「時代の証言者 伊藤千代子」キリスト教的見解。
日本共産党の根底にキリスト教あり
って、
映画や著書のネタバレにつながる様な投稿は控えるべきだろうか?
さてと、いつもの私流の投稿はさしおいて、真面目な文書を載せます。
古参のマルクス主義者には、宗教はアヘンだと否定する方々がおられるのは知っているし、またキリスト教界はJIパッカーを代表するように共産主義は悪魔のシステムであると批判した。蛇足であるがパッカーは私が尊敬するキリスト教神学者でありトリニティ神学校の校長でもある。
話を当時の東京女子大の様子に戻すが、伊藤千代子がマルクスにふれたのは東京女子大であり、そこには勿論クリスチャンの学長の存在があり治安維持法下の東京女子大であり当時の文部省が思想により放校や退学処分にさせるという命令があったが当時の学長は思想主義による命令には従わなかったと著述があった。
また、著書にはヘーゲル青年派に属するフォイエルバッハも出てくる。フォイエルバッハは無神論者でキリスト教に否定的な「キリスト教の本質」という著書を著している。キリスト教主義的な学校でなおかつキリスト教に否定的な著書の研究もできた自由な雰囲気の学校であったのは間違いないと思う。参考までにキリスト教の本質はと著作当時のキリスト教を批判したものの、キリスト教の根底にあるキリスト教倫理について述べられている著書である。
それを考えると、伊藤千代子氏は、自身に送られてきたお金を日本共産党候補の選挙資金につぎ込んで学費滞納のために卒業はできなかったものの、この学校で大切な事を学んだのは間違いないしマルクス主義となった根底にキリスト教的思想があったのは間違いないと思っている。なお学習の友社の著書にはキリスト教を唯物論ではないというだけで否定する著書があるが、キリスト教の良さも書かれているこの著書はマルクスエンゲルス主義者だけでなく、キリスト教徒にも読んでほしい著書である。
僕は、本著においての前半を生い立ちから逮捕前まで、後半を逮捕から獄中死までと分類したいと思う。治安維持法下の様子については、日本のキリスト教史から学ぶ事ができたが、本著において再びその恐怖を認識するに至った。
なお、東京女子大学学長については、本著の後半にも出てきており、当時の文部省の取り調べに対しても、彼女らを庇ったとあり、その言動においては今後の研究課題にしたいと思うし、もっとも見習うべき事は、キリスト教的実践であり、今一度聖書に基づいて行動したいと思う著書でした。
PS.僕は映画を観たこともあって、共産主義者伊藤千代子というよりも、伊藤千代子の生き方そのものに「非常な」興味が湧いてきた。それがどうしてかわからなかったが、今回、この著書を読んで理解できました。
伊藤千代子の背景にキリスト教あり、そしてこれが天の父なる神様の導きであったと信じます。最後の最後に、
「全てを神の栄光のために。」