10/2)南小国 朝の気温があまり下がらなかったのは・・放射冷却について調べてみる
10月に入っても九州は暑い日が続いています。
一方で、熊本の朝の気温は、台風が通過した17日以降、20℃近くまで下がるようになって、ようやく過ごしやすくなってきました。
<10/4追記>
ごちゃごちゃ書いてしまいました。
小国町には雲海がかかっていたとの報道を見つけてしまいました。
https://www.news24.jp/articles/2021/10/02/07949235.html
10/2の朝の最低気温
熊本の朝の最低気温は17.6℃。ひんやりと感じられました。
山間部はかなり気温が下がったのではないか・・と思い、確認
阿蘇乙姫:9.7℃(487m)、南小国:14.3℃(448m)
日田:16.3℃(83m)、玖珠:12.3℃(331m)、湯布院:10.9℃(435m)
なるほど、結構下がっていました。
でも、南小国は標高のわりにあまり下がっていない・・(なぜ?)
※( )内は標高 下図は気象庁HPより
阿蘇乙姫は9.7℃、南小国は阿蘇乙姫よりも5℃以上高い・・
なんで、南小国は気温が下がらなかった?
雲がかかっていた?、風が吹いていた?
南小国:AM0:00を過ぎたあたりから横ばい・・風なし
阿蘇乙姫:上昇下降を繰り返しながらもじわじわと低下
最寄りの玖珠は、じわじわと下がっている。
推計気象分布を調べてみる
よく晴れている(はず)・・(気象庁HPから)
ならば、MSM-GPV初期値から
MSMの初期値から全雲量を図に(下層雲のほうがよかった?)
(データは京都大学生存圏研究所より取得しています)
図中の数字は地点の場所
1:日田、2:玖珠、3:湯布院、4:南小国、5:阿蘇乙姫、6:熊本
MSM初期値がどのくらい正しいのかはわかりません、が、
局地的に雲がかかっていたっぽい・・
(玖珠や湯布院にも雲があって、結構、気温下がってますけど)
阿蘇は夜間もよく晴れていた・・ だから気温も下がった・・(当然か)
10/2 0:00
10/2 3:00
10/2 6:00
地表面付近の気温が下がるって?
「晴れて、風のない日は放射冷却によって気温が下がる」
なるほど、わかったようなふりをしているのですが、
・日中は、太陽放射>長波放射で地面が暖められて気温が上昇
・夜間は、長波放射で気温が低下
・雲がない(水蒸気が少ない)と、
長波放射の地表面付近での吸収が少なくて、より気温が下がる。
ここまでは、その通り! と納得できるものの
では、地表面付近で吸収されずに逃げた熱は果たしてどこへ?
宇宙のはるかかなたへ?
九州の上空850hPa(およそ1500m)には18℃以上の暖気
気温の鉛直分布はどうなっている?
ならば、気温の鉛直分布はどうなっているのだろうか?
こちらも各地点が含まれるMSM-GPVをグラフに変換
Y軸のスケールはエマグラムの逆です。玄人っぽくエマグラムのようにしたかったのですが、プログラムが面倒だったので・・
赤字、赤●:アメダス観測値
青点線:換算した地表面気圧(雲仙岳の気圧から換算)
緑実線:各高度の気温
10/2 0:00
10/2 3:00
10/2 6:00
<参考>10/2 12:00
夜間は850~900hPa(およそ1,500m~1,000m)くらいから地上に向かって気温が下がっている状態。
ガイダンスなしの生のGPVと実況値とは、かなり乖離していますけど、
そもそも、GPVのほうがそれらしい値で、地上の観測値があまりにも極端な値だという解釈なのでしょうか??
結論)これからの朝の最低気温の予報はとても難しい
10/3)朝の最低気温は・・
一段と気温が下がって、今季最低の気温となったようです。
南小国も周辺の観測点と同様に下がっています。
・南小国:8.9℃
・阿蘇乙姫:8.9℃
・玖珠:10.0℃
・湯布院:8.5℃
10/3 MSM-GPV 全雲量
10/3 0:00
10/3 3:00
10/3 6:00
10/3 気温の鉛直分布
(グラフ表記は前述と同様)
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