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心象風景 「兆し」


上記の続き
書き殴ってるのでマイナーチェンジは何度かするかも知れない。

俺の内世界の「獣」が帰還してから少し変化があった。

俺は俺の「獣」をそう呼べなくなってしまった。
呼びたくなくなってしまった。

実は「獣」が帰還してからしばらく、幻聴のような耳をつんざくような、まるで「マンドラゴラ」を引き抜いたような、咆哮、騒音、叫び、怒り?に1日くらい悩まされていた。

最初俺はこれを「獣」の咆哮だと認識した。

正気を失うような、背足迷走神経をダイレクトに刺激するような恐怖や狂気を喚起するような音。
モンハンで言うなら古龍級の咆哮である。そりゃ高級耳栓スキル欲しいわ。無理だもんいろいろ。マジで無理だって。
アラフィフでおもらししそうなくらい幻聴。
一瞬我を忘れて弛緩するような。
今もとても遠くから聞こえる。
視覚過敏なのは解ってたけど、やっぱりというか、聴覚過敏もあったんかい!
その途端、キーンという空耳に幼い頃、今も? 悩まされていた事に気づく。
高音が苦手だ。
揺さぶられて、心が沸き立つような興奮も覚えるけど、同時にこれは交感神経優位状態に移行する、、生命を揺さぶられる音だったんだ。

個人個人「心地良い音」はあると思うけど「リラックスする音か沸き立つ音かを見分ける」のは大事よ。
沸き立つ音は、あなたのテンションを上げるけど、同時にあなたの命を脅かす音、として認識されてる場合も、、多分ある。

その音はあるいは親の、母親の怒りの声、悲鳴のような声だとも認識された。

こんなものが一週間続いたら確実に俺は正気を失う、というような幻聴だった。

この咆哮は何物なのか。

イメージに身を任せる。

虚空を見るともなしに見て自我を手放すような感覚。
忘我。五感に感覚を研ぎ澄ませ、同時に弛緩する。
自我を溶かしながら、湧き上がってくるイメージだけに集中し
集中しながら夢の中に居るように刹那のイメージや感覚に流されるように。上手くは言えないが、これがアクティブイマジネーションをする時の感覚。

最初、実家近くの工場が一日数回鳴らしていた、今なら訴訟モノの重低音のゴーという騒音。

町役場の階段の踊り場の上の一定間隔で並んでいた照明。
俺はあれが落ちてくると認識していた。

落ちてくる。
俺は河川敷にあったローラースケート場の上の空も落ちてくる、と認識していた。

苦手な空は落ちてくる。

母親の悲鳴に似た怒号。

父親の怒りの声。

電車が通り、線路の軋む音。

母親の実家(茶農家)の工場のガチャガチャ、キーキー音を立てる機械。

電車が鉄橋を通る音。

母親が祖母を罵倒している。

俺はそれに怒りを感じた。
「俺の母親に何をする。○ろされたいのか!」

そんな子なら要らない、と母親に言われた事。
あるいは冗談まじりに「おまえは橋の下から拾ってきた」と何度も言われた事。

やはり、俺は俺の養育者を「自ら」変更したようだ。

気分障害の母親と愛着を感じる者の変更。
おそらく俺は聴覚過敏である事。
助けてもらえない、という絶望。
ASDグレーゾーンを理解されないという孤独。

許せない音がある。ガラスが割れる音。
母親が割った。

それは大事なものだったはずなのに。

なんだ?

俺がジュースを飲む時に使っていた黄色い葉がデザインされたコップ。

俺はクリームソーダを落とした。
いたたまれない気持ち。両親のうんざりを感じる。

どこだ。

遊園地だ。

俺はエビフライが欲しかったのに無かったからイラだっていた。

イラだっていた。

俺を連れるものは苛立ってた。

ばあちゃんだけだ。俺を受け入れてくれたのは。

俺はこんなところになんか来たくなかった。
連れ出したのはお前らだろう。
くだらないくだらないくだらないくだらない。
色があってくるくる回るものだけが好きなんだ。
それ以外いらないんだ。キラキラしてたらなおいい。

失望するなら最初から連れていくな!
俺もお前らに失望している!
もう帰りたい。

おそらくこんな物が俺の中で、両価型と混乱型の愛着を形成していた。これと就学初期から中期に継続的にあったいじめ体験が境界性パーソナリティ障害の源になっている。(発症は別のイベントなんだが)

その他にありとあらゆる「不快」が俺の中で感覚となって想起された。

「獣」はこんなものを引き受けていたのか?2歳の時、母親に虐待された記憶の門番として。
(獣が「ワンちゃん」に変容してから真っ先に出てきた解離or抑圧された記憶だ)

こいつはたった一人で、俺に自我と認識されず、拒絶され続け、それでも生きていた。俺が許容出来ない記憶や感覚と共に。

そう感じた瞬間、長らく喋っていなかった(今年はとんと声を聞かなかった)インナーチャイルドが矢継ぎ早に喋りかけてきた。

こうして欲しいああして欲しい、これは好き、あれは嫌い、○○が食べたい、電車を見に行こう、公園に行こう、盆踊りを見に行く、川に魚を捕まえに行く、それはもう奔流とでも言うべき勢い。

「獣」は、、、変貌した俺のもう一人のインナーチャイルドだったのだ。たしかに「ワンちゃん」に変容してから、獣は常にインナーチャイルドと一対の存在として想起されていた。

やはり俺は幼い頃から自我を保全するため、不快なものを抑圧、または解離させていたのだろう。イリュジョナリーコンパニオンもいたし、やはり俺は幼い頃から自我をスプリット(分裂)させていたようだ。

やがていつからかは覚えていないが、俺はそれに人格?自我?を与えていたようだ。
「スプリットされ、衝動に突き動かされコントロールを失う俺」を忌み嫌って。

ん、、、今思いついた。
そうか、親父だ。
親父は理性的ではあるが、怒りで我を失って俺を虐待していた。
そして、、、ちょいちょい浮気をしていた。
俺が一度確か小学校4年の時だったか「なんだか悪いことのようだ」と感じ、母親に密告して、けん家は崩壊の危機にさらされた事がある。
そうか。俺が独身だった頃そのような適応的でない恋愛的行動を起こしてたのはそれも原因なのか?(人のせいにすんな)

そうか。

俺の「英雄に憧れる」「英雄たろうとする」ペルソナのシャドウはやはり親父の不適応な行動なのだ。

そしてそれは父親への憎悪とともに「駆逐するべきもの、抑圧するべきもの」として、他の不快感やトラウマ、あるいはASDグレーゾーンの傷つきと結合してコンプレックスを形成していた。それが人格を持ったものが「獣」だったのか!

気のせいなのかな。
「やっと解ってくれたか」と誰かの声が聞こえた。
親父のような俺のようなインナーチャイルドのような声。
涙が止まらない。

済まなかったな。
そんな場所に居させて、確かに正気ではいられないだろう。

俺は俺を保つためのお前を黙殺していた。
より適応的になるため、お前を「獣」たらしめていた。

もうその場所には居させない。
ありがとうな、そんな姿になってまでお前は俺の守護獣(トーテム)だったんだ。

おかえり。

ただいま。



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