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ドラムの音作り バスドラのチューンと全体編

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この note に書いてあることは全てロックのため、

ドラムをでかい音で叩く事を前提としている。

チューンする前に、バスドラムを見る

無駄話なしで、本題へ。

バスドラムのチューンで、一番難しいと感じるのが、「今チューンしようとしているバスドラは、どんな音がストライクになるのかが分からない」という事だ。

バスドラムはスネアよりも手に取る回数が圧倒的に少ない。

自己流で、スネアはポカスカ周りを叩いて様子を見たわけだが・・・。

実際にバスドラムを使用してみないと、良くわからない。

いや、使ってもようわからん!

ただし、自分でも分かることがある。

シェルが薄いバスドラムはウ●コと言うことだ。

不快なサスティーンが伸びる。

よって、シェルが薄いバスドラを手にした場合は、厚めのヘッドや多めのミュートを行うと上手くいくんではないかな。

録音に使うのか、ライブに使うのか

この note は録音記なので記載すべきかどうか迷ったんだけど。

スネアでもタムでも全てに言えることは、

「録音に使うのか」・「ライブに使うのか」

で大分チューンの方法が変わってくると思うんだよね。

普段自分が使っているバスドラがあるんだけど。

録音に持って行くと必ず言われることがある。

「(録音後)これ、めっちゃいいじゃん!!!」

人に貸したりライブに持ってくと必ず言われることがある。

「なんかこれ、全然低域でないね;ガチガチだ;」

それは出音を完全にデットにしているから。

サスティーンはほぼ0。

使用する場所にもよると思うが。要は、そういう事。

録音ではデットな音が好まれるし重宝する。

大きい出音では位相の関係もあって、デッドな方がなにかと都合がいい。

本当にしつこいけど、ロックの場合に限り!!!!

余談・・・

デッド感を追求した場合、バスドラムとフロアタムの生音は、ゴミ箱を叩いているような出音になり、そしてどうしようもない気持ちを産み出す。

だが、録音にはそれがいい(・・・はず;そう、信じている。)

なので、ドラムを録音する前にプレイヤーの人が

「え・・・このドラムで本当に録音するんですか・・・;」

「なんかこのドラム、やばくないですか;」

みたな空気になるのが本当につらいw

バスドラムのヘッドの選定

シェルが薄い場合は、厚めのヘッドを選ぼう。

ボディ感をヘッドで補う。

コーテッドピンストライプやパワストローク3とかね。

それ以外は、先に説明したスネアのヘッドの選定とあまり変わりはないが、フロントヘッド側があまり厚ぼったいとサスティーンが聞こえないため、より音程感が出やすいもの(普通のもの)を選ぶと良いような気がする。

そもそも、フロント側にはそんな厚ぼったいヘッドは売ってないしね。

牛の革を模したと言われている、ファイバースキンぐらいだ。

打面側のチューニング

まずは、ヘッドをいつものグニグニを施してから取り付ける。

取り付けた後、適量チューニングボルトを締める。

締めすぎないように気をつけて。

クリアヘッドやオイルサンドを使っている時に有効な方法なのだが。

ヘッドの中心を体重をかけて押してみる。

光の加減によって、たわんでいる箇所が確認出来るはずだ。

※たわみ=しわ。斜めから見たり、上から見たり、色々してみて。

たわんでいる箇所だけちょっと締める。

ここでも締めすぎないように注意して。

一通り、締め終わったら試打してみる。

叩いた時にヘッドが沈む様な(ビーダーが飲まれるような)間隔があれば全体を少し締める。

叩いた時にたわみがみえたら、たわんでいる部分だけ締める。

沈む感じはないが、

音程感が低すぎると感じた場合は上下2本をちょっとだけ締める。

音程感が高いと感じた場合は、左右2本だけ緩めてみる。

参考になるかわからないが、自分の場合、上下二本を軽く締めて、その他はゆるゆるだ。

意識しているわけではなくて、なぜかそうなっている事が多い。

打面側のミュート

チューニングが終わったら、次はミュートだ。

通常の場合、バスドラムの中にミュートを取り付ける。

フロントヘッド(ボトム側)を取り付けると、バスドラムの中に手を突っ込む事ができなくなるので、先にミュートを取り付ける。

ロックのバスドラムは、このミュートの方法で音質が大分左右される。

よって、現在の状態やフロントヘッドを取り付けた場合を考慮しつつ、臨機応変に行わなければならない。

ここからは、ケースバイケースなので、自分が行った例を示しておく。

シェルが薄いバスドラム

まず、自分がいつも使っているバスドラムはシェルが薄いウンコのようなバスドラムだ。

Premierというイギリスの由緒正しいメーカーものではあるが、¥1000くらいだったから安かろう悪かろうだ。

ちなみに自分は「ACDCが使ってたから」という安易な理由でPremierとSONARのドラムセットが大好きだ。

「SONAR、珍しいですね」って言われて「うん!ACDCが使ってたから俺もコレを使ってるんだ!!」って自信満々に言うと、なぜか失笑される。

¥1000 のバスドラムのサスティーンは群を抜いて最低だ。

この時は、録音とかライブとか意識していなかったが。

とりあえず気持ちが悪いので徹底的にミュートしようと思った。

使い終わった乾電池を大量に集めて並べ帯状にして、それをガムテープでひとつなぎにした。

それを、布にくるんでバスドラムの内側へ。

ヘッドに密着するようにガムテープで固定した。

下記の赤い部分が乾電池で作った帯状の部分だ。

乾電池で作ったのは、ただ余ってたからという理由もあったが、この重さがウェイトミュートのかわりになるかな?とも思ったからだ。

ミュート時、フロントヘッドにガムテープや布の切れ端等、余計なものがくっつかないように気をつけた。

フロントヘッドで美味しいサスティーンを引き出せるからだ。

フロントヘッドを取り付ける前に

フロントヘッドにサウンドホールという穴を開けるかどうか。

開けなければ開けないなりのクローズドな良いサウンドが得られるが、録音をする前提であれば、マイクをセットする重要な穴となるため開けておいたほうが良い。

開ける箇所も重要だ。

センターのど真ん中に開けた場合、穴の大きさにもよるがフロントヘッドのサスティーンは殆ど無い。

フロントヘッドをつけていない状態と同じだ。

よって、左下に若干小さく穴を開ける。

「ライブでしか使わない」「ど真ん中に穴を開けた時の音質が好き」という場合もあるとおもうけど、録音という観点では上記のようになる。

サスティーンが必要ない時は、フロントヘッドを外して録音すれば良いので、サウンドのキャラクターを即座に変更できる武器にもなる。

左下という箇所にもちゃんとした意味もある。

サウンドホールにマイクをセットした際、上や右側ではスネアやタムやシンバルの音が被って収録されてしまう。

右下であれば被りはフロアタムだけで済むし、むしろそれで低域が録音できるなら好都合だろうね。(ま、ゲートで速攻切っちゃうけど。)

※後日追記

上記はバウンダリーマイク(板型のマイク)をバスドラムの中に置く事を想定している。

もし、ATM25のようなマイクの場合、左側のサウンドホールからアタックの中心に向けてマイクを向けると、スネアの音をもろに拾ってしまう事になる。

よって、その場合は右側のサウンドホールからマイクを突っ込み中心を狙う事になる。(マイクはフロアタム方向を向いているはず。)

やりたい事は結局どちらも同じだ。臨機応変にベストアンサーを目指す。

フロントヘッドのチューニング

まずは、いつものグニグニを施す。

こちらはスネアのヘッドと同様、手でテンションボルトを締めた後、二つのチューニングキーで均等に締めていく。

音程感は軽く手でたたいてみる。

また、音程感とサスティーンを確認する場合は、サウンドホールに指を引っ掛けて弾いてみる。(手を切らないように、あとヘッド自体を破かないように注意。)

この時、気持ちよい音程が得られるようにチューニングボルトを締めたり緩めたりしていけばよい。

フロントヘッドのミュート

サスティーンが長かったりダブついていた場合、ガムテープを内側に目立たないよう貼ってミュートしていく。

でも、バスドラムのヘッドは面積が大きいので、ガムテープではなかなかカバーしきれない。

そんな時は、小口径のリングミュートを貼り付けよう。

赤い部分が、真ん中をくり抜いたリングミュートだ。

画像はイメージ。もうちょっと細い円が良いかもしれない。

タムのチューニング

先に述べた通り、タムのチューニングは説明しない。

もちろん、丁寧にやる事にこした事はないが。

録音やライブの時は中々時間がないからあまり追い込まない。

というか、俺も詳しくないからよくわからない。

しかし、いつも行なっている即席のチューニング方法があるので記載しておく。

上にも書いた「たわみ」を見る方法だ。

まずは、打面側を大分緩める。

そして、体重をかけてヘッドを押すとたわんでいる箇所が分かるはずだ。

たわみが見えなくなるように、テンションボルトをちょっとだけ締める。

この方法は、クリアヘッドでしか出来ないので注意。

ボトムはローカルセオリーに従って、打面側より高いピッチにする。

セット全体で聞く

ようやく、全体的に調節だ。

まずは、スネアと異なる楽器を、それぞれ同時に叩いてみる。

(スネア&タム、スネア&フロア、スネア&シンバル等)

そこで、「音程感が気持ち悪いなぁ・・・」と思ったらスネア以外のチューニングやミュートを変更してみる。

シンバルが気持ち悪かったら・・・取り換えるしかないねw

次は、バスドラムと異なる楽器。

もちろん、気持ち悪いと思ったのなら、バスドラム以外のチューニングやミュートを変更してみる。

スネアとバスドラムは時間をかけてストライクゾーンに寄せてチューニングできてるはずなので、そこに標準を合わせていく。

だから逆に言うと

この段階で、スネアとバスドラムの音に芯が通ってないのであればめちゃくちゃになる可能性がある。

スネアとバスドラムが同時になって「気持ちが悪い」という場合は;

・・・犠牲にしてもいい方を変更してくれ。

オーソドックスなセットであれば、なかなかないと思うけどね。

話はそれるが・・・

希少さをアピールしたいマニアみたいな人が「26インチのバスドラム凄いでしょ」「このタム珍しいでしょ」みたいな感じで自慢げに機材を出してくるのだが、大体音程感がバラバラで気持ちが悪い。

一般的にバスドラムが22インチで、スネアが14インチなのは、意味があってのことだと思う。(多分ね。)

そのセオリーから外れて大きいサイズのバスドラや、不思議な形状のビーダー、小さい口径のスネア、奇数インチのシンバルを使用するという事は、それなりのリスクがあるし、使うにしても技量や裏付けが必要ってこった。

仕上げに

好きなビートを叩いてみる。いつも叩くやつ。

この時、スネアとタム・フロアが共鳴しているようであれば、タム・フロアのチューニングやミュートを変える必要がある。

録音時は共鳴をなるべくさけた方がいい

ストライクゾーンを少し外したとしても、タム・フロアタムを共鳴しないゾーンまで、チューニングとミュートを変更してずらしていく。

最後に、ライブや練習の時にだけ使える、仕上げのスパイス。

スネアを叩いたときに、タム・フロアタムが少しだけ共鳴しておくようにわざとチューニングしておく。

最初に言った事と矛盾してるけどw

中域のボーンという部分は抑えつつ、上手く共鳴するようにする。

スネアを叩いたときに、フロアが若干共鳴するのでバックビートがワイドになる。

重めなロックには超効果的だ。

スピードジャスティスなロックはやらない方がいいと思うの。

ここまで書いたけど

結局は演奏者のスキルによるよねw

ウンコみたいなセットでも、上手い人が叩けばいい音になるし。

良いセットでも、下手な人が叩けばウンコみたいな音になる。


・・・不思議なことなんだけど。

上手い人が叩くと、ドラムセット自身が勝手にチューニングを寄せて行っている様な気さえするんだよなぁ。

少しだけ高めのピッチにしといて、しばらく叩いてもえば、何故かいい音になってる!?みたいな。


楽器同士の共鳴があるから、やっぱりそういうのもあるのかもしれない。

だから、録音する時に気にすべきことは

「邪魔になる要素を積極的に取り除く」

という作業にがメインになって、

「ミュートしてみる」

「デッドな出音にしてみる」

という、シンプルパターンが出来上がるんじゃないかな。


文章にするとどんどん説教臭い文体になるぁ;

改善して行こう。

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