上海の決済と必須アプリ事情
2018年12月に上海に訪問。初めての中国。
生活のモバイル化が進んでいて、中国すげー、Alipayすげー、WeChat Payすげー、シェアサイクルすげーみたいになってるので、実際に体験しに行ってきました。以前決済企業にいたので、特に現地の決済事情には興味がありました。
まずは現地での必須アプリをウェブサイトや友人から聞いてインストール。
・百度地図 (Google Mapの代わり)
・WeChat (LINEの代わり)
・Alipay (モバイル決済やIn-Appアプリの利用)
・大众点评 (食べログの代わり)
・DiDi (UBERの代わり)
なぜ「代わり」が必要なのか。それは、中国では海外のマップ (Google Mapなど)やコミュニケーションツール (LINE、Facebook、Messenger、WhatsApp、Skypeなど) 、検索ツール (Googleなど) が使えないから。ただ、この点には例外があり、海外SIMでローミングした状態で携帯の電波経由で接続している場合はどのアプリも利用可能です。私はdocomoユーザーなので、下の海外パケットパックを利用して5日間で3,980円のパックを利用しました。ローミングしてても現地のWiFiに接続すると、これらのアプリは使えないので注意が必要です。WiFi利用の場合はVPNを使うとこれらのアプリが使えます。ねこVPNなどが無料で使えるのでおススメです。
docomo海外パケットパック:
ねこVPN:
では、実際に各アプリを使った感想を。
■現地アプリ
百度地図: 英語での検索がほとんどできないので、漢字で入力。iPhoneの場合、「設定」→「一般」→「キーボード」から手入力の中国語を入れておくと中国語の漢字が手書きできるので便利。渋滞情報も表示される。
WeChat: 現地に住んでいる友達や同僚とチャットをするには必須。彼らは現地SIMのため、LINEやMessengerを使うためにはVPNに接続する必要があり、返信が遅れる可能性大。
WeChat Pay: 複数のブログで、WeChatアカウント登録後に友人などからWeChat間で送金してもらえば利用可能との情報があったけど、利用不可。送金してもらったものを自分のアカウントに追加しようとすると、現地の銀行口座番号を登録しなければ先に進めなくなるので、旅行者は利用不可。これは残念だった。
Alipay: アカウント登録して、パスポートを登録。Alipayアカウントを持っている友人や同僚から送金してもらう。送金の受け取りや支払いが可能に。ただ、何かがうまくいかないと、現地の銀行口座情報を入力しないと決済や送金ができなくなるので注意。一緒に行った相手は5000円程度の残高があるまま決済も送金もできなくなってしまった。5000円のロス!おそらく、パスポートの顔写真ページがが旧姓だったからではないかと推測。
大众点评: 漢字で検索すれば評価のレートや写真、メニューなどがみれるので便利。ただ中国語のみのため書いてあることは理解不能。アプリから予約できるお店もあったが、今回は試せなかった。レストランの予約は中国語じゃないと通じないのでホテルのフロントなどから予約をしてもらう必要あり。アプリからできると便利なはず。
DiDi: 現地の移動をスムーズに行うために1番期待していたDiDi。まず最初の落とし穴。日本のApp StoreでダウンロードしたDiDiアプリは、まさかの日本での利用限定…ということに現地でアプリを開いて気付く。そのため、現地での利用不可。以前はDiDi App for foreignerという外人向けアプリがダウンロードできたが、今はできなくなっている。ただ、私が持っているシンガポールのApple IDで、シンガポールのApp Storeからはダウンロードできた。以下、DiDiの使い方。
・Alipayアプリ内の DiDi Taxiから呼ぶ。Taxi (出租车)のみ利用可能。Alipayから呼んでいるため、到着時にドライバーが「完了」を押すと、Alipayで支払いができる。
・DiDi App for foreignersがダウンロード出来る人は、アプリから呼ぶことも可能。この場合もTaxiのみ利用可能で、UberX的なやつは利用不可。
ただ、下に表示されてる画面からクレジットカードやAlipayなどの支払い手段との連携は不可のため、到着時に現金かAlipayで支払う必要あり。このアプリは英語入力可能、また、ドライバーとのチャットの翻訳機能が付いているため非常に便利。
シェアサイクル: mobikeやofoなど、アプリからとAlipayのin-Appから試してみたが、現地携帯番号 and/or 銀行口座がないために利用できなかった。残念。
携帯電波、もしくはVPN経由:
Google Map: 車や電車でのルートは正確だけど、渋滞情報が反映されないため、タクシーなどの場合は到着時間が大幅に変わる場合あり
■店頭での支払い手段
クレジットカードは利用できないところが多い。利用できても銀聯カードのみ。
基本的にWeChat Payはどこでも使える印象。タクシーではWeChat Payか現金のみでAlipayが利用不可の時もあった。
レストランでは、例えば下の火鍋屋ではWeChat Pay、Alipay、現金が利用可能。現金もAlipayの残高も少ししかなく、クレジットカードで払えるか聞いてみたけど、銀聯カードしかだめで、結局ATMまで行って現金を下ろして支払った。
60歳を超えているような、日本だとITリテラシーが低そうな層の人達も普通にAlipayやWeChat Payで支払いを行なっており、普及率がすごいなと思った。
■総評
中国は生活のモバイル化がすごく、すごい便利だという言われ方をしているが、実際にそこまでではないところもあり、また、とても排他的で旅行者に対しては良いサービスが提供できていなかった。
AlipayやWeChat Payの決済が便利と言われているが、実際にはアプリを起動してQRコードを表示して読み込んでもらうか、こちらから読み込んで金額の入力が必要。SUICAなどのコンタクトレスの方がよっぽど便利。実際に携帯の電波が悪く、Alipayで払えないこともあった。リベート (ポイント)のことと海外からの旅行者のことを考えると、コンタクトレスのクレジットカード (VisaのPaywaveなど、もしくはApple Pay)が最強なのではないかと思う。リベートもあるし、欧米のカードはコンタクトレスが多いので1ステップ (タッチするだけ) で決済が終わるのはお店側も、お客側もストレスが少なく、1番良いと思った。
また、シェアサイクルを利用するにも現地の携帯番号や銀行口座が必要など、旅行者にはかなり不便 (利用不可)な環境もまだまだ改善の余地があると思う。
日本でも、海外からの旅行者にも使いやすいサービスがどんどん増えていくことを願ってます。