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FXエアガンズ社から満を持して登場シンセストックモデル・次世代PCPライフル『FXクラウン』

本稿は『けもの道 2018秋号』(2018年9月刊)に掲載されたものを note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。


FXエアガンズ社の次期社長
ヨハン氏が来日会見

今年(2018)4月、FXエアガンズ社(FX社)の次期社長ヨハン・アクセルソン氏が来日し、都内のトウキョウジュウホウ事務所で会見を行った。

ヨハン氏はFX社の創業者フレデリック・アクセルソン氏の子息であり、同社を代表するPCPエアライフルの1つ「ストリームライン」を日本のために開発した人物でもある。

FX社はフレデリック氏の「エアライフルの開発は自分との闘い。もっといいもの、もっと当たるものを作る」という信念のもと、バレルからストックにいたるまで一貫した自社製造を行なっており、世界の国々において、それぞれのマーケットに適した最高のエアライフルを提供している。

そして今年度トウキョウジュウホウから新たに発売されたFX社のPCPエアライフル『FX CROWN(クラウン)』には、FX社渾身の新技術・機能の数々が搭載されている。

『FXクラウン』は、今年度トウキョウジュウホウから発売開始されたFX社の最新PCPエアライフル。新開発の「スムースツイストXバレル」を搭載し、50m はおろか 100m の距離からも精密な射撃を可能にする。

Xバレルの素材や製造方法について詳細は明らかにされていないが、ヨハン氏によれば「最悪のコンディションの中でも当たる」ことを追求して設計されたバレルであり、世界のタフな猟場でのニーズを満足させるものであることがうかがえる。

口径は 5.5mm、6.35mm に加え 7.62mm(30口径)がラインナップに並び、日本において同時に発売された「ボブキャットMk2」の 30口径モデルとともに、日本の PCPエアライフル界に本格的かつ実用的な大口径時代の幕開けをもたらした。

蓄圧シリンダーはグラスファイバー製で 480cc の大容量を誇りながらも、軽量化されたストックとあいまって 2.9kg〜3.17kg の重量に仕上がっている。レギュレーターは標準装備。最大 250気圧の蓄圧から 7.62mm モデルでも安定して40発程度を発射できる。

写真で見る FXクラウン

山梨県の銃砲店ヒーローズインクで、FXクラウンの実銃を見せてもらった。店主の米山さんが手にしているのは、FXクラウン ウッドストックモデル(口径6.35mm)だ
機関部左側面には「smoothtwist X」と新型バレルの搭載が明記されている。新技術が詰まった幾何学的な形状の機関部と温かみのあるウッドストックのバランスは秀逸だ。ストックはウッドのほか、比較的軽量なシンセストックモデル、アジャスタブルチークピース搭載のラミネートストックモデルがある
バレルに並んで新開発のグラスファイバー製蓄圧シリンダー。480cc のビッグボディに重厚なアイアンブラックの色彩がより一層の存在感をもたらしている
コッキングレバー、セーフティ、トリガーのすべてについて、射手がスコープから視線を外さずにスムースに操作できるよう設計されている
残圧メーター(銃口側)、レギュレーターメーター(ストック側)、およびエア充填口はストック下部にスッキリと格納され、洗練されたデザインを損なわないよう配慮されている
銃全長 110~113cm と他のエアライフルに比べやや大きめの FXクラウンだが、標準で専用ハードケースが付属されており、譲受け直後からスコープ付きでも銃を傷つけることなく運搬が可能だ
FXクラウン(写真は口径 6.35mmモデル)のグルーピングには、もはや溜め息しか出ない。50m の距離からわずか 1円玉サイズ(直径2cm)よりも小さい範囲に 5発が着弾している。50m 先のカモ類のヘッドショットなど、引鉄を引く以外に造作もないことだろう(写真提供:豊和精機製作所)

FXボブキャットMk2に
30口径モデルが新登場

FXクラウンと国内同時発売となった FXボブキャットMk2 の 30口径モデル。実は筆者(佐茂)自ら今夏、所持許可を受け、早速実射を行なった。

FX社製のボスペレット7.62mm、46・30グレイン弾を使用し、5発ずつ1インチ円目掛けて50mから射撃。フロントレストを使用しての半依託射撃ながら、グルーピングは1インチ円内の中でもさらに集約しているという驚きの結果を得た。

50m の距離から直径1インチ円内にまとまるグルーピング。もともと命中精度に定評のあるボブキャットだが、30口径でも健在だ

シリンダーには 6.35mm モデルと同様、最大 250気圧まで蓄圧が可能だが、標準ポンプ使用で筆者の筋力では 210気圧程度までが限界だった。実射時に残圧メーターを目測したところ、5発ごとにおおよそ 15気圧ずつ減っており、レギュレーターが 150気圧設定であることからも単純計算では連続して 30〜40発ほどが発射可能となる。実猟においては、出猟前に自宅でエアを充填すれば、猟場で再度充填する必要はほとんどないだろう。

(了)


狩猟専門誌『けもの道 2018秋号』では本稿を含む、狩猟関連情報をお読みいただけます。note版には未掲載の記事もありますので、ご興味のある方はぜひチェックしていただければと思います。

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