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ドラムの音をデカくする。その瞬間に・・・

掲題通り、ドラム・パーカッションの音をデカくする、その瞬間に「失われるもの」ってなんでしょうね。

突然ですが。皆さん、好きですよね!コンプ(笑顔

まず、一つ申し上げたい。

僕は「コンプ」で音が小さくなる事はあってもデカくなる事はただの一度もありませんでした。

そりゃそうだ。コンプレッサー(圧縮)だもの。

録音を始めた当初、少女のように信じてやまなかったものです。「いつかコンプが私の音を大きくしてくれる」・・・と。

なんで大きくならないんだっけ?

タイトルの画像をみてください。

もちろん、一番大きい音はもちろん「トランジェント」です。

コンプは音の大きさによって、圧縮がかかります。

トランジェントを検知して、圧縮が始まります。

でも、機材は万能ではないので、だいたいアタックから圧縮がはじまります。

ふえーん、トランジェントだけが生き残って、他が小さくなっちゃったよ。

なんか、細い(もしくは、こもった)音になっちゃったよー;;

じゃあ、どうやって大きくするんよ?あぁ??

ドラム等に限定されるかもしれませんが、トランジェントの情報ってのは、そこまで必要ではないのかと思います。

現に、トランジェントだけ抜き出して聞いても単なるデジタルクリップの音にしか聞こえません。

で、一つ思う事があったんです。「トランジェントってそこまで重要じゃなくね??」

SONNOX OXFORD TransMod がいわゆる、ひとつの「トランジェントコントローラー」というやつでして、これで、トランジェントを下げるんです!

上げちゃだめですよ。下げるんです。それも、ほんのわずかに。

トランジェントをちょっとだけ下げる。そして、全体の音量を上げる。

という方法を僕は実践しています。

そうすると、あらやだ。ピークの db はかわらないのに、音量があがってるように聞こえるー!

いや、SONNOX OXFORD TransModもってねーし。。。

二つ目の方法はデジタルクリップです。

たとえば、スネアのトラックでどうやるかってーと、スネアのフェーダーとマスターのフェーダーを +12 db 。

要は全開にします。

ほら、デカくなったでしょw(死)

このとき、デジタルクリップしますよね。赤ランプつきまくりで、ブチブチブチってなるはずです。

では、そこからトランジェントの部分だけがデジタルクリップするようなイメージでフェーダーを調節してみましょう。

さっきの、TransMod の状態と同じです。トランジェントだけをデジタルクリップで無理矢理削った状態です。12 db 以上はデジタルクリップに変換されます。

そうすると、あらやだ。ピークの12 db はかわらないのに、音量があがってるように聞こえます。(二回目)

デジタルクリップは確かにあるけど、僕はそんなに気にならなかった。

マスターフェーダーで行う事はできない。だから、これをなにがしかのプラグインの内部で行えばいいのかな。Oxford Inflator で input のフェーダを上げれば、すぐ出来ます。

赤ランプ(赤ラン)つけるのってそんな悪い事?

どんなDTM情報誌をみても、赤ランについての記述は似たり寄ったりで。

・つけちゃ駄目!絶対!

・マスターフェーダー、それぞれのフェーダー、赤ランを付けないように!

・あいつにだけは気をつけろ・・・

でも、必ずこんな言葉で締めくくられてるんですよね

・正解はありません。いろんな方法を試してみて!!

まじで、どっちやねんw じゃあ、ついててもいいじゃんw

もちろん、デジタルクリップはノイズの原因です!!!

音源破綻の原因に直結します。

だけど、僕はゲインマネージメントさえしっかりとしておけば(どこでどのくらいトランジェントをロストしているか把握しておけば)、問題ないんじゃないかなー?という結論にたどり着きました。

結局、音をデカくしたとき何が失われる??

トランジェントです。で、気にすべきはトランジェントの情報。

トランジェントの情報がそこまで重要じゃないなら、ちょっとだけ削って全体のボリュームをアップさせちゃおうよ。今回は、そういうお話でした。

※結局 waves の L3 とか、デジタルクリップが気にならないだけで、やってる事はほぼ同じだしね。

こういう小ネタをちょっとずつ挟んで音源を作ってます。

この後に、コンプを掛けて滑らかにしたり、EQしてグッと音をたたせたりするから、トランジェントをロストした分の情報も補えると思うよ :-)


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