損をしないお金の知識 年金編①
いつも学術的なことや、デジタル化などの話をつらつらと書き連ねているのですがその傍でファイナンシャルプランナーのライセンスであるAFPの資格を実は持っています。なので少し新しい試みとして、国のお金にまつわるお話しをみなさんと考えていく場を持ちたい思います。僕自身、FPの実務系経験は全くないので体系的に劣る部分もあると思いますが、そこはご容赦ください(笑)。
このシリーズでは、以下の計画でライフプランに役立つ知識を連ねる予定です。
なぜ、お金を学ぶのでしょうか。それは、「国から騙されないようにするため」だと思っています。世の中には、色々な節税対策や自己啓発本があり、そこには会社を作って節税、家を売って貯金など、非合理的な主張で溢れています。会社を作って節税なんてのは、そう簡単にできるものではないですし、個人事業の皆さんは、それなりに損益通算や、確定申告、お店の相続など悩みが尽きないと思います。これについては損をしないための税金知識で触れる予定ですが、できるだけ失敗したくないというのは法人・個人とも一緒だと感じています。
なので今回は、12回にかけて国のお金にまつわる話を①は基礎、②は少し発展編という形で皆さんと考えていければと思います。それでは、早速年金の基礎からそろりと参りましょう。
年金の仕組み
まず、2023年度の時価で、年金を20歳から60歳まで40年間全て納め続けていれば、一体年金は満額でいくらもらえるのでしょうか。その答えは79万5000円と言われています。去年が77万7800円程だったと思うので、若干上がっていると言えますね。
年金は個人事業主、並びに会社員公務員では若干仕組みが変わることはご存知でしょうか。図式化すると以下の通りです
年金というのは第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者という区分があります。第1号被保険者というのは個人事業主などで20歳〜60歳が加入します。第2号被保険者というのは、会社員・公務員が入ります。第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者で20歳〜60歳の方が加入し、それぞれもらえる年金の種類が異なります。
第1号被保険者〜第3号被保険者まで1階部分の基礎年金は同じです。ただ、2階の部分が異なります。第1号被保険者は国民年金基金と言われ、加入式となっています。この国民年金基金なんて初めて聞いた人もいると思いますが、2号保険者で言うところの厚生年金の一種です。しかし、国民年基金は、農業年金者や国民年金保険料を免除されている方は入ることはできません。また、上記の図に付加年金というのがあると思います。付加年金というのは、月の保険料を支払う際その保険料に400円をプラスして支払うことで、年金受給開始に伴い、プラス400円を納めた月数✖️200円が毎年上乗せされます。国民年基金の掛け金は68,000円が限度額となります。
第2号被保険者は、そのまま厚生年金に入ることとなり、基礎年金と厚生年金が給料から天引きで納付されます。第3号被保険者は、基本的には基礎年金となります。そもそも年金が2階建になっているということすら初耳の方もいたかもしれません。年金には2種類あることを抑えておくと老後がイメージしやすいと思います。
年金をもらうためには・・・
付加年金や国民年金基金にはもう少し細かい制度があるのですが、ここは基礎編なので次回の発展編に回します。日頃皆さんコツコツと保険料を支払っていることが年金定期便からわかると思います。一体我々は年金をいつになったらもらえるのでしょうか。これは、皆さんご存知かもしれませんが、原則「65歳から」です。では、1階の基礎年金いわゆる老齢基礎年金というものは、何年保険料を納めることが必須かご存知でしょうか。平成29年8月1日より、納付期間と納付免除期間(後ほど説明します)などを含めて期間が10年以上必要です。
また、厚生年金は1961年4月1日以前に生まれた人は1年の加入ですが、それ以降は1ヶ月の加入+老齢基礎年金の期間が10年あることが条件になります。10年加入していないとそもそも年金はもらえません。
未納の場合、追納が可能です。これは、納付期限から2年以内が原則となり、学生納付特例や出産など保険料を一時的に免除されている免除期間に当たる場合は追納が承認されてから10年以内に納付が必要です。ここで少し注意が必要なのは、免除期間というのは、受給資格期間としてカウントされますが年金の金額には反映されません。未納があると年金額も減ってしまうので、基本手には追納期間を使って納めることを推奨します。
では、最後に年金をもらうには原則65歳からだ、と先程お話ししました。実は厚生年金というのは60歳からもらうことが可能なのはご存知でしょうか。ラストにこのお話をして終わりたいと思います。
年金の繰上げ繰下げ受給
厚生年金は60歳もしくは75歳から繰上げもしくは繰下げで受給が可能です。しかしここで注意が必要なのは、繰上げる場合年金額は減額されるということです。繰上げ支給の場合、65歳から繰上げた月に0.4%をかけたパーセンテージ分、年金が減額されます。これは、一生涯取消ができず、早く欲しいからという安易な理由で申請してしまうと痛い目を見るかもしれません。
逆に、繰り下げると今度は増額となります。繰り下げると繰下げた月数に0.7%を乗じた分が、上乗せされます。
また厚生年金を繰上だ場合は、老齢基礎年金もくり上げる必要がありますが、繰下げた場合は
老齢基礎年金を一緒に繰り下げる必要はないとされています。
年金にはこのようにさまざまな仕組みがあります。繰上げする場合は自分の余命が長くない、などの事由があれば、検討してみても面白いかもしれません。自分のライフプランに合った選択を心がけましょう。
次回は、付加年金や国民年金基金の深堀と遺族年金など少しイレギュラーな年金に触れていきます。最後までご一読ありがとうございました。
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