「合同チーム」ではない、「派遣」制度:高野連の制度から考えてみる
東京都高校野球の秋季大会の組み合わせを見ていたら、一次予選を勝ち上がった中に合同チームがありました。
高校野球でも合同チームになるんだなぁ、というのが率直な印象です。
どこにいってもある程度人数がいる印象はある。
合同チームが東京都で何校あるか、今回の秋季大会出場校で見てみると、
6チーム(参加校:26校)☞参加校の約1割くらい
確かに野球部は大体のところにあるので、それがかえって分散する結果になっているのかもしれません。
ちなみに、今年度の高野連調査によると、東京都の硬式野球部員1,2年生は6944人(3577人+3367人)。もちろんここから増減あるかもしれないけど。そして今回の参加校は数え間違いでなければ270校。単純に割れば26人/チーム。
こちらの記事によると、元々統廃合による救済のために始まったそう。今年で約20年。その後、制度の適用範囲が広がっているようです。
「合同」ではない、「派遣制度」
東京都の組み合わせを見ていると「派遣」という文字がありました。
これはどうやら人数の多い学校から生徒を派遣してもらって単独チームとして出場するという形のようです。
こちらの規定(http://www.ehimehbb.jp/kiyaku/kamei.pdf)の中の、
『12 部員不足による大会参加の特別措置について(平成 24 年5月 24 日通達)』のウに該当するのかな?以下、同リンクより引用
1) 部員数不足の連合チームでの大会参加
ア 原 則 と し て 部 員 数 が 不 足 し て い る ( 8 人 以 下 ) 2 校 以 上 の 連 合 チ ー ム で の 大会 参 加 を 認 め る 。 (地 区 大 会 お よ び 全 国 大 会 を 含 む )
イ 関 係 校 間 の 距 離 は 問 わ な い が 、 同 一 都 道 府 県 内 の 加 盟 校 同 士 に 限 定 し 、 原 則と し て 週 2 回 程 度 の 合 同 練 習 が で き る こ と が 望 ま し い 。
ウ 適当な相手校が無いなどの理由で連合チームが組めない部員数不足校には、単独廃校のルール(平成 12.6.7 通達文)を適用することも可能とする。
ただし、母体となる部員数不足校の部員は最低5名は在籍しているものとし、他校からの部員を借り入れた後の当該校の部員数は 10 名を超えないこととする。
(例:5名の場合→最大5名を借入可能。6名の場合→最大4名を借入可能。
7名の場合→最大3名を借入可能。8名の場合→最大2名を借入可能。)
東京都の秋季大会では
派遣によって単独出場している学校は7校
これを含めると単独で成立していないのは36校ということになります。
この制度は高体連に属していない高野連ならでは、なんでしょうか。
高体連の括りで考えると、これは現状では成立しないケース(だと思う)。
何を基準に考えるかなのかもしれませんが、
登録メンバーから外れてしまった場合には出場機会が得られる。その一方で、学校の同じ部活動のメンバーと違う方向を向いて活動することになる
この辺が合同チームとは違うところですよね。
合同チームであれば、単独が学校の名前で出ることはできないけど、
一緒に活動している部員とは同じ方向を向いて活動できる
純粋な競技の楽しみだけではない部分をモチベーションとしている生徒にとって、これは辛いことなんじゃないかなぁ。
その一方で、公式戦という場を経験できたり運営面でも出場可能チームが増えるというのは望ましいことかもしれません。
東京のみの制度なのかと思ったら埼玉県でもこの夏適用になった学校があったようです。*1つ目の記事は全文読むためにログイン必要
高体連での適用は難しいのか?
ラグビーに関わってますからね、ラグビーでもあったら、、、と思わないわけでもない。ラグビーでそれができたら、救われるチームがあるけど、強豪校のBチームみたいになってしまう懸念もある。そこには人数規定も必要かもしれない。派遣を依頼するチームのレベルを決める、、というのはなんか変な気もする。
試合に出るチャンスと考えたら色々と広がります。
そして、選手も「合同A」「合同B」と呼ばれるより、所属先の名前で出場できることは嬉しいもしれない。
派遣元と対戦可能性もあるかもしれないし、出場する選手の気持ちも大きく関わってくるこの制度。
大人のメンツ云々よりは生徒の気持ちが優先であればそれでいいのかもしれません。
手続き的な部分はどうなるのかは、、、少し心配。
派遣先であっても学校から引率として行っているのか。
自チームと試合が重なったら。。。とか。
そもそも
学校に縛られない大会、あっても面白いかもしれませんね。
誰がその受け皿になるのか、という問題は付きまとうけど、大学運動部とかどうでしょう?忙しいけどそういう場を設けてもらったりしたら社会的な貢献も高いと思いますし、色々な資源が眠っていると思うんですよね。
それが自分たちのリクルーティングにも繋がるかもしれない。
読んでいただきありがとうございます。日々の雑感やスポーツ、運動にまつわる数字を眺めてまとめています。普段はトレーニングサポートや講義を行なっています。