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空気銃の銃身クリーニングは是か非か? 豊和精機製作所に聞いてみた

本稿は『けもの道 2019春号』(2019年4月刊)に掲載された記事を note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。


聞き手・写真|小堀ダイスケ
取材協力|豊和精機製作所

空気銃の銃身はどう掃除すればいいのか。空気銃の取扱い量日本一、年間修理数400挺以上という銃砲店、豊和精機製作所の社長である佐藤一博さんに聞いてみた。はたして、エアライフルスミスの回答やいかに?

佐藤一博。1970年生まれ。機械加工業を営んでいたが、2006年より銃砲店を始める。猟銃全般を扱うが、現在は特に空気銃の販売と修理に力を入れている。埼玉県公安委員会指定射撃指導員

ライフリングと鉛

小堀 佐藤さん、今日聞きたいのはですね、空気銃の銃身はどう掃除すればいいか、ってことについてなんです。

佐藤 そうですねえ、確かにお客さんからの問い合わせは結構あるんですよ。クリーニングペレットってのが売ってるけど、あれ使って掃除した方がいいんですか? みたいな感じで。

小堀 まあそうでしょうね。だってそのために売られているんですからね。

佐藤 皆さん、ライフリングの溝に鉛がたまって精度が落ちて、放置しておくとしまいには弾が回転しなくなっちゃうんじゃないかと思ったりするみたいです。

でもね、昔のジェット弾のように鉛がむき出しの弾なら多少は付着したかもしれませんが、でもそれが溜まってライフリングが埋まるなんてことはあり得ないんですよ。

なぜなら、ライフリングに鉛がついても、1発撃つたびに次の弾にこすれて剥がれていきますから。で、次の弾を撃つとまた新しい鉛が付着する。結局、この繰り返しなんで、鉛がつくのは確かですが、一定以上に蓄積するということはないですね。

しかも、最近の弾は表面にグラファイトコーティングが施してありますから、もっと付着しにくくなっているんです。

小堀 なるほど。実は今回、秘密兵器を持ってきたんですよ。「ビデオフレックスG3ウルトラM10」っていう、いわゆる工業用の内視鏡でして、本来なら配管や壁の内部などを見るための機械なんですが、これで空気銃の銃身内部を覗いてみようじゃないかと。

ビデオフレックスG3 ウルトラM10。本来は工業用の内視鏡だが、銃身内部の確認ができるためハンターにとっても有用な道具となり得る
ケーブル先端の直径は 5.5mm なので、空気銃の場合は口径 6.35mm 以上の銃身にしか入らないが、ライフルやハーフライフル銃の銃身内を見るのにも便利

佐藤 へえ~! 面白いですね! じゃあ早速やってみましょうか。(と言って奥から空気銃を出してくる)

これ、古いダイアナのスプリング式空気銃なんですが、おそらく昔のコーティングしてない弾をずっと撃っていたはずなんで、そこそこ汚れているんじゃないかと。

小堀 どれどれ……うわーっ!

佐藤 おー。ライフリングが真っ白ですね。これは間違いなく鉛ですね。

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