パイオニア 青白フラッシュ調整録①
どうも、変わり谷フィニッシャー君です。
以前、友達の瞬唱フィニッシャー君が記事を書いてましたが、彼は青白コントロールを諦めたようです。
さて今回は最近お気に入りのデッキ、青白フラッシュ(パイオニア)についての調整録を書き残しておきたいと思います。
あくまで現在調整中ではありますが、大会に出れば全て勝ち越しはできているのでデッキの地力はかなり高いと思われます。
今後も調整記録としてシリーズ化できたらと思いますので、よろしくお願いします。
有料にしてますが全文読めます、気に入った方は購入してもらえると励みになります。
1.パイオニア環境のソリューションを考える
パイオニアというフォーマットができてから早いもので数年。できた当初はエスパーコントロールをメインで使用していましたが、コンボ地獄になったあたりで離れてより地獄のモダンで楽しんで(苦しんで)いました。
そんな中、モダンでは厳しいがパイオニアなら強いカードを使ってクロックパーミッションをしたいと考えました。
私が考えるパイオニアの特徴は
・フェッチランドのないマナベース
・マナコストの軽い呪文の応酬はない
・除去もカウンターもレベルが低い
という3項目でした。
A.マナベース
フェッチランドがなく、3色にしようとするとトライオームがメインになりタップインのテンポロスをクロパは許容できないと判断。友好2色にまとめるべきだと考えました。
ただし、当初のパイオニアにはカラデシュのファストランドしか存在せず、まともなマナベースとは言えず。しかし、新ドミナリア〜今日の兄弟戦争に至るまでに、
・比較的優秀な2色土地スローランドの登場
・アンタップインできる疑似2色の両面ランド
・念願のペインランドの再録
という大きな変化がありました。
クロックパーミッションをやるうえで、青はマスト、あとは白か赤との組み合わせを考えていましたが、赤は除去のためにタッチするはずが肝心の除去が弱い…。そこで青白にしようと考えていました。
上記のマナベースの改善、特に《アダーカー荒原》の再録は非常に嬉しいポイントでした。多少ライフを食うことはあるものの、常にアンタップインして2色が出せる土地は望んでいたものでした。(青白ファストをくれ)
B.軽い呪文が少ない
これは"モダンと比較して"ですが、1マナ除去が《致命的な一押し》や《焦熱の衝動》くらいしかなく、ある程度ケアしやすいこと。ピッチスペルが存在しないこと。
これらはゆったりとしたゲーム展開になるパイオニアの特徴で、1ターンにダブルアクションが取りづらいことを意味しています。
スペルを連打してキラーカードを探しにいく戦法も、そもそもそこまで決定力のあるカードがないと気付き、キャントリップデッキも弱いと思いました。
つまり、除去やカウンターを構えながら本命を通すという動きは取りづらいもので、そこへこちらのカウンターや瞬速クリーチャーたちが活きると考えました。
つまり、徹底して構え続け、相手のエンドに展開する。除去やカウンターを極力受け付けないカードたちを主軸に構成しようと。
そこで歴代の名デッキに思いを馳せると、ありました。【青白フラッシュ】というアーキタイプが。
C.レベルの低い除去とカウンター
前項に近いですが、まともなカウンターはほとんどなく、青白コントロールの使う《吸収》くらいだと思っていました。
そんな中、いくつかある条件付きのカウンターの中でも比較的まともな《高尚な否定》《霊灯の罠》を使えるスピリットデッキは有力候補でした。
何より、《呪文捕らえ》は最強に思えました。
インスタントタイミングでクロックを展開すると同時に打ち消す。ダブルアクションのしづらいパイオニアにおいて、1枚で2役こなすことができ、やはり優秀とは言えない除去を要求することができる。4マナ以下のカードというのはパイオニアのほとんどのカードが範囲でしょう。(緑単信心などは除く)
そして《呪文捕らえ》に呪禁を与えながら2/2/1飛行瞬速として隙なく展開できる《鎖鳴らし》も必須と思えました。タフネス3以上かつ3マナ以上のカードを即座に落とせる除去は限られており、そこへ鎖鳴らしが効果テキメン、決まれば勝ちます。
ここまで考えて、
・青白カラー
・《呪文捕らえ》と《鎖鳴らし》の2大スピリットメイン
・キャントリップ不使用のテンポクロックパーミッション
を組もうとなりました。
2.青白フラッシュを作る
では、何を入れるか抜くかです。
調整の当初、《霊廟の放浪者》《至高の幻影》《幽体の船乗り》などを入れることも考えました。しかしながら《霊廟の放浪者》はスピリットが多くないと真価を発揮できず、後半は役に立たないところが引っかかりました。
《至高の幻影》もスピリットが複数並ばなければ無意味かつ瞬速がないので失格でした。
《幽体の船乗り》は線が細すぎた…。
テンポを取るパーミッション
デッキ構築のうえで最重要視したのはテンポを取れることでした。(テンポとは?とかは各自考えて…)
カウンターしながらもクロックを展開する《呪文捕らえ》、それに呪禁を与える=除去へのカウンターをしながらクロック展開になる《鎖鳴らし》、そしてバウンスで除去しながらクロックとして出せる《厚かましい借り手》…これらがベースとなることは明白でした。
ただ、ドローをこなせるカードがない…。
前述した通り、ドローするだけのカードを入れるのは弱いと判断していました。そこで、白羽の矢が立ったのが《サメ台風》でした。
そもそもデッキ構築思想の源流として、【カウンターのあるスピリット】というよりも【青白コントロールにクロックを入れる】が正しく、インスタントタイミングで打ち消されないクロックかつ1ドローはピッタリでした。
そして青白コントロールから重いカード、状況を選ぶカードを抜き去り、テンポを強烈に取れるクロック3種《呪文捕らえ》《鎖鳴らし》《厚かましい借り手》を入れるべきと考えました。
あとは優秀な白の除去を…《ポータブル・ホール》は1マナカードのない当デッキでは後手をテンポよく返せる優秀なカードであり、前述した通り1マナ連打デッキが強くないことの要因の1つでした。
同時に相手の使うポータブルホールを簡単に当てさせない構成もまた重要に思えました。
かなり厳しいマッチになる【赤単】や展開力で追いつかなくなる【白系人間】への解答でもありました。
しかし範囲が狭すぎる。
そこで、無色マナの出せる土地を入れつつ、そこから《次元の歪曲》を撃つのはどうか?と考えました。
無色源として《変わり谷》を採用したことは後に正解だったと分かるのですが、肝心の歪曲は微妙でした。-3修整で落とせる範囲はあまり広くなく、大型クリーチャーにモジモジしてしまい、かつ自陣はタフ3以下が多すぎてパンプとしても使えませんでした。
もっと汎用な除去を…と思っていたところに最強カードが出てきました。
強すぎた《魂の仕切り》
インスタントでわずか2マナで土地以外何でも触れて追放する。弱いところは1つもありませんでした。再び唱えるにしても追加2マナを要求し、1マナが3マナに、3マナが5マナに。
軽いカードはその軽さで序盤に出すからこそ意味があり、それをエンドに追放できるのは擬似的な《差し戻し》のように感じました。
そして前述の通りダブルアクションをより拒絶しつつ、コストが増えても《呪文捕らえ》の範囲に変わりはないのでキャッチできてしまう。
これは最強カードをもらってしまったと震えました。
こうして除去は《ポータブル・ホール》《魂の仕切り》《厚かましい借り手》で決定しました。
ギデオンか放浪皇か
次に、やはりクリーチャーだけだとコントロール相手に弱くなってしまうため、プレインズウォーカーの採用を検討しました。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》はパイオニアプールで最も強いプレインズウォーカーではありますが、5マナのソーサリームーブは許容しづらく、テフェリーを守るための全体除去、確定カウンターを取れないため諦めました。
次点で候補は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》でした。かつての青白フラッシュを支えた一時代を築いた最強カード。2/2を作りながら自身が破壊不能5/5として殴る姿は歴代最強かと思えましたが、押されている盤面では弱いこと、盤面に触ることができないことが引っかかりました。
何より、同じ4マナで《放浪皇》がいるならそっちを使うというのは自明の理でした。瞬速を持ち、クリーチャー追放&2点ゲイン、2/2警戒の生成、自軍の強化。弱いところが1つもない。
青くないため論争もされず、隙を作らない。ケアして殴らないという選択は取れないため裏目がない。
カウンターか除去を構えつつ、突然出てくるサメ台風や放浪皇を全てケアすることは当然不可能でしょう。
ここまででおおよそのデッキの根幹は描けました。
脇を支える縁の下の力持ちたち
あとはこの戦略を支えるいくつかの補助的なカードとフィニッシャー選考でした。
実際にやってみると、一時凌ぎのバウンスしかないため、クリーチャー除去にもう少し何か欲しいな…となりました。
そこで、本家青白フラッシュを支え、不快という理由だけで禁止された《反射魔道士》を採用してみました。瞬速こそないものの、4マナ以上のクリーチャーをバウンスした際のテンポの取り具合は特筆するものがあります。
緑単の《茨の騎兵》や《長老ガーガロス》、《黙示録、シェオルドレッド》などは遭遇率が高く即処理する必要があります。
《反射魔道士》はこれらのデカブツをバウンスできたらテンポを大きく取れるうえに、道をこじ開けてくれる存在となります。
対クリーチャー除去・全体除去には《無私の霊魂》を採用することにしました。こちらも瞬速はないものの、《鎖鳴らし》がいれば瞬速で出すことができ、そのままサクることで自軍に破壊不能を与えてくれます。
青白コントロールの《至高の評決》はカウンターすることもできず、《呪文捕らえ》でキャッチする以外に回答がないため、破壊不能付与が大きく役に立ちます。(とはいえそもそも青白コンには有利)
フィニッシャーには《大天使アヴァシン》を採用しました。
5マナと少し重いものの、瞬速で飛行警戒の4/4、おまけに出たターンは全体破壊不能付与。変身すればオール3点。
前項の《無私の霊魂》と合わせて除去から守りつつ、いざとなれば変身して全体除去のようにも振る舞えます。
変身にスタックしてもう1体出したり、霊魂の破壊不能を使えば相手だけ3点ダメージになります。
単純に除去耐性が高く、突然現れる4/4飛行警戒は戦況を大きく変えることが期待されました。
コントロール相手にはエンドにフラッと出しても強い。
これらを加えて一旦メインのメンツは完成かと思われました。
3.マナベース考案
ではマナベースについて考えていきます。
土地の総枚数は23〜24がいいだろうことは経験上わかりました。
パイオニアでは土地2枚キープはほぼ不可能で、初手に3枚は欲しく、最大で《サメ台風》ハードキャスト時の6マナまで到達できればよく、欲を言えばアヴァシン+カウンターの7マナまで出せれば充分でした。
キャントリップを入れていないため、基本はサメサイクリングによるドロー頼みということもあり、24枚をベストと考えました。
《神聖なる泉》《連門の小道》《アダーカー荒原》は4枚ずつ確定。
スローランド《さびれた浜》は多すぎると序盤のタップインがイヤなため2枚に。
基本土地は《平地》3《島》2としました。(正直ここは適当)
ミシュラランドについて
どのミシュランを採用するかは最後まで悩みました。(今も)
基本的に2枚目までしかアンタップインしないミシュランを多く取ることはテンポを損なうため、多くても2枚程度と考えていました。
《フロスト・ドラゴンの洞窟》は白しか出ない上に、5マナ3/4飛行という絶妙なスタッツ。
ミシュラランドへ求める要素は
・起動が軽い
・除去耐性
・回避能力
なため、5マナかけて《致命的な一押し》で即退場はダメでした。
では除去耐性とサイズのある《ストーム・ジャイアントの聖堂》はどうかというと、起動が重く、そこまでゲームが伸びない印象がありました。
また、盤面を更地にする手段がなく、チャンプされるだけの感も否めません。
ここで、《次元の歪曲》の時に試した《変わり谷》が活きてきました。
アンタップインかつ起動が1マナと最軽量で、スピリットとしていざとなれば《鎖鳴らし》の呪禁を得ることもできます。
除去やカウンターを構えながらでも隙なく殴れることで、コントロール相手にもプレッシャーをかけることができます。
《放浪皇》の2/2侍トークンとともに殴ることで最後の数点を詰め切ることもありました。
色拘束のキツいカードがなく、青1と白1があれば動けるため、無色しか出ないこのカードも3枚まで採用することが可能だと考えました。
1マナで起動しつつ、《放浪皇》の強化能力や、《婚礼の発表》の裏面の強化を受けていれば3/3として殴れるのがいいですね。
このカードはフィニッシャーです。
魂力土地について
神河の土地、《天上都市、大田原》は魂力で打ち消されないバウンスとして汎用性が高く、自陣を除去から救うことも稀にあるため、ユーティリティカードとして1枚は採用したいと考えました。
同じく《皇国の地、永岩城》は3マナと魂力コストが低く、それでいて4点ダメージを与えられるため、大抵のクリーチャーを落とせることから評価しました。
とはいえ上記2種は大抵の場合は土地として置いてしまいます。
あくまでマナフラ受けとして…。
これでマナベースは一旦完成としました。
《廃墟の地》は採用を悩むカードですが、起動するヒマがないことが多く、そもそもミシュラン起動されてるような状況は負けのためあまり考えないことにしました。最も破壊したい《睡蓮の原野》は呪禁、《ニクスの祭殿、ニクソス》は破壊のヒマがありません。(甘え)
4.サイドボードを考える
ではサイドボードをどうするか。
マジックの基本はサイドボードにあり、というほどにはサイド後のゲームメイクは重要で、メタを読みつつ的確かつ劇的なカードを採用することが肝だと思いました。
現在、下記のカードを2枚ずつ(《残骸の漂着》のみ1)としています。
採用カード解説
《霊気の疾風》は《呪文捕らえ》でキャッチできない5マナ以上を連打してくる【緑単信心】への対処カードとして。
基本的にトップに戻されるだけなので時間稼ぎにしかならないがこれでないとどうにもならない場面が多いのでやむを得ず。
《軽蔑的な一撃》は追加のカウンターとして。《呪文捕らえ》でキャッチできないだろうと安心してキャストされる5マナ以上を打ち消せたときのバリューは大きい。腐ることもあるので特定のマッチアップ(vs緑単、vs根本原理etc)にしか入れられない感もあります。
《減衰球》はモダンではトロン土地対策として散々使われていましたが、パイオニアのトロンといえば《ニクスの祭殿、ニクソス》による大量マナ加速の【緑単信心】ならびに、《睡蓮の原野》をアンタップすることで大量マナを出す【ロータスコンボ】があります。
《廃墟の地》を取っておらず、(上記デッキへの対策として「そもそも廃墟ではどうにもならないのでは?」という気持ちがある)何かしら軽くて一応対策になるカードを、ということでコレです。
一応【イゼットフェニックス】相手にもサイドインしてもいいかなと思います。
【イゼフェニ】も、【弧光のフェニックス】が立っているだけで殴りづらくなってしまいますが、サメトークンで相打ち狙えるのでヨシ!
もっとも、これも本質はドローを対策するほうがいいかと思ってますが。
《未認可霊柩車》は墓地対策としてお守り的に。
個人的にパイオニアで墓地対策ってあんまり必要ないんじゃないか?って気がしています。
クリティカルに効くのは【イゼットフェニックス】くらいで、【パルヘリオン】は《ウィザーブルームの命令》で破壊されたり、墓地からズラした戦略を取ってきます。
とはいえ1枚くらいはあったほうがいいか…というところで1枚だけ。登場要員も用意しやすいので殴る展開もありえます。
《トカシアの歓待》は除去コン相手に。トークンでも誘発するため、相手のエンドにサメトークンや侍トークンでドローできます。自ターン相手ターンで2回誘発させられるため、簡単に手札を増やせます。サメサイクリングX=0でも出たことにはなるため1ドロー(サイクリング分で計2枚ドロー)は便利です。
《婚礼の発表》はアドバンテージ勝負に。ラクドスや青白など、置けばかなり有効な相手は多いです。というかこのカード強すぎるため、必ず取りたいと思っていました。コントロール相手にも上手くカウンターを釣りながら通せばかなり有利に。
裏面のアンセム効果はギデオン不要と結論づけるに充分でした。このカードはギデオンです。
《残骸の漂着》は白系アグロ全般に。《至高の評決》でもいいのですが、自陣を巻き込まないところを評価したく…。ただ、【スピリット】相手や【青白兵士】などカウンターのあるアグロには最悪通らない可能性もあるため、評決のほうがいいと思います。
漂着をチラつかせてフルパンを躊躇わせるのが好きなため入れています。
《心悪しき隠遁者》は表面が2/2/1の標準ウィザードでありながら、U1マナで《唱え損ない》効果を使用できます。それでいて②Uで降霊すると自分のノンクリーチャースペルを打ち消し不可にする2/2飛行スピリットに変身。
カウンターの効かない起動能力によるカウンターかつクロックとして攻めることができ、役割を果たしたあとは墓地から舞い戻って再びクロックを刻んでくれます。
コントロールからすれば放っておくことはできず、かといって青を立たせた状態でキャストされれば1度は打ち消される覚悟で対処をしなければなりません。
裏面はスピリットであることから、《鎖鳴らし》がいれば瞬速でキャスト可能。もちろん呪禁を与えることもできます。3マナというのも軽くて助かりますね。
《敬虔な新米、デニック》はUWの2/2/3で墓地への対象を不可にする能力持ち。4マナで降霊すると、クリーチャーカードが墓地に落ちたら調査する能力を持つ飛行スピリットとなります。
表は絆魂持ちのタフ3ということもあり、いざとなればブロッカーとしてライフを得ることが期待できます。
常在能力で《大牙勢団の総長、脂牙》による墓地のファクト釣りや、《墓地の侵入者》の墓地追放を阻止。やんわりとした墓地対策です。
裏面になると、相手のクリーチャースペルを打ち消すだけで調査できて、除去に調査がついてくるため、維持できればかなり強いカード。
これもまたまたスピリットなので《鎖鳴らし》で瞬速&呪禁付与が可能です。
4.デッキリスト
そして完成したリストがこちら。
《ポータブル・ホール》は腐る相手に2枚以上引くと負け得るため、3枚に抑えています。【白単】や【青単スピリット】【バントスピリット】あたりが増えてきたら4枚にしてもいいと思います。
《無私の霊魂》も重ね引くとあまり強くないため、2枚に抑えました。
《放浪皇》は常に強いカードではあるのですが、枠の都合もあり2枚にしています。3枚でも全然良いと思います。
基本的にルーティングや手札調整を取れないため、引きすぎると腐るカードは少なめ、引きたいものは4枚という考えです。
コントロールデッキはピン挿しを多くしてドローでアクセスするのが好きなのですが、パイオニアではそこまで劇的なピン挿しカードは存在せず、ドローも弱いので、どちらかというとアグロデッキの構築セオリーに則りました。
採用を検討したカード
ここからは採用を検討したカードを紹介します。
なぜ、採用に至らなかったのか、何がダメだったのか。
※あくまで個人的見解に過ぎません。
《かき消し》は2マナ要求の不確定カウンター。犠牲1を持ち、いざとなれば4マナ要求で、往年の《マナ漏出》に近いものを感じました。(実際は《火消し》)
パイオニアは3マナカードが非常に強く、(レガシーは1マナ、モダンは2マナが強いですね)
後手でも3マナのムーブをカウンターしたいことから検討しました。
こんなことを言うと元も子もないんですが、そもそもカウンターってあんまり強くなくね?と思ってます。
個人的に、カウンタースペルって、《差し戻し》や《呪文嵌め》のようなテンポを取れるカウンター呪文や、《対抗呪文》のような2マナ完全確定カウンター以外は弱くないか?と思っていて、余程のオマケがないと使いたくないです。
上記がリーガルのモダンですら、《夏の帳》や《魂の洞窟》などで弱いと感じざるを得ません。
パイオニアでカウンターをしたいデッキ≒コンボデッキは基本的に《思考囲い》を合わせてくるんじゃないかと。
通ってしまったら致命的なもの、一気に捲くられてしまうもの(《集合した中隊》《スレイベンの守護者、サリア》《鏡割りの寓話》etc)が多すぎると思いました。
このデッキは結局殴らないと勝たないデッキなため、下手にカウンターを入れるよりもクロックを展開していくほうがコンボへのプレッシャーも大きくなるはずです。
《検閲》はカウンターとは認めません!
序盤のテンポを取る超ソフトカウンターでありながら後半は腐るためサイクリングでドローに変えられる…とは言うものの、前半も1マナ残されたら腐る上に、後半ドローも占術もないただのドロー。毎回キレそうになりながらドローにしてます。
序盤は前述したバウンスや疑似除去が多いため、わざわざ取る必要もないだろうと考えました。
《安らかなる眠り》は一般的に白の含まれるデッキでの墓地対策として最有力カードだと思います。2マナという軽さ、後置きでも全追放付きなためいつ引いても良い。が、しかし。
そもそも墓地対策っている?
パイオニアで最も墓地に比重があるデッキは滅多に見ない【ドレッジ】や【魂剥ぎ】を除けば【イゼフェニ】でしょう。ただ、イゼフェニ側も《弧光のフェニックス》《宝船の巡航》《時間への侵入》しか墓地を使っていません。
その上で、墓地対策を抜けられる上にタフ4以上になりながら強力な壁となる《帳簿裂き》が非常に厄介でした。同じく墓地の関係ない《弾けるドレイク》も、こちらの攻撃が通らなくなってしまいます。
巡航のドローにカウンターを当てつつ(最悪ドローされても構わない)、フェニックスは《未認可霊柩車》で追放、その他の除去やバウンスは《帳簿裂き》《弾けるドレイク》に当てるというのが理想です。
次に墓地を使う【パルヘリオン】ですが、こちらも最速コンボに対するためには初手に欲しいところですが《思考囲い》で落とされ、出しても《ウィザーブルームの命令》で割られます。
そしてこちらもやはり墓地に関係のない《エシカの戦車》や《領事の旗艦、スカイソブリン》のプランを取ってきます。
エシカはまだしも、スカイソブリンは詰んでしまうため、絶対に通したくないですね。
どちらかというと、脂牙を出させない、誘発にバウンスするで解決しようと考えました。
《呪文貫き》は後手でもカウンターしやすくて使いやすいんですが、強力なカードを展開して守る動きで強く、(例:ラガバン、執着的探訪付き生物)そこまで守る価値のあるクリーチャーがいないなと感じました。
唯一守りたい《呪文捕らえ》も《鎖鳴らし》で充分。
なんだかんだ言ってもパイオニアはクリーチャー主体のゲームで、非クリーチャーのみ対象は裏目ることが多々あるように思い、何でも柔軟に対応したい当デッキではちょっと怪しさが勝りました。
ルーティングがないため、後半腐るのも耐えられませんでした。
《高名な弁護士、トミク》も同様に狙いが狭すぎたのでやめました。
【ロータスコンボ】や【緑単信心】の《睡蓮の原野》&《ニクスの祭殿、ニクソス》をアンタップする能力を禁止しつつ、飛行で殴れる2/2/3。
結構スペックはいいんですが如何せん範囲が狭い。白白も出しづらい。
何か役割を果たしつつ殴れるというのは理想のカードなため、ロータスだらけのメタが来たら使ってもいいかもしれません。
《冥途灯りの行進》は《ポータブル・ホール》と並んで【青白コントロール】では使用されています。
主にミシュランやトークンへ白1マナインスタントで対処できるのが強いカードです。
しかし、それ以外では弱い。基本的にピッチするほど白いカードが手札に残らない上、アド損。ピッチしなければマナが多くかかるためテンポを損ないます。
そもそもミシュランを起動される状況ってかなり押されてるのでこれ一枚では解決してないやんと。
大抵の状況では《魂の仕切り》で充分かと考えました。
終わりに
実際のマッチアップガイドまで書けるほどにはやり込めていないため、今回はただひたすら思考の吐き出しに過ぎない内容になってしまいました。
現在のパイオニアメタゲームは【ラクドス】【青白コン】【緑単信心】【白系人間】あたりがTier1といった様相ですが、次弾『ファイレクシア:完全なる統一』で環境が変わるかもしれません。
青白フラッシュ的にはコントロールはお客さんなので、青白コンが増えると助かります。
個人的にパイオニアはフォーマット制定時よりもかなりカードパワーが高くなっており、以前のような泥試合化することも少なくて幾分やりやすくなった印象です。
プレイ人口も多く、幅広いデッキが存在していてかなり楽しい時期かなと思います。MTGアリーナ上でもエクスプローラーとして近いものは遊べます。
ただ、まだキーパーツである《呪文捕らえ》が収録されていないため、デッキになりません…。残念ながら期待して待ちましょう。
次回はより実戦的な部分も記せたらと思っています。
ではまた。
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