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【第1回】俺たちの狩猟塾 実践!見切り猟 〜 移動跡新旧判別ポイント
本稿は『けもの道 2016特別号』(2016年刊)に掲載された記事を note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。
【ご注意ください】狩猟を行なうには狩猟免許の取得、猟具等の取得・所持の許可、狩猟者登録などの手続きが必要なほか、狩猟期間や猟法、狩猟できる区域や鳥獣の制限等があります。狩猟制度に関する情報については「狩猟ポータル」(環境省)等でご確認ください。
狩猟塾 再開!
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今回、塾長からのお誘いは、「明日、有害(駆除)出るけど、どない?」という控えめなLINEメッセージからだった!!
『けもの道』特別号の製作に向け、連絡手段が電脳系になった塾長とともに『狩猟塾』再開!!
編集「休刊の間、何か変化はありましたか?」
塾長「仲間が朝イチに跡見や見切りをしてくれるようになって、助かるようになったなぁ」
編集「塾長もだいぶラクが出来ますね」
塾長「しかしやな、自分の犬を掛けるんやったら、仲間を信頼してても、自分で見切りの結果に納得してからでないとアカン」
編集「納得の上で犬を放せ、と?」
塾長「そうや。他人の判断任せで犬を放して、モノが出なかったらどうなる? 『犬が悪い』とか『見切りが悪い』とかなるやろ?」
編集「いるかいないか、どんな相手か、見切りの情報を自分で判断するわけですね」
塾長「自分の犬のことを一番知ってるんは自分や。イノシシとは真剣勝負。結果も踏まえて納得済みで犬を放さなアカン。よっしゃ、ほな行くど!! 編集長!!
イノシシが草むらを歩いたら?
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編集「まだ梅雨時期で、かなり下草が生えていますが、草むらではイノシシの足跡は分かりませんねぇ」
塾長「足跡自体は分からへんけど、通ったかどうかは分かる。例えば人が歩くと草を踏むから、通った後は草が倒れてるやろ。イノシシも同じや」
編集「でもずいぶん前に通った跡かも知れませんね」
塾長「青々してる生きた雑草は強いもんや。一日経てば元に戻る。倒れてるところはまだ新しい跡ということや」
草についた砂粒の有無を確認
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編集「草そのものを見るときのポイントは砂粒ですね」
塾長「そうや。もう何度も教えたな? 田んぼの近くとか沢の近くの草むらをイノシシが通ると、必ず草に砂粒をつけて行く。当然、雨が当たったり、乾燥して時間が経てば砂粒は落ちる。砂粒が残っているということは、雨の後に移動したか、そこを通ってから時間が経ってないということや」
編集「見切り中は、かなり低い位置を観察する必要がありますねぇ」
足跡は〝立ち具合〟を見る
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編集「柔らかい土の上とかは、足跡は分かりやすいですよね」
塾長「あるかないかは分かるけどな、それが新しいか古いかはキッチリ見なアカン」
編集「何となく、ハッキリしてれば新しい印象はありますけど……」
塾長「足跡は〝立ち具合〟を見比べるんや。新しい跡は砂粒とか、土のシワとかがピンピンに〝立って〟るもんや。雨が当たったり、時間が経てば、丸みを帯びて滑らかになるんや」
イノシシはどこにいる? 見切りコース大図解
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act. 01
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見切りスタート地点近くに車を停めると、いきなり道路横の田に子連れのイノシシの足跡を発見。法面の草の倒れ方や足跡を追って行くと、すぐ横の山から出て来て田に入っていることが分かった。
さらにアスファルトの上には山へ戻っていく足跡もある。イノシシたちは前日から活発に動いているようだ
act. 02
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斜面に残る濃いケモノ道を発見。イノシシが毎日のように行き来していることが想像できる。南北方向に出来た道(南向きが上り、北向きが下り)の上に、大小複数の足跡が残っている。よく見ると、下りの足跡が上りの足跡を踏んでいることが分かり、最新の足跡は下り(北方向)のものだと判断する。
act. 03
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さらに進むと、別のイノシシの足跡があった。一匹のみで移動している成獣になったイノシシだ。新しい足跡はイノシシの存在を裏付ける嬉しい材料だ。
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