食べよう! レッツ獣肉! ヌートリアとノウサギ料理編
なぜ狩猟をするのか?
獲物を美味しく食べることが、その答えのひとつ
『けもの道』の取材で獲得したヌートリアおよびノウサギは、持ち帰って実食した。イノシシはもちろん、ヒヨドリもキジバトも、美味しくいただいた。
獲った獲物を美味しくいただいてこそ、狩猟活動は完結するといっても過言ではない。
お洒落なジビエ料理である必要はない。キレイに持って帰って、ただ食べる。ただし、美味しく食べる。それが狩猟をする目的の1つであり、獲得した動物に対する最大の供養になる。
今回は料理人の手により生まれ変わった野生肉の極上料理を紹介する。調理方法は各家庭でも再現可能なものなので、ぜひ冷凍庫に眠る肉や、次の猟期で得た肉で試していただきたい。
写真・文|佐茂規彦
実食! ヌートリア料理評
見た目は取っ付きにくいヌートリア。その肉は一見(一嗅?)、臭みがありそうだが、いくつかの個体の肉を比べると、臭みがあるものと無いものとがあった。
その違いは、捕獲した場所。すなわち川の上流域で獲ったものは臭みがないが、下流域で獲ったものは臭みが強かった。
「四つ足」といえどヌートリアは基本的に河川周辺に生息しているため、川魚同様に、「水のニオイ」が影響していると推測される。よって、美味しいヌートリア肉を手に入れるには、水が澄んでいる時期と場所、すなわち猟期中盤以降の水温が下がった上流域が狙い目と言えそうだ。
肉質は非常に柔らかい。陸上を飛んだり跳ねたりせず、水面を泳いで移動することが多いからか、あまり筋肉は発達していない。特に下ごしらえすることなく、いきなり火を通すだけで、どの部位でも柔らかく食べられそうだ。
「ヌートリア味」は意外と強い。ニオイが強いのではなく、鶏肉に少し血の味を足したような独特の野性味がする。肉の量は意外とあるので、いろいろな料理法が楽しめそうだ。スパイスなどパンチの効いた調味料で肉との相乗効果を狙う揚げ物や、塩コショウだけのシンプルな炭焼きなどがお勧めだ。
ヌートリアの一夜干し
ヌートリアのコンフィ
ヌートリアのトマト煮
ヌートリア揚げ物2種
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