世界で最も過酷な砂漠250㎞マラソン⑱余裕なわけない、限界なんだ。
あらすじ
ペルーのイカ砂漠という場所でイカとサバ食う!!というギャグの為だけに
世界一過酷な砂漠250㎞マラソンに挑戦中のラッキータウン!!先に第二チェックポイントまでたどり着いたケンシロウだが
果たしてパープルもたどり着く事が出来るのだろうか!?
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本編
第二チェックポイントで水を飲み、足を揉み、汗を拭こう・・・としたら
バックにつけていたはずの手拭いが無くなっていた。
この手拭いはクラウドファンディングのリターンでもらった物で、完走後に持ち主に返す大事な手拭いだった。
本当に申し訳ない事をしたと思ったが
どうにも取り返す事は出来ないと、すぐ諦めもついた。
なぜなら正直、俺の体力は100%中残り3%だった笑・・・
余裕なんてどこにもなかった。
だけどもこんな時こそ
声を出そう!!
とも思った。
キツイ時にキツイと思うよりも、今は声を出したい!!
そう思った。
だから、後から来るチームA☆H☆Oのメンバーの姿が見えた時
俺は必死に歌を歌った。
オー!!日本!!日本!!日本!!日本!!
これは事前にチームA☆H☆Oで練習していたサッカーの時に歌われる応援歌だ。
本当に体力は限界に近かったけど、大きな声が出た。
そして、俺の声が届く度にチームのメンバーには
笑顔
が見えた。
そして、ランボーさんが現れた。
ランボーさんも笑顔で
)ありがとうね。あと、ケンシロウ・・・これ、忘れてない?
と言うと、ランボーさんの手には俺がなくしたはずの手拭いがあった!!
俺)え!?ありがとうございます!!
ランボ)途中で見つけたんだ。
なんとこの砂漠の中、俺が落とした手拭いをランボーさんは見つけて持って来てくれたのだ。
これは、あるぞ!!
俺には凄く奇跡的な事に感じれた。
そしてようやく
パープル
が来た。
出会った中で一番、しんどそうな顔をしていた笑
俺はパープルに
いい顔しとうやん笑
と話しかけたが
パープルからの返事はなかった笑
本当に必死だった。笑
この第二チェックポイントで一度チームのメンバー全員が集まった。
みんなの顔を見ると、限界だった。
とゆうか、ユリカちゃんに至っては限界を超えて顔が青を通り越して白かった。
いや、これは完走するかどうかとかの問題じゃなくて今すぐリタイアしないと
死んでしまうんじゃないのか??
と思うほどだった。
そして、リーダーのマンモスこういちさんから信じられない一言が発せられた。
マ)ケンシロウ、ユリカちゃんの荷物持ってあげられない?
!?
え!?
俺!?!?
俺の体力は残り3%で今日はゴールまで残り10kmもあるのに!?!?
くうううううううううううううう!!!!!!!!!
なんとバカな俺!!歌なんて歌うんじゃなかった!!
限界に近い、自分を鼓舞する為の歌だったがどうやらマンモスこういちさんには
人を応援する程の余力と取られたのだろう・・・
うわああああああ・・・
そして俺は、
持ちます!!持たせてもらいます!!
と答えてしまった・・・笑
実は俺は母に何故、親父を好きになったか聞いた事がある。
ある飲み会の帰りに、酔いつぶれた女の子を一緒に飲んでた男子が順番におんぶして歩くことになったのだが
皆はすぐ、おんぶするのを代わってもらっていたが親父だけは一度も自分から代わってもらわず
ずーとその女の子をおんぶし続けたのだと。
そんな親父の姿を見て母は好きになったのだと。
俺は、そんな親父の息子なんだ。
俺は、この砂漠で親父を超える!!そのチャンスをくれてありがとう!!
と思って俺はユリカちゃんのリュックを背負った。
当然自分のリュックも背負ったままだったので合計リュックの重さは30kgにもなった。
先の事を考えたら、今までの自分だったら絶対にこの状況で人の荷物なんて持たなかった。
俺の生き方は先の事を考えて、今に全力を尽くさず先に余裕を残して来たからだ。
何度も頭の中で
残り10kmでタイムリミットまで3時間で体力は3%・・
そしてまだこれは一日目・・・
これをあと、6日間も行う。
俺は・・・
笑った。
人生で初めて何の後先も考えずに、今目の前の事を全力で出来る。
どう、なるんだろうか?
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