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5/3、労働(R16+、グロテスクな表現、言葉づかい)


GW、俺は暇だった。
普段働いてるバイトも休みだし、特にこれといってすることもない。(まああるにはあるってかしなければいけないデカいことはあるんだけどそのことからめちゃくちゃ目を逸らしてるからとりあえずそれ以外に現状することがない鬱鬱鬱の意)

どうせ暇なら金でも稼ぐかってことで、派遣のバイトに応募して、働くことになった。

①そもそもGW前半の3連休から働くつもりではあったが、このカスブログの読者ならお分かりの通り、3連休は風邪をひいて休んでいた。
②ユニクロの店裏の倉庫の派遣バイトにも応募したが、そっちは人手が足りてるとかで結局働けなかった。

ということで、けっこう不本意ながら、最寄り駅から少し離れた倉庫での作業をすることになった。

現場の事務所に到着し、すこし話を聞き、登録のための手続きやらなんやらを終わらせて待機。
集合時間になると同じオレンジ色のビブスをつけた人が7,8名ほど集まる。
ビブスて。
まずビブスって名前、変過ぎるだろ。
あの見た目でビブスって名付けた人、センス無いぜ。
せめてカルスとかだろ。ビブはヤバすぎる。
ビブスって排泄音すぎる。
ビブスなんかつけたの中学の体育のバスケの時以来だな。
ちなみに俺は19番だった。19って素数すぎる。

倉庫の中に入り、現場監督みたいな人が指示を出す。どうやら俺は他の4人と一緒に5人で作業をすることになるらしい。
案内され、説明を聞く。エアコンとその室外機を荷運びするために、パレット(フォークリフトで運ぶための木のすのこみたいなやつ)にひたすらエアコンと室外機を載せていく仕事らしい。

~~~ここから読まなくてもいいです~~~
最初は段ボール製のパレットに載せてエアコンが運ばれてくる。
エアコンはひとつの段ボールパレットに3つ並んで3段で9個載せられてくる。カタカナのミみたいな。
これを木パレットに載せると、しっかり詰めると1段あたり4個載せることが出来る。カタカナのヨみたいな。あと4段まで載せれる。
ミをヨにする仕事。
川を山にする仕事って言った方がいいな。国創り神話みたいで。
ニハコビヌシノミコト。
一方室外機の方は、3つ2段で6個。それを4つ2段で8個で木パレットに積み替える。
この積み替えにどれほどの意味があるのか。
とりあえず現状日雇い派遣でやらせているだけで、企業にちゃんと金があったらすぐにでも機械に置き換わってフルオートメーションになりそうな仕事だ。
なんなんだこの仕事は。
~~~ここまで読まなくてもいいです~~~

倉庫は特段暑くも寒くもなく、淡々と作業をこなしていく。
エアコンは1人でも持てる程度だが、室外機の方は、1人で持つには骨が折れる。2人で協力して積んでいく。

2時間ぐらいして、もやしっこオブザイヤー5年連続金賞受賞している俺は結構疲れてきた。この作業を9~17時(休憩60分)でやるというのはなかなか精神的にもしんどいものがある。
そんなときに、作業チームの一人が話しかけてきた。「これって11:30ぐらいから休憩ですよね?」そう言ったのはチームの中でも若い方(のちに聞くと27らしい)のメガネの男性だ。友人のゴブリン(???)になんとなく外見が似ているが、体躯はゴブリンからは一回りほど小さい。俺はこいつをちびゴブリン、ちびゴブと呼ぶことにした。
ちびゴブは少ししんどそうにしており、休憩時間を結構気にしている。
ちびゴブはあまり積極的に仕事をしていない。


仕事の内容を細かく書いておく。
リフト担当の人が荷物の載った段ボールパレットと、それを積みなおすための木パレットを運んでくる。それが揃い次第、作業を始める。
段ボールパレットには荷物が動かないようにラップのようなビニールが巻いてある。上に更に積み重ねるからだろうか、その荷物の上には薄い段ボールが1枚載せてある。まずはそれをカッターなどを使って取り除いていく。
荷物を開封したあとは、木パレットに積みなおしていく。
そして、デカいラップでくるんで、完了。

だいたいこんな感じ

ちびゴブはこの仕事のうち、誰かが開封したビニールとか、段ボールを指定の場所に運んだりとかの小さい仕事を積極的にこなしており、荷物を運ぶのには消極的だ。
がんばれ、ちびゴブ。

僕にも結構疲れが見えてきた。「けっこう疲れてきた?」そう話してかけてきたのはハゲおじだ。ハゲてるからそう呼んでる。ハゲおじは仕事は結構慣れてるみたいで、エアコンの型番の数字を見て、「数字が大きい方が排気量が大きくて、エアコンも大型で重たいんだよね~」と言っていた。実際22番は軽く、40番の室外機ともなればかなり重たく、運ぶのにかなり苦労する。かなり限定的な年の功だな。リルためになった。

作業をしているさなか、室外機を運ぶのに俺は結構苦労していた。重心的には下の方から持った方がいいんだろうが、なにぶん結構箱がデカいもんで、持ちにくい。難儀しているとリフト担当の人が「下の方持ったほうがいいっすよ」と言ってきた。そりゃ分かってんだけどなぁと思って適当に返事をした。
どう運ぼうかなと考えていると別のおじが話しかけてきた。「全然運べるなら上の方持っちゃっていいよ。腰大事にしましょ。」そう言いながら軽々と室外機を運んで行った。このおじは運ぶのをめちゃめちゃ積極的にしてるし、なんだったらビニールをカッターで開けて、そのビニールを指定場所にもっていくのは他の人に任せてすぐに中の荷物を運び始めたり、2人がかりの室外機を1人で運んだりと、ちびゴブとは対照的だ。腰に巻く作業カバンみたいなのを装備していて、そこにカッターも入れてすぐに取り出せるようにもしてあり、一人だけなんか風格が違う。最強おじだ。
最強おじは一緒に1つの室外機を運ぶときもせーのの掛け声もタイミングが取りやすく、現場に異常に慣れている感じがある。すごいぜ。
「僕ね、大学生のころに奈良の方で似たようなエアコン運ぶバイトがあってね。看護師の女子寮のエアコンって書いてたからもうすぐ応募して。エレベーターとかなかったからおっきいエアコン担いで4階まで階段でガーッって上がらないといけなくてもう大変やったんよね。そのあとそこの看護師と飲みに行ったけどな!大学生だから!ワハハハ!」
すげぇな最強おじ。おじさんの大学生時代のちょうど良い感じのエピソードだ。

もう一人も紹介しておくと、もう一人はビニールおじだ。荷物を積んでからラップを巻く作業を基本的に担当している。他の人が荷物をせっせと運んでいる間も基本的にはデカラップをもって待機している。
最初は「お前も荷物運べや楽なラップだけやんなや」と思ったものだが、おそらく俺よりもラップを巻く手際が良いし、作業を分担することで効率化出来てるし、たまにビニールおじも荷物運んでるし、まあよしとしよう。

というわけで、けむぴこ、ちびゴブ、ハゲおじ、最強おじ、ビニールおじの5人で作業を進めていった。

読者の中には小説を読みなれていて、それぞれの人物についてイメージを思い浮かべて読み進めるものもいるかもしれないが、それらはほとんど忘れてしまって構わない。
この5人はこの後ほとんど物語に関わってはこないからである。

ほどなくして12:30になり、休憩となる。事務所の3階の休憩スペースまで戻る道すがら、ちびゴブに少し話しかけられた。

「大学生ですか?」
ちびゴブは少なくとも20代には見えた。
「うん、大学生。」
「そっちも大学生ですか?」
「僕は27でフリーターやってるよ」
27か。年齢的には1個上だな。
このようなザ・初対面とでも形容すべき会話をしていた。するとちびゴブが
「趣味とか合いそうですね。アニメとか見ます?」
おいおいおいおいおいおいおいおいおい
見た目だけで俺のことをアニオタ判定してきたのかこいつぁよ
やってくれたなぁおいおい
アニメは見るには見るけど、そんな今期のアニメがどうとか、流行りものを見てるわけでもないので基本的に人と話合わないんだよな。
「いや、アニメとかはあんまり見ないっすね~」
会話終了。お疲れっした。

昼ごはんはコンビニのおにぎりで済ませ、昼休憩が終わる。ソファで爆睡してるちびゴブを起こして作業場に戻る。午前とは少しだけ場所が変わったが、作業の内容は何も変わらない。ただひたすらエアコンを積んでいく。


ビニールにくるまれた新たなエアコンが運ばれてきた。
俺はカッターを取り出し、ビニールを切る。向かいでは最強おじが俺の開封を待っている。最強おじはビニール切るのも早いんだよなと思い少し焦った。
ビニールをカッターで上から下へと切っていると違和感。なんだと思って手元を見ると、左手の人差し指が裂け、鮮血が見えている。
一応作業用の軍手は着用していたが、それを上から貫通して切れている。
あちゃ~切っちゃったかと思った程度だったが、切り口をよく見ると、明らかに深い切り口だった。痛みはあまりないが、ちょっとヤバそうだ。痛みが無いのもたぶん瞬間的アドレナリンによる鎮痛作用だろう。そう判断できるぐらいにはぱっくりと割れていた。とにかく傷口を右手で抑えつつ、事務所の方に向かう。
途中に作業をしている正社員の方と思しきおばちゃんがいらっしゃったので話をする。「私に言われても…」みたいな顔をされつつ、とりあえずおさえておく用のタオルを渡されて、事務所の方に案内された。もう床に滴り落ちるほどに出血していた。
だが、とにかく好奇心が勝つ。身体の出血とは裏腹に、少しだけこの非日常に対して高揚する自分がいた。
自分から滴り落ちる血、もはや血だらけになった両手をしげしげと眺めていた。
事務所の水道で傷口を洗い流し、簡易的に消毒される。とりあえずばんそうこうを三重に(三重県にじゃないよ!☆)指に、強めに巻き、止血しておく。やっぱ現場だとこういう対応慣れてんね。もしかして現場監督ってそういう応急処置の資格とか講習とかあったりする?

とりあえず現場監督の判断で、近くの病院に連れていかれることになった。横で男性が、「やっぱ俺呪われてるよぉ」と言っていた。そんなに連続して事故でもあったのかな。なんかごめんよ。

車で病院まで送ってもらうことになった。
まじで申し訳ない。まじで申し訳ないと伝えたが、付き添いの正社員の女性も「ごめんね、わざわざ休みで働きに来てもらったのにこんなことになっちゃって~」と言っていた。俺の不注意なんだからいいんだよ。

結局病院では傷口を縫うことになった。
縫う前にでっかいイソジン綿棒で患部を消毒された。

なに?

患部に麻酔をされる。
こういうとこの麻酔ってどうするんだろ。
指の付け根らへんに注射すんのかな?とか思ってたんだけど
傷口の中に直接針ブッ刺して麻酔いれられてワロタ
しかも傷口に上下3セットずつぐらい入れられたし、患部は麻酔液でパンパンに膨れてたし。人体ってこんなことしていいんだ。

麻酔が効くまでしばらく抑えているように言われた。まあそうだろうな。

しばらくして、縫う時間が来た。
先生が突然ゴム手袋の人差し指の部分を切り取り始めた。
人差し指だけ出して手術するのかな?
その人差し指の部分を伸ばしてゴム紐みたいにして人差し指の付け根を縛り始めた。そうやって使うの?なんか他に普通にゴム紐みたいなのないの?そういうもん?
ほんでキツく縛らないといけないのはほんとに分かるんだけど、マジで!?ってぐらいキツく絞られた。麻酔効いてるから痛いとかじゃないんだけど、まじで人生で見たこと無いぐらい絞られた。こんなにしちゃダメだろ!!!ってぐらい。逆に面白いぐらい。
バルーンアートで何かつくるときぐらいキツキツに絞られた。俺の指でバルーンアートしないでね!!!!!!!

先が釣り針のようになっている細い針金のようなもので指を縫っていくらしい。
容赦なく指の皮膚を針が貫通していく。
好奇心が勝ち、自分の皮膚が貫かれる様子を見つめていた。
映画とかゲームで見ると「ああ~~~↓」ってなる映像が目の前で行われている。しかも自分の身体で。麻酔で痛みなどの感覚は無いが、針がどんどん指を貫通していく様子はかなりグロテスクだった。
好奇心が負けた。見てると段々気持ち悪くなってきた。
これ、麻酔が抜けると結構痛むんじゃないか?未来の痛みにおびえる。

そういえば同じようなことがあったな。
中学生ぐらいのころ、朝ごはんにおにぎりを食べていた。
当時、食べるときになんか右の顎関節がカクッとなって若干痛んでいた。
そのことを母に伝えると「顎関節症やな。気付けんかったらアゴ外れるで。」
そう言われてアゴが外れるという未知の恐怖の前に俺は震えあがってしまい、気分が悪くなってきて、既に食べた分のおにぎりを戻してしまった。
アゴが外れる恐怖でおにぎりを吐いた男。

麻酔が切れた後の痛みへの恐怖で気分が悪くなる男。
我ながら心配性すぎる。

結局4針縫われた後、少し休憩して気分が戻ったので、待合室に戻り、名前を呼ばれ、会計を済ませる。
どうやら就業中の怪我なので、労災扱いになり、全額返金されることになるらしい。
タダで指を縫ってもらえる時代。変な感じ。タダで4針もらった。

翌日にまた来るように言われた。おっけ~。



翌日、午前中ぐらいに行った方がいいだろうと思い、11時過ぎぐらいに着いた。
受付のおじさんに、「11時までに来るようにとか言われてませんでした?」って言われた。
知らね~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!
言われてねぇよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
言われてないので知りませぇ~~~~~~~~~~ん!!!!!!!!!!
カカカカカカカカカカ!!!!!!!!!!!!!!!!(破顔大笑)
ズシャズシャズシャズシャズシャズシャズシャ!!!!!!(高速で左腕の袖を右手で上下)
バラァヌァッ!!!!(2秒で六法全書を読破)

受付を済ませてしばらくすると診察室に通される。
昨日付けられた包帯とガーゼを取り、患部の様子をチェックされる。
新しいガーゼを付けられる。

会計で「昨日にお金は貰ってるし、労災でおりるから代金は結構です」と言われた。
病院に行って、おじさんにプチ怒され、ガーゼ取られてガーゼ付けられ、お金を払わずに出てきた。変な病院。


結局GW前半は風邪をひいてたし
GW後半は働いて稼ごうと思ってたのに初日に指をやって働けなくなってしまったし、全く散々なGWだぜ。






~~~おわりに~~~

ここまで6000字弱ほど読んでくださったみなさんだけ!!
特別に!!!!!
有益情報をプレゼント!!!!!!!



































































































































































































































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