パート表

プレイヤー自身が音源のクオリティーを考える 〜バンドメンバーで出来る準備編〜

(気がついた時点で更新はしていくけど、)プレイヤー目線の最後のノート。

準備が入念であればあるほど、音源の出来がよくなるのは間違いない。

今までの僅かながらな経験を基に、バンドメンバーで行う準備についてまとめる。

大項目は2パートに分かれ、さらに小項目へとネストが深くなる。

 ○バンド全体編

  ・レコーディングスタジオを選ぶ

  ・パート表の作成  

 ○各パート編

  ・はじめに

  ・ドラム

  ・ベース

  ・ギター

  ・ボーカル

バンド全体編 レコーディングスタジオを選ぶ

私、地元ライブハウスへライブ見に行って、ライブ終了後、片付けを手伝い、さもスタッフかの装いで打ち上げに参加するのが趣味なんだけども。

打ち上げの中、下記の質問をよくします。

「レコーディングスタジオ。どうやって、選んだんですか??」

全てがその通りとは言いませんが、「どうしてもこのスタジオでとりたくて!」と答えたバンドさんはめっちゃよい音源を持っている事が多い。

「レーベルの紹介で」となれば、レーベルカラーがよく出ている音源を作っている事が多かったりする。

レコーディングスタジオは音源を作る場。

音源制作の全てが行われている。

まず、この選択を間違ってはいけないとおもうんだな。

もちろん場所や予算やスケジュール、色々な制限があると思う。

けど、「安いから」「近いから」と言った理由だけで安直に決めてはいけない。

例えば、ごりごりのメタルコアバンドが、JAZZ を得意とするレコーディングスタジを選択したとする。(多分、スタジオ側から断られるとおもうけど;)

メンバーはビッグな音像を期待していたが、出来上がったのは何の事はない「20帖程度のリビングで演奏したような音源」であろうね。

スタジオとエンジニアは万能じゃないし、得意不得意もある。

けど、仕事として受ければ作業するまでだ。

この、メタルコアバンドは仕事を依頼した訳だから、スタジオは自分の作業をするまでだよね。

それでもって「20帖程度のリビングで演奏したような」雰囲気を出すという技術は、とてつもなく凄い技術なんだ。そんな臨場感を出せる人は中々居ない。

このメタルコアバンドは、そんな凄い技術も提供してもらえた訳だ。

猿に笑われる訳だ。

という事で、普段からアンテナを張って選ぶ所から。

バンド全体編 パート表の作成

タイトルの画像を見てみてちょうだい。

各パートがどのタイミングでどのようなフレーズを弾くか、また、ステレオのどこに位置するか(L、R、センター)記してある。

例えば、ギターを録音し終わった後に「これはLチャンネルのAメロのパートで。。。あれRチャンネルだったかな?そもそもAメロだっけ??」等とやっていたのでは、無情にも時間だけが流れてゆき、料金追加まったなしだ!

(一時間2万円)

追加料金で済めばいいけど、終電で帰りたがるエンジニアもたくさん居るから「今日はこのくらいでいいかな?(というか、録音する日は今日しかないんだけど)」という即死系の呪文を唱えられる場合もある。

そのような、事態を防ぐためのパート表。

このパート表を差し出し、「今からイントロのRチャンネルのギターを弾きます」というだけで、とんでもない時間の短縮になる。

もちろん、短縮された分の時間は、音源の質向上の為に有効活用される。

・・・とは思うが、しばしば、パチンコや合コンと言った、エンジニアの私利私欲を満たす事に使用されることもある。

しかし、それでいい。

エンジニアも人間。リフレッシュするれば仕事に気合が入る。

また、エンジニアは合コン中、もしくはパチンコ台に向かいながら、確実にこう思うはずだ。

「(今日のメタルコアのバンド。めっちゃ手際良かったな。俺も期待に答えられるよう頑張らないとな。)」

パート表は、この記事を基に作成している。

パートが入っているマスは色づけされる。

縦列でたくさん色づけされているマスがあるならば、音源がワイドになる箇所であり、同時にパートが混戦状態になってオーバーダビング出来ない事が分かるようにもなっている。

逆に、色づけされているマスが少なければ、そのは空間に余裕があるということ。

自分たちの思い通りにアレンジが進んでいるかどうか、このパート表を使えば把握可能だ。

各パート編 はじめに

まず、はじめに。

楽器・シールド・エフェクター・マイク、シンバルスタンドあたりからノイズが出ない事は当然として。

自分たちが「出したい音がちゃんと出る機材」が揃っているか確認しよう。

よくありがちなのが、

・メープル素材のドラムを使っているのに、もしくはプレイ自体がふわっとしているのに「もっとアタッキーでパンチのある音にしてください」

・ボーカルの「ピッチを直してください。」

・ゴリゴリのハムのレスポールを使用しているのに、「繊細なアルペジオにしてください」

・ジャズベースを使用しているのに「ヌケが良い音にしてください」

このカルマにも似た行為を、意外や意外にも「中級者以上のプレイヤー」が犯しがちだ!

それは、なぜかと言うと。

それなりに経験を積んだプレイヤーは、「エンジニアは様々なツールを持っており、音色も変更することができる」という事を知っているから。

でも、この考えはよくないんだよねー。

エンジニアのマストなテクニックとツール達は、「より高みを目指すため、最高な録音トラックに対して使用する」ものであって、イージーな音をプレイヤーのイメージに近い音へ変更する物ではないのだ。

なので、

極力プレイヤーは自分のイメージとおりの音が出せる準備をするべき。

と、いうことになる。

でも、いきなり、スチールのスネアや、フェンダーのストラト、ミュージックマンのベースを用意することは出来ないよね。

その場合は、

今持っている楽器で一番良い音が出るように準備する。

コレ一番。

そして、音の雰囲気は前述のパート表に書き込み、録音前に「ここはこういう雰囲気で録音したいです!」と、エンジニアにストレートに伝える事が重要だ。

(でも、レスポール使って「ストラトの音にしてください!」とストレートにいうと「お前、頭沸いてんじゃねーの???」と疑われる可能性があるので言葉のチョイスは熟考する。)

各パート編 ドラム

ドラマーの皆さん、お疲れ様。ドラムの準備がどう考えても一番大変。

なぜなら、ドラムの各パーツ。シンバル・タム・スネア、その一つ一つが楽器であり、準備にかかるウエイトは、ギター1本またはベース1本と等価であるからだ。

ウッド系のシェルを使っているのであれば、スネアだけでもヘッドを交換しよう。

スティックとヘッドだけが、トランジェントアタックの音質を変更できる唯一の手段になるかな。新しいヘッドを使えば、それだけで、アタッキーで抜けのよいサウンドが得られる。

あとは、チューニング。

ある程度は良いと思うが、前述のとおり自分の好みの音にするのではなくて、「その楽器が一番良い音」でなるようにチューニングしよう。

僕自身、素人ではあるが、ライブでのチューニングとレコーディングでのチューニングは大分異なると考えている。(レコーディングは割と、いや、ずいぶんデットな音作り。)

これは、長くなるのでまた違う機会にかけたらいいな。

各パート編 ベース

まずは、好みにもよるが、新しい弦にしておいた方がよいね。

新しい弦は音の伸びが全く違う。

もし、新しいのと古いの、どちらがよいか迷っているのであれば、新しい弦に張り替える。

新しい弦の音を古い弦の音に似せて加工する事は出来るが、古い弦の音を新しい弦の音の様にする事は、絶対に出来ない。

また、パラレルアウト・ダイレクトアウトがついた、ベースDI/ベースアンプ。

昨今の録音では、アンプで出した音とLINEの入力の音を必ずミックスする。

なので、お気に入りのベースDI(サンズアンプみたいなやつ)は、ほぼ必須。

あとは、オクターブチューニング。50万回くらいやっておいて損はない。

各パート編 ギター

僕はギタリストじゃないのでよくわからないが、ピックアップの傾きや高さが中々に物を言うような気がする。フロントとリアを、ハーフで使う人は、準備のやりがいが大分ありそう。

ここでも素人意見で大変申し訳ないが、自分の好みはほどほどに、ギターが一番生きるセッティングをした方がよいと思う。

必然、ピックアップの位置は粒立ちがよく、音がよく拾えるような箇所がよいんでないかな。

だんだん、不透明な解説になりつつあるけど、それはギターの事がよく分からないからだ。「ドラムがそうだから、きっとギターもそうだろう」というめちゃめちゃな根拠で書いている。

アンプは、お気に入りのコンボのアンプを所持していればそれでよい。

スタックアンプの場合、キャビネットを持っているかどうかが、ちょっとしたターニングポイントになる。

一番よいのは、1つのスピーカで構成されたお気に入りのキャビネットがあればよいのだが。

スタジオからレンタルする場合、「ぎりぎりまで何を使うか分からない」という状況だけはさけ、自分の気に入らない物であれば、他からレンタルする。

いざ、使う物がただただ経年劣化した、どこぞの物ともよくわからん、Angledのついた4発のキャビネットであれば、その日の録音は失敗したと思っていい。

※意外にも、「Angled」と「4発キャビネット」という二つの要素は、録音にもの凄く邪魔になる。録音になったら1発にしかマイクを立てないからね。

あとは、オクターブチューニング。

オクターブチューニングは弦がすり切れるまでやっておいて損はない。

各パート編 ボーカル

のどに引っかからない水を用意しておこう。あとは、暖かいお茶もいい。

コーラやレッドブルはテンションが上がるが、ゲップの音が収録される可能性があるため、お勧めできない。

また、UNOや人生ゲーム・モノポリーと言った、ひと世代前のパーティーピーポーが喜びそうな、ボードゲームを用意する必要がある。

これは録音を終え、場慣れしてきたドラムが突然エンジニアに向かって「ちょっと高音が少なくないっすかね」といった、謎のアドバイスをしないようにする効果がある。

今時はスマホがあるのでいくらでも時間がつぶせるが、全員がずっと下を向いてスマホをいじっていたのでは、雰囲気が悪すぎる。

「一緒にやります?」位言える、雰囲気作りが大切だ。

あとは、歌詞カード。

もしかしたら、緊張で歌詞をど忘れするかもしれない。

1番と2番の歌詞を逆に歌ってしまうかもしれない。

最近は、スマホやタブレット端末に入れて持ち込もうとする人が居るが、それは完全にNGとなっている。

微弱な電波がノイズの原因となる。しかも、外部からの要因のノイズは、なかなか特定するまでに時間がかかる。

触りだけだけど、結構、長くなったね

僕は最近、AAAに憧れている。

曲はあまり知らないのだが、彼らから発せられているリア充感が、とてつもなく羨ましい。

僕はよく、彼らと大学生の同期になって、学食を食うという妄想をよくする。

「なあなあ、西島。今日、青山のショップに行かね?」

「お、いいね。行く行く!」

「あ、いいなー、私もいきたいー!」

「じゃあ、チアキも誘ってこうぜ」

こうして、床に着くのである。

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