っている昭和58年ころからの推移に加えて昨年までの過去5年の推移についてもまとめていらっしゃいます。こちらの記事を拝見して気付いたのは今年度の新入部員は、データが残る中では最も低値なんですね。。
未来予測
現在と同じ継続率、離脱率であった場合ですが、来年度が今年度を上回るためには53,000人以上の新入部員が必要ということになります。もちろん、継続率が高まればこの数値も変わりますので、仮定ですが。
データはなぜ公開されていないのか。。
こういった議論ができるのもデータが公開されているからなんです。
他の競技だって単純に増えた/減っただけじゃない話がもっとできるとおもうんです。個人的にはそういう部分の公開はお願いしたい。そういったもの抜きでは、いつまでも主観だけの話になってしまう。
高野連のデータは都道府県ごとにも集計されているので、自身にゆかりのある地域、またプレーしていたころとの比較をすることもできます。こういう楽しみもいいなぁ。
なお、高体連でも平成15年以降のデータは公開されています。
こちらの記事によると山梨以外は46都道府県で減少しているようです。