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最も手早くできるMS処理 PANを使う

題名、どう思います?

何年か前、

「もっとも手早くできるMS処理ってパンニングだからなぁ」

って言っている人がいまして。

その時は「・・・はて?」って感じだったけど。

いやー、今ならわかるよ。

あ、そうだ!

今回は位相という単語を連発するので、もしよくわからなければ、前のNOTEを参照するのが良かれと思います。

MIXの中で

ミックスダウンの中で、

 ・PAN

 ・フェーダのボリュームバランス

この二つが最も重要だといわれている。

正直フェーダのボリュームバランスが、どの程度重要なのか自分自身まだわかっていない;(ほら、トリム使ったりするじゃん;でも、今はまだ理解できていない何かがあるんだろうよ。)

だけど、PANはなんとなーく最近わかってきた。

今日はそれをメモしておこうかなと。

そもそもPANとは

MIXダウンでのパンは、「L・R・Centerどこに音源を配置するか」という、とても重要な役割を担っている。

また、場合によってはPANで音像を前にするか後ろにするかも決定できる。

PANの構成要素

まぁ、LRCenter、どこから音を流すかなんだけども。

まず簡単に。

「Lだけ」「Rだけ」「どCenter」この三つはとても特別なものだと考えた方が良いのではないかなと僕は思う。

「どCenter」

どCenterとは、文字通りど真ん中でなっている音のこと。

一番重要な音源を配置する場所。

ボーカルであったり、ベースであったり、バスドラム、スネアドラムあたり?

まぁ、これはわからなくもない。

「Lだけ」「Rだけ」

「Lだけ」「Rだけ」というのは、ステレオ機器であれば、片方のスピーカーから流れることとなるため、音源としては目立ちずらい。

その代り、アンチフェーズといって位相の影響を受けることがないため、位相のずれを気にすることなく自由に音源を配置することができる。(もちろん音下が大量にLRに偏っていれば位相はみだれるけどね。)

・・・となると

LとRに寄せていけば自由度が高い音源つくりが可能となる。音圧が高い音源をLRにぶっこんでもいいし、超パーカッシブな音源を配置してもいい。

もりもりに音圧が高い音源も、きらびやかな音源も自由自在!!

・・・って、思っちゃうけど、そうは問屋が卸さない。

(まぁ、間違いってわけでもないとおもうけど。)

今一度「どCenter」を振り返る

どCenterとは、真ん中からなっている音なわけだ。

とすると、こう言いかえる事もできる。

「LとR、両方からまったく同じ(位相の)音源が流れている」

さらに、こういうこともできる。

「同じ周波数成分をLRに分けて-3dbすれば、それはCenterと同じ」

うーん、だから何かってーと

音楽のルールに従って、コード理論に従って音源を構成している以上、まったく違う成分でLR構成するのは不可能。

知らず知らずCenterを消費している。

ボーカルが埋もれてしまうともしらずに。

ベースがこもってしまうともしらずに。

「ドラムの音、ちいさくね?」って言われてしまうともしらずに。

だから、LとR、そしてCenter。

Centerは、LRの同一成分で構成される。

この意識が、あるのとないのでは、なーーんか違うような気がするんだよね。

構成要素が分かったところで

PANをどううまく使っていこうかっていう、ユースケースね。

最短のMS処理

僕が趣味でオリジナルの曲を作るとき、ほとんどMS-EQは使わない。

MS-EQを使いたくなるという事は、「Lだけ」「Rだけ」の成分が足りていないということだ。

それだったら、PANを広げて「Lだけ」「Rだけ」の成分を多くすればよい。

(まぁ、そのLRのトラックがまったく同じフレーズだったら点で意味がない訳だがw気をつけて!)

そうすれば、どCenterはおのずと空いてくるから、コーラスを追加するなり、ベースをうならせるなり、ドラムを大きくするなりすればいい。

もしくは、新しいフレーズを録音して、LRどちらかに配置してしまうという方法もいいね。

これはちょっとミックスダウンとはかけ離れちゃうし、ただ単にPANの使い方ではないから微妙な所だけども。

もちろん、MSEQを使ったほうがおもしろい感じになるときもあるけど。

僕の中で、MSEQやMSCMPを使うのは、「限られたトラックの中だけでMIXするとき」「純粋にトラックダウンの作業だけを行うとき」だ。

混戦地帯からの脱出

真ん中は常に混戦地帯だ。

ボーカル・ベース・ドラム、LRに振ったけどかぶってしまった成分の音源。

たとえば、よくあるのがボーカルをパキパキにして、ベースの低音をブイブイに。

そしたら、バスドラムがEQしても何しても、まったく前に出てこなくなっちゃいました!という時。

まぁ、あからさまにそうなるんだったら、録音が失敗しているか攻めすぎたMIXをしているだけだとは思うけどw

でも「あとちょっとなんだけどなぁ;そのあとちょっとが上手く行かない」って時、あるでしょ?

そんな時は、バスドラムをちょっとだけRに3だけずらすとか。

混戦地帯から脱出させて、音像を前に出すことができる。

ちなみに、ドラムはたいていの場合、AIRも録音していて(頭上にセッティングしたマイク)、その音源もなっているため、バスドラムのトラックをRに3だけずらしても殆ど違いがわからない。

これでだめだったら、ベースをLに2だけずらしてみるとかね。

大分バスドラムは救出できたい、ボーカルもくっきり浮いてきたね!

(そしてこう思う「あ、ボーカルをパキパキにしすぎたかな・・・;」)

そして、またこの言葉を使う。

あー、またEQをつかわずし(略

PANというロータリーの中に無限の自由がある!?

よく雑誌とかでもみかけるし、NOTEにも何回か書いたけど。

最重要な音源を真ん中に配置する。

これは、真ん中であればどこでもよくて、真ん中=どCenterとは誰もいってない。

なんななら、こうも言える。

最重要な音源は好きな場所に配置(LRに配置してもいい

それぞれの音源が輝ける場所に配置すればいいんでないかな。

さてさて

簡単にでしたがパンニングの事をメモってみました。

ただ単に「左右」じゃなくて、構成する要素の存在を意識すれば、いつものPANもまた違ったものに見えるのかな。

っと、僕もそう思えるように精進精進。

今日のNOTEを書くきっかけになったのが、「Vampire Weekend」っていう人たち。

この人たちの楽曲の一つに、曲の中盤までLだけからメインボーカルが流れる曲があるんだよねぇ。

本人たちかプロデューサーかわからんけど、めっちゃ強気だわぁwww

リスニングも、PANを気にして聞くと色んな想像がでてきて、結構おもしろいかもね!

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