逆張り~THE BEGINNIG~


この記事を、俺に逆張りの精神を教えてくれた先生と、さぶまちすいせいさんに捧げます。


ある程度の学力のある人間は、小学校のころは神童だとか称えられて、テストはだいたいいつも100点で、調子に乗っていたんじゃないだろうかと思う。かく言う私もそうで、自分は他の人とは違って賢いんだと思っていた。

あれは小学2年生の理科の授業だ。
「空気と水」だとかの分野の授業。先生が水が入った密閉された容器に小さな穴を1つ空けて言う。
「ここから水がこぼれると思う人~?」
みなが、そりゃそうだろうと当たり前に手を挙げる。
俺も当然手を挙げた。

しかし、容器に空いた穴を下にしても、水はこぼれなかった。
みなが驚きの声をあげる。

生徒たちの驚嘆と困惑の声が収まるのを待ってから、先生が続けて質問をする。
「じゃあ穴を2つ空けたら~?」
「こぼれないと思う人~?」
生徒たちは互いに顔を見合わせつつ、おそるおそる、こぼれないだろうと手を挙げる。

「じゃあこぼれると思う人~?」
きょろきょろと周りを見回す生徒たち。
手を挙げていたのは、中央右列最後方の座席、俺だけだった。

俺は人生で初めて逆張った。
今度こそこぼれるだろう、と
みながこぼれない方に賭ける中、俺だけ”あえて”こぼれる方にフルベットした。
「はじめての逆張り」だった。


先生が俺の名を呼ぶ。
「けむぴこくんだけか~」
みなが一斉に俺の方を振り返る。好奇の眼差しだ。
「じゃあやってみようか!」
そうして先生が、小さな穴が2つ空いた容器を逆さまにすると同時に
世界がひっくり返った。

穴からこぼれ出る水。
唯一の正解者の俺を先生が呼ぶ声。
みなの振り向く顔。

あの日あの瞬間
不動が流転に
マイノリティが正解に
好奇が尊敬に
順張りが逆張りに
反転した。

みなの視線を集める中、俺一人が壇上に呼ばれた。
大量の視線を感じながら、壇上へと向かう。
褒めそやされ、万雷の喝采をその身へ浴びる。
先生からは副賞としてヒヤシンスの球根を賜った。
みなから羨望の眼差しを向けられる。心地がいい。
後から知ったが、ヒヤシンスの花言葉は「逆張り」だ。

この瞬間、俺の頭の中の逆張り報酬系ニューロンが超強化されてしまった。
逆張りとドーパミンが結び付き、逆張りで快楽を得る人間へと改造されてしまったのである。
ヒヤシンスは、俺の順張り人間としての死へ手向けられたものなのだろう。

こうして俺は逆張り人間として産まれ直したのである。


まだジークアクス見てません。
エヴァは何も見てません。
韓国料理って何ですか?
インスタ入れてません。
ブルアカやってません。
あの、ミセスグリーンアップルっていうのはどちらの女性ですか?
ちいかわ?っていうのは鶏のどの部位ですか?
コロナはただの風邪。
頭にアルミホイルを。
ヘアメイクアップアーティストでタレントのIKKOこと豊田一幸は2017年10月24日~10月28日の間に全くの他人と入れ替わっている。ヘアメイクアップアーティストでタレントのIKKOこと豊田一幸は2017年10月24日~10月28日の間に全くの他人と入れ替わっている。ヘアメイクアップアーティストでタレントのIKKOこと豊田一幸は2017年10月24日~10月28日の間に全くの他人と入れ替わっている。

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