闇の少年/シェアハウス「リバ邸」の面白い住人
昼過ぎにTwitterでDMが来た。
いま羽田空港にいるんですけど、
今から来てもいいですか?
と。
??????
という感じにはなったけど
シェアハウスを運営しているアカウントへのDMだったので入居希望なんだろうと思い
19時30分にシェアの最寄り駅集合で待ち合わせした。
彼は20歳の男の子でキャリーケースを持って来ていた。
俺)こんにちは~
彼)こんにちは、あの、絶対住みたいんで来ました。宜しくお願いします。
俺)そっか~。まぁ、落ち着こうや。
(たいていの内見なしで来るやつは飛ぶんだよな~)
俺)なんでそんなに住みたいと?
彼)東京で夢をつかみたいんです!!
俺)最高やね。どんな夢??
彼)起業して、M&Aで、バイアウトして、お金持ちになりたいんです!!
俺)へぇ~立派な夢だね。
(いや、それ先先週の中田敦彦のYouTube大学で言ってたやつううううう!!!!!)
彼)仕事も辞めたし、家も退去費用かかるけどきました。
俺)へぇ~辞める時、なんか言われた??
彼)辞表代行頼んだので、常識がないって言われました。
俺)え!?なんそれ??まじでやるやつおるったい!!笑
彼)でも、常識がないって言われたんですけどそれっておかしくないですか?勝手に世間が決めてる事ですよね??
俺)……う~ん…………いや、常識がないというより、あなたを信頼して採用した事とか、新人やけん教えた事もたくさんあって、愛情を注いだのにお別れが他人任せだったのが嫌だったんだじゃない??
彼)……
俺)そういう所から始めんとやね。
そうこうしてる内にシェアハウスに着いた。
俺)まぁ、わりと自由なシェアハウスやけんゆっくりしてよ。家賃は払ってね。
彼)あ、お金ないです。
!?
まじで、こいつは何を考えているんだ?
と思ったが冷静に
俺)あてはあると??
彼)今から探します。
そう言って彼はパソコンを開いた。
う~ん、バカは好きな方だけどただのバカは嫌いなんだよなぁ……と思いながら
俺)名前は?
彼)Kです。
俺)みんなからは何て呼ばれとうと??
彼)少年です。
俺)なんそれ!!笑、バリ面白いっちゃけど笑
そんなこんなで次の日
少年)親から電話があって三日後に夜行バスで実家に帰ってバイトしてお金貯めて上京する事にしました。
俺)そうったい。三日間無料でここに泊める事は出来ないんよね。
少年)今から羽田に行って寝泊まりしようと思います。
なんで羽田やねん!!
するとペルー人が
ペ)ここで三日間働かせてもらえば?ラオウさん優しいから大丈夫だよ。
と、余計な事を言った。
少年)お風呂掃除でも何でもするんで、泊めて下さい。お願いします。
俺)いいよ。まずはご飯食べよう。それから仕事を考えるけんさ……
それからご飯を三人で食べた。
少年はご飯を食べるとパソコンを開いた。
それから10分位パソコンをやり続けた。
俺)なんしようと?
少年)プログラミングの勉強です。
お前のプログラムがぶっ壊れとうっちゃないとや!!??あん??????
と思ったが
俺)いや、仕事するのが先なんじゃない?
少年)……そうですよね。
俺)とりあえず掃除して、嫌な事は嫌って言っていいけんね。
少年)はい。
それから少年は掃除機をかけ始めた。
ペルー人はニヤニヤしていた。
掃除機をかけ終わると少年が
お風呂の掃除したくないです。
と言った。
理由を聞くと
めんどくさいからです。
と言った。
こいつは釜茹での刑にしようと思った。
それから少年はベッドに行き
寝た。
全く理解が出来ない。
どういう事なんだ??
それから次の日も少年は仕事をする事なく寝続けた。
そして、次の日
また寝ていた。
これ以上はないな……
と思い
俺は少年を起こした。
俺)言いたい事、分かる??
少年)???
俺)10分あげるけん、出てってくれる??
少年)………………はい。
そして10分後、
少年は家を出て行った。
少年が寝ていたベッドを片付けに行くと
空っぽの
たけのこの里
が置いてあった。
なんっで、金ねぇ奴がたけのこの里買ってんだよおお!!!