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司法試験予備校論争 アガルートアカデミー編

前回まで司法試験予備校の伊藤塾について私の考えを記事にしました。

今回はアガルートアカデミーについてです。

アガルートアカデミー

メリット①

教材のクオリティーが高い、網羅性がある

基礎的な知識が綺麗にまとまったテキストです。

思考法のプロセスが掲載されているので、躓いたときに、見直すことができる網羅性のあるテキストです。

※追記2024.9.7
網羅性がある分、簡潔に記載されています。その結果、一度では理解しにくく何回もテキストを回して理解する、または基本書を読んで理解するなどをする必要はあります。


徳川家光は参勤交代を制度化した。
(参勤交代によって、1年おきの江戸への出仕を義務付けた。大名が国元で過ごす期間中も、妻子は人質として江戸に留まった。参勤交代に必要となる莫大な費用は、大名自身が負担し、各大名は財政が逼迫し、徳川家に反抗する経済的余裕はなくなり、幕府の基盤を盤石なものとした。)

イメージでいうと、アガルートのテキストには括弧部分がない感じです。

参勤交代だけでイメージできる人には括弧部分の記述は煩わしいですが、何も知らない初学者は参勤交代によって江戸幕府や各大名にどんな影響が生じたのか分からないですよね。
括弧部分を理解することによって司法試験や予備試験に出題される未知の問題に対応できるようになります。
もちろん、アガルートでも括弧部分を全く学ばないわけではなく、重要問題やマネージメントオプション、講義の中等々でも学ぶ機会はあります。
あくまでもイメージです。


また、具体例も豊富に掲載されているので、抽象論と具体論を往復することによって、知識を身に付けることができます。

試験に問われる判例については調査官解説(最高裁判所の調査官が解説しているもの)の内容を掲載しています。

この調査官解説は初学者にとっては難解ですが、テキストに分かりやすくまとまっています。
(初学者の段階では読み解くは難しいと思うので、論文を書く段階になるまでは読まなくても大丈夫だと思います。)

初学者の段階で使用する入門講座のテキストが司法試験の最後まで使用することができる内容となっています。

メリット②

テキストに他の教材のリンクが掲載されている。

分からない問題に直面した際に、テキストに戻って確認することが容易になります。

分からない問題に直面したときに自分が何を分かっていないのか分からないときがあります。

その際にテキストのリンクがあれば一度、総合講義テキストに戻って自分が何を分かっていないのか確認することができます。

メリット③

司法試験、予備試験に出題された分野がすぐ分かる。

私が、司法試験の勉強してときには、どこの分野がより多く出題するか分からないまま勉強していました。

しかし、アガルートのテキストには何年にどこの分野が出題されたのかテキストに掲載されているので、どこの分野に力を入れるか視覚的に分かります。


デメリット①

講師の解説が分かりにくい

講師の解説が分かりにくいです。

抑揚も少なく、具体例も分かりにくいことが多いので、講義を何回も止めることがありました。

私は、既に、伊藤塾の入門講座を受講していたにも関わらず、アガルートの授業を受講し、講義のわかりにくさにびっくりしました。

それからは、講義を軽く聞いて、テキストを熟読するようになりました。

デメリット②

まとまったレジュメにすぎない

これはアガルートのテキストだけではなく、全ての予備校のテキストに共通することですが、結局は綺麗にまとまったレジュメにすぎないことです。

どのような議論から当該論点が出てくるのか。通説と反対説がどういった点で対立しているのか。そこからどういった結論の違いがでてくるのか。

どうしても予備校のテキストだけだと、本質的な理解ができないことがあります。

予備校のテキストではそこまでカバーできていない点がデメリットです

デメリット③

オンライン講義なので、受験仲間と受講することはできない

通学コースはなかったので、基本的にオンラインで受講します。

その結果、初学者の段階で受験仲間を作れないというデメリットがあります。

しかし、マネジメントオプションを付属すれば、司法試験合格者の講師から自らの勉強方法が正しいか、正確に法律を理解しているのか等、直接話すことによって確認することができます。


まとめ

アガルートのテキストは綺麗にまとまっている素晴らしいテキストです。

自分で読むと多くの時間がかかる調査官解説もまとまっているので、その点でもアガルートのテキストの良い点です。

しかし、完全な法律初学者がアガルートの授業を聞いて一回で理解することは難しいかもしれません。

ですので、何度もテキストを読むという試行錯誤は必要なのかもしれません。
(これはアガルートのテキストだけに限ったことではないかもしれませんが。。)

入門者はテキストを何度も読んで試行錯誤していくという覚悟があればアガルートはおすすめです。

その分、司法試験の最後まで使用できる良質なテキストです。


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