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どこの法科大学院に行くべきか

失敗しない法科大学院選び

法科大学院は現在、全国で約30校あります。

法科大学院制度が始まってから数が大幅に減りましたが、現在でも数多くあります。

私も経験がありますが、どこの法科大学院に入学するかによって、司法試験の合格率や就職活動にも大きな影響を受けます。

これから記載することは私の友人に聞いたことや私自身が経験したことを基に、どこの法科大学院を選ぶ方がよいのか。また、実際に進学してみてどうだったのか。いまだったら、どこの法科大学院に進学すべきか。
これから法科大学院に進学しようとしている方や複数の法科大学院に合格したが、どこを選べばよいのか悩んでいる。そんな人に私自身の考えを述べようと思います。

おすすめ法科大学院


まずは、結論から申し上げます。

一橋大学法科大学院
京都大学法科大学院
東京大学法科大学院
慶應義塾大学法科大学院

この四つの法科大学院の既修が一番おすすめです。

後述しますが、未修コースは基本的におすすめしません。

法務省による法科大学院別司法試験累計合格者数

https://www.moj.go.jp/content/001415441.pdf

でも5位以下を約6%以上離して80%の合格率を保っています。

なぜ上記4つの法科大学院が高い合格率を有しているのか。

一番の要因は上記4つの法科大学院の既修に入学できる能力を有している者が司法試験時においてもそのまま司法試験に合格できる法的知識があったものだと考えます。

上記4つの法科大学院の入試は問題の難易度が高く、この試験で合格できる者は法科大学院の入学段階で司法試験における基礎的な知識は既に身に付いていると考えられるからです。

ですので、司法試験に合格したければ、上記4つの法科大学院の既修に合格することが一番の近道です。


上記4つ以外の法科大学院の既修はどうなのか

もちろん、4つ以外の法科大学院でも司法試験に合格することは十分に可能です。

試験には相性がありますし、法科大学院入試の結果だけでは司法試験の合否は決まりません。

上記以外の法科大学院の学生でも上記4つの法科大学院の学生よりも優秀な方はたくさんいます。


上位4つの法科大学院は何が違うのか

基本的に上位校の法科大学院の学生のレベルは非常に高いです。

学生のレベルが高いことから授業や期末試験の問題レベルも高く、学生は司法試験を超えるようなレベルの問題を授業や期末試験でも解いています。

普段から、そのような環境で学習しているので、司法試験においても対応できるのではないかと思います。


また、学生のレベルが高いので、基本的にみんな勉強しています。私が知る限り遊んでいる人はほとんどいないです。

既に一定程度まで法律の学習レベルがある人達が、法科大学院に進学してもさらに身体を酷使しながら勉強しているので、合格するのも当然だなと思いました。

人は環境に影響を受ける生き物です。周りが必死で勉強しているので、自分も勉強しなくてはと影響を受けます。その結果、自分のレベルも上がるという好循環な環境の中で学習できます。



上記4つの法科大学院でも未修はおすすめしない

未修コースは基本的におすすめしません。

未修コースは法律の試験がなく、小論文などで入試の合否が決まります。

その結果、法律の勉強をしないまま法科大学院に入学する人が毎年大勢います。

法律の勉強をしないまま法科大学院に入学するとおそろしいことが待っています。

法律のことを全く知らないのに、いきなり法律の専門書を教科書に指定され、意味も分からないまま読まされて、論文の書き方を教わることなく期末試験を受けることになります。

これは本当に恐ろしいことなので、法律の勉強をしないまま未修コースには絶対に行かないでください。

未修コースに行ってもよい場合は、既に法律の学習レベルが既修レベルに到達している(少なくとも予備試験の短答に合格しているなど)。

これくらいなら未修コースに入学しても問題ないと思います。

それでも、論文がある程度書けないと苦労すると思うので、入門講座の論文コースのテキストは9割方理解して、7割方解けるようにしておくと入学後楽になります。


上記4つの法科大学院(既修)に合格しなかった場合

他の法科大学院の既修コースに合格した場合


年齢が20代中盤くらいまでなら、浪人しても良いので、上記4つの法科大学院に進学することをおすすめします。

在学中や司法試験後に就職活動を行う事になると思いますが、上記4つの法科大学院であるだけで面接に呼ばれる確率が圧倒的に高くなります。
また、希望する分野(企業法務や渉外法務など)を取り扱っている事務所に圧倒的に入りやすくなります。

また、京都大学を除いて、3つの法科大学院は東京にあるので、就職活動も便利ですし、様々な弁護士に合う機会も多いです。

他の法科大学院に合格した(授業料免除や特待生)

この場合も、年齢が20代中盤くらいまでなら、浪人しても良いので、上記4つの法科大学院に進学することをおすすめします。

確かに、授業料免除は魅力的ですが、授業料を支払ったとしても余りある利益を上記4つの法科大学院に進学すれば享受できます。

就職活動、友人関係、司法試験合格率など

また、実際に上記4つの法科大学院に進学している在学生に話を聞いてみることをおすすめします。


上記4つの法科大学院に合格した+上記4つ以外の法科大学院にも合格した(授業料免除や特待生)

この場合も、上記4つの法科大学院に進学すべきです。

理由は、上記と同じ理由です。

経済的な事情もあるので、個人の事情があり一律に見解を述べることは難しいですが、4つの法科大学院なら奨学金制度も充実していると思うので、調べてみることをおすすめします。

社会人の場合はどうするか


社会人の方には安定した生活を捨てて法科大学院に入学するのは危険です。

入学後に、仕事をしながら法科大学院で勉強することは不可能です。(夜間法科大学院を除く)

もちろん、働き方にもよりますし、できないことはないですが、普通の人は無理だと思います。

法科大学院の授業と予習だけならなんとかなりますが、仕事をしていると自分の勉強時間を確保ができないですし、留年することにもつながります。

そもそも、仕事をしながら法科大学院の勉強と司法試験の勉強をすることは困難です。
時間に自由が利く職業(専門職のアルバイトができる、会社に出社することなく、一週間で数時間の仕事しかないなど)ならできる人もいるかもしれませんが。

今後の記事でも書く予定ですが、まずは、四つの法科大学院の既修コースに入学することができる力が付くまでは、予備試験の勉強をするのが得策だと思います。


まとめ

学生


上記4つの法科大学院(既修)は不合格+他の法科大学院(既修)に合格
→20代なら浪人しても目指す価値あり

上記4つの法科大学院合格(既修)+他の法科大学院(既修)に合格(授業料免除)
→多少無理しても上記4つの法科大学院に進学すべき(奨学金制度を探してみよう)

上記4つの法科大学院不合格(既修)+上記4つの法科大学院(未修)合格
→予備試験短答合格しているなら進学
→予備試験短答不合格なら、来年の既修コース合格を目指すべき

社会人

上記4つの法科大学院(既修)は不合格+他の法科大学院(既修)に合格
→進学しない方が無難。4つの法科大学院に合格するまで予備試験の合格を目指すべき

上記4つの法科大学院不合格(既修)+上記4つの法科大学院(未修)合格
→学生のようなリスクを冒すべきではない。特に仕事によって金銭的に不自由なく暮らせているなら、4つの法科大学院に合格するまで予備試験の合格を目指すべき

上記4つの法科大学院不合格(既修)+上記4つの法科大学院(未修)合格
→4つの法科大学院に合格するまで予備試験の合格を目指すべき

社会人は法科大学院に進学することでキャリアがストップしてしまうので、上記4つの法科大学院の既修レベルに到達するまで予備試験の勉強をすべき


思いつくパターンを記載してみました。

もし何かこういう場合はどうすればよいのかなど悩んだら、コメントしてもらえば私の考えをお伝えします。












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