【スターリンが収監された刑務所⁉︎】アゼルバイジャン🇦🇿のランカランについて調べてみた
アゼルバイジャンのランカラン市(Lankaran City)、ランカラン県(Lankaran District)について調べてみました!
以前から中央アジア、コーカサス地方、東欧あたりに興味があり、アゼルバイジャンも気になる国の一つでした。
アゼルバイジャンって、どんなイメージでしょうか?
自分は
・カスピ海
・バクー(首都)
・バクー油田
・ナゴルノ・カラバフ
くらいで、気になる割にはアゼルバイジャンのことをあまり知りませんでした💦
まずは、アゼルバイジャンとランカランの基本情報から書いていきます。
アゼルバイジャンの基本情報
ナゴルノ・カラバフ
ナゴルノ・カラバフはアルメニア系の人が多く住む地域で、『ナゴルノ・カラバフ共和国』として独立を宣言してアゼルバイジャンと対立していました。
2020年から再び戦闘状態となりましたが、2023年9月にアゼルバイジャンが同地域を制圧しました。
紛争は終わったとされていますが、2024年現在もこの地域は外務省から渡航中止勧告が出ています。
コーカサス地方は民族紛争が多いみたいです。
ソ連が崩壊して構成国が独立しましたが、コーカサス地方は民族分布が多様で複雑になっていることが背景にあるようです。
対立、紛争があっても、彼らにはそれぞれに立場や歴史、日々の暮らしがあります。そういった背景、場所、習慣、暮らしなども、これからもっと知っていきたいと思っています。
バクーを検索すると綺麗な風景の写真がたくさん出てきます。
きっと綺麗な場所なんだろうな〜という漠然としたイメージだけ持っていました。
しかし今回はバクーではなくランカランです!
(バクーはまた今度)
ランカランの基本情報
ランカランはアゼルバイジャンの南部にある、カスピ海に面した都市です。
ランカランは、『ランカラン市』と『ランカラン県』があり、それぞれ独立した行政区分となっています。ランカラン市がランカラン県に囲まれる形となっています。
今回はランカラン市とランカラン県の両方について書いていきます。
ランカランにはアゼルバイジャン人が多く住んでいますが、タリシュ人も約2割住んでいて、アゼルバイジャン最大のタリシュ人社会とのことです。
ランカラン周辺には古くからタリシュ人が住んでおり、タリシュ・ハン国の中心でした。
このエリアはガージャール朝(現イラン)に服属していましたが、イランとロシアの間で何度も戦争が起こり、最終的には19世紀にロシア帝国に割譲されました。
その後、民族意識の高まりでアゼルバイジャンが独立したものの、ソ連の構成国となり、ソ連崩壊とともにアゼルバイジャンが独立したという歴史があります。
ランカランへの行き方
ランカランの中心部から西に4kmほどのところに、ランカラン国際空港があります。
残念ながら、現在この空港に国内線は就航しておらず、イル・エアロというロシアの航空会社がモスクワへ週1便運行しているだけのようです。
なので、日本からランカランへ行く場合は、まず空路でバクーまで行き、バクーから電車またはバスになります。
日本からバクーまでは、
・ターキッシュエアラインズ
・エミレーツ航空
・カタール航空
のどれかで行くのが良さそうです。
この他、アゼルバイジャン航空の「バクー → 北京」の往復が週に2便あります。
日本を月曜 or 水曜出発、バクーを日曜 or 火曜出発にすれば、中国経由で安く航空券が買えるみたいです。
ルート、価格は変更となる可能性があるので、参考程度とお考えください。
電車の場合
ランカランへ向かう電車はバクー中心部の駅から出発するので、まず空港から駅まで移動する必要があります。
電車の情報があまり詳しく出てこないのですが、ターミナル駅なので、ランカラン行きの電車は恐らくここから出発するのだと思います。
(バクー駅が上手く表示されない(日本のギャラリーが表示されてしまう)ので、駅の前の建物を選択しています)
空港から駅までは25kmほどです。
タクシーだと30分ほど、バス(H1)だと90分ほどかかるみたいです。
バクーからランカラン方面は1日2本の電車があります。
1本目は普通の電車ですが、2本目は寝台です。それぞれ値段が違うみたいです。
バスの方が早くて快適らしいのですが、個人的には中央アジアや東欧を電車でゆったりと旅してみたいなぁと思っています。
バスの場合
バスだと5〜6時間ほどで、5マナト(約430円)です。電車より早く着きます。
バスは朝8時から、1時間に1本あるそうです。
バスターミナルの場所を示した情報がなかなか見つけることができず、苦労しました。たぶんここです。
空港から約30kmです。
バスで行こうとすると2時間ほどかかるみたいです。タクシーだと40分ほどみたいなので、タクシーの方が良さそうです。
その他、Marshrutka(マルシュルートカ)という乗合タクシーに似た小型バスのようなものもあります。
こっちの方がバスより早く着くらしいです。
ランカランの見どころ
要塞
18世紀に建てられた要塞の一部が、今も街に残っています。
ここには、大きなティーポットのモニュメントもあります。
Zindan Fortress(スターリンが収監された刑務所)
元々は18世紀に建てられた要塞の一部です。
ロシア帝国に占領されて以降、要塞は破壊され、その後Zindan Fortressは刑務所として使用されました。
1903〜1904年に、郵便列車強奪の罪でスターリンが収監された刑務所とのことです(その後、協力者により脱獄)。
Lankaran Lighthouse
Zindan Fortressと同じく元々は要塞の一部でした。ロシア軍に占領された後はランタンが設置され、灯台として使用されてきました。現在、Caspian Shipping Companyの管理下にあります。
Boyuk Bazar Mosque
19世紀初頭に建てられた市内最古のモスクで、重要建造物に指定されています。
近くにある市場 Boyuk Bazar (Big Bazaar)が名前の由来です。
Kichik Bazar Mosque
1906年に建てられたモスクです。こちらも重要建造物に指定されています。
近くにある市場 Kichik Bazar (Small Bazaar)が名前の由来です。
黒い砂のビーチ
カスピ海にはビーチがいくつもありますが、ランカランのビーチは少し変わっており、砂が黒いです。
火山砂で治癒力があると言われており、カスピ海の水は最も綺麗なのだそうです。
Hazi Aslanov house-museum
Hazi Aslanovはソ連軍の将軍として第二次世界大戦を戦ったアゼルバイジャンの英雄です。
ここでは彼の生い立ちや、モスクワ、スターリングラード、ベラルーシなどで戦った記録を学べるそうです。
Khan Palace
Ahmad Khanが妻のTugraのために建てた建物です。ビューティーコンテスト優勝のお祝いだそうです(凄いですね)。
1913年にフランスの建築家により建てられました。
今はランカランの歴史や民族博物館として使用されており、7,000点以上の展示物があります。
燃える湧き水(Yanar Bulag)
ランカランからイラン方面へ行ったところにあります。
湧き水にメタンガスが含まれていて、着火すると燃える珍しい湧き水です。
村人や旅人が水を汲みに立ち寄ります。
色も臭いも普通の水で飲んでも問題ないそうですが、着火すると数秒間燃えるそうです。
ハーカーン・パーク Hirkan park
404.58km2ある国立公園です。
Khanbulan lakeという湖もあります。
250種の植物、30種の魚、220種の鳥が保護されています。
ハイキングが人気です。近くのティーハウスでお茶するのもお勧めだそうです。
Lankaran Springs Wellness Resort
自然に囲まれた、ランカランの温泉リゾートです。
Dad House Restaurant
伝統的なアゼルバイジャン料理と地元のタリシュ料理を味わうことができるレストランです。
宿泊もできるみたいです。
Neneler (Grandmothersの意味)
『Lankaran Grandmothers(ランカランのおばあちゃんたち))』と呼ばれるメンバーによる、タリシュやアゼルバイジャンの民謡演奏やダンスパフォーマンスです。祭りやイベントに頻繁に招待されるそうです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
なかなか簡単には行けなさそうですが、民族やソ連の歴史を知ったり、リゾートやハイキングでゆったり過ごしたりなど、貴重な体験ができて楽しめそうな場所だと思いました!
読んでいただき、ありがとうございました!