日本の都市開発に見る一極集中と国のバランスの欠如

日本に帰国するたびに感じるのは、日本が発展途上新興国のように見えるという点です。しかし、ここで言及しているのは日本の経済的な衰退ではなく、都市や国の作り方に焦点を当てた話です。例えば、戦後に急速に発展した都市、つまり日本以外では台北、ソウル、バンコクなどが挙げられます。これらの国々では、都市開発において人口が一極集中する形での国づくりが見られます。限られた土地に多くの人々を住まわせることで、急速な発展が進められてきたのです。日本も同様の道をたどっています。


一方、欧米の国々、特に第二次世界大戦以前に発展を遂げた国々では、異なる都市づくりが行われてきました。これらの国々には大都市が存在しますが、広いスペースを有効に活用することで、都市が過度に集中することなく、ライフワークバランスを重視した空間設計が見られます。これは、都市開発においても人々の生活の質や幸福が考慮されていることを示唆しています。


一方で、日本を含む戦後発展した国々では、国や都市の発展が優先されるあまり、人々の幸福や生活の質が後回しにされているように感じられるのです。この違いが、都市の設計や生活環境に大きな影響を与えており、欧米諸国とは対照的な国づくりのアプローチが見受けられます。


また、日本の首都である東京は非常に魅力的で楽しい場所ですが、すべてが東京に集中している現状を見るたびに、その不均衡さが日本全体の貧困やひもじさを示唆しているのではないかと思わされます。都市の発展が一極に偏っていることは、国全体のバランスの欠如を表しており、その背後にある構造的な問題が見え隠れしているように感じられるのです。

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