社会人になって失ったもの
ふと、もうあれが最後だったんじゃないかって思う時がある。大学の頃、みんなで食べて飲んだ居酒屋でのひと時、あの人と話した時間・・・・
僕は、こうした過去には一切とまではいかないけれど振り返らないようにしている。振り返っても戻ってくることはない。ただ、あの時ああすればよかったなとか、人生で思うときは今でもある。
だけど、全く後悔していない道もある。それは、10代の頃のハンドボール部での戦いと、浪人時代のことである。ハンドボールをやっていた頃は、名門復活をチームとして掲げ、関東大会を目標に、関東大会に出るための重要な戦いに勝つためだけに、3年間走り続けた。浪人時代でも、行きたい大学があって、その大学に受かるために、1年間毎日予備校に通い、10時間以上毎日勉強した。
この二つには、共通点がある。それは、「負けたら終わり」の勝負だということだ。
負けたら次はない。こうした勝負は、一回きりしか挑めないので、結局最初で最後となる。こうした、勝負の場に立ち続けた人間としては、過去はどうでも良く結果よければそれでいいじゃん、って思う。
こうした勝負にはもう一回はない。最近、よく思うのだけど、人生というのは1回しかないイベントの積み重ねでできていると思う。固有名詞が変わるが、根本は変わらない。
勉強や部活だけはない。例えば、恋愛での告白やプロポーズもその一種だろう。プロポーズは一回断られたらそれまでだし、次のチャンスはない。
僕は、後がない戦いが本当に好きだ。だけど、仕事はそうではない。契約が取れなかったとしても、次のチャンスはあるし、別に首が切られるわけでもない。「後がない戦い」という、「もう一回」とは絶対に言えないような、そんな勝負は社会人になってから、すっかりなくなってしまったなと思うのだった。いつか、そんな勝負に出会える日は来るのだろうか。
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