「高校野球人口減少」を数字で確かめる~高野連加盟校数・加盟選手数の推移と継続率~
ご覧いただきありがとうございます。
スポーツやトレーニングなどに関連する数値を色々と眺めてまとめてみたりしています。今回は高校野球人口について少しだけ。
概要
硬式野球人口はここ数年減少傾向にあるけれど、ずっと減り続けてるわけではない。
軟式野球人口は平成2年以降減少を続けている
継続率は90%近くで、以前よりも高い。軟式>硬式
調査項目
開催されるかどうか、また開催方法についてもニュースに取り上げられている高校野球。ここ数年、以前よりも「野球人口減少」という言葉が出てきます。その実態は果たして、、ということで調べてみました。
1.加盟生徒数 / 加盟校数
2.継続率
3.進級に伴う増減率
このような感じでまとめてみました。
1.加盟生徒数/加盟校数
硬式野球への加盟人数は令和元年度で143,867人/3,957校,平均36.4人/校。
ここ数年では確かに減少数が大きいですね。
平成26年度:170,312人 / 4,030校、42.3人 / 校*加盟生徒最大(S57以降)
平成27年度:168,898人 / 4,021校、42.0人 / 校
平成28年度:167,635人 / 4,014校、41.8人 / 校
平成29年度:161,573人 / 3,989校、40.5人 / 校
平成30年度:153,284人 / 3,971校、38.6人 / 校
令和 元年度:143,867人 / 3,957校、36.4人 / 校
ピークと比べると加盟生徒数:26,445人↓、加盟校数73校↓、平均5.9人/校↓
ただ、今年度の数値が過去最低かというとそういうことではなく、平成11年度と同様の水準になります。
記録が残っている昭和57年度と比較すると25,000人近く増加(117,246☞143,867人)、加盟校も500校弱増加しています(3,488☞3,957校)。
一方、軟式の方は平成2年をピークに減少が続いています。
加盟生徒数:19,915→8,214 人
加盟校数: 663→416 校
平均部員数:27.1→19.1人/校
2.継続率
硬式、軟式ともに全体として増加傾向にあります。そして、軟式の方が硬式よりも継続率が高いですね。
高校1年生での入部数は減っているけれど途中で辞める部員は減っている
ということですね。
3.進級に伴う増減率
さらに進級タイミングで比較してみると
1→2年時で離脱する(1年生のうちに離れる)割合が高いというのは、まあ、そうだろうなぁと思います。入ってみたけれど、、ということもあるだろうし。あとは甲子園のタイミングも影響あるのかなと。いわゆる最後の大会が夏を超えるような場合には傾向としてもまた変わってくるのではないかと思います。
雑感
関わっている当事者の方々からすると危機感を抱く数字でもあるかもしれませんが、他競技から観るとそれでもやはり多いなぁと思います。単純に公式戦に出る/出ないだけで決まるものではないでしょうし(そうであってほしい)、外からわからないこと、何より競技への愛好がもちろんある。
地域別にそれぞれを検証してみると、特性が出てくるかもしれません。まずは全体傾向ということで。
選抜大会の開催方式について様々な検討や対策がなされている中で、ベンチに入れないメンバーはどのような扱いになるのかが一番気になります。
人数という観点でリスクを考えるならばベンチメンバーのみになると思います。それでも「甲子園」という位置づけはそれだけのものなのか、、、開催するならば当該部に直接かかわっている部員はスタンドに入れてほしいなぁと思うのです。