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最新ハンティングドローンの技能認定講習に潜入!

本稿は『けもの道 2024秋号』(2024年10月刊)に掲載された記事を note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。

文・写真|佐茂規彦


近年注目を集めているハンティングドローンの技能認定講習をのぞいてみた。猟犬や勢子の代わりにドローンを飛ばせば獲物が簡単に獲れるのか?

答えは「否」だ。必要なのは操縦の知識・技能だけではなく、巻狩りをベースとしつつも独自に発展を遂げたいわば「ドローン猟」への理解なのだ。

ハンティングドローン操縦の専門プログラム

2022年12月から改正航空法が施行され、ドローン操縦の国家資格である「無人航空機の操縦者技能証明制度」が開始された。これによりドローンの飛行形態は4つのレベルに分けられ、それぞれの操縦には国家資格など一定の条件が必要になった。

(株)アエロジャパンではドローンの製造・販売だけでなく、(一社)無人航空機操縦士養成協会(=DPTA)を設立し、ドローン操縦に必要な各種資格取得のプログラムの提供を開始したほか、農業、測量、撮影など実際の運用技術も含めた専門コースを用意。中でも「狩猟技能認定コース」では、ドローンの運用経験豊富な現役ハンターが講師を務め、安全第一の運用方法はもとより、猟犬による通常の巻狩りとは違った、ドローンならではの獲物の追い方などを学ぶことが出来る。

ハンティングドローン導入を検討する際には、DPTAが提供する専門コースを受講したパイロットを、いかに確保するかが重要だ。

狩猟技能認定コースでは、現役ハンター兼ドローンパイロットから講義を受けられる
ドローンは始動前にパイロット自ら点検。成果よりも安全第一だ
DPTA敷地内にはドローンの飛行訓練用に複数の圃場があり、実践的な訓練を受けることができる

『ハンティングドローン UD4JH』について

安定性のある高機能4枚ローターを採用。プロペラは折り畳み式で、軽トラックの荷台に載せて運べる大きさに

『ハンティングドローン UD4JH』は(株)アエロジャパンが開発・生産から販売まで手掛ける狩猟専用ドローンで、ハンターの高齢化や、猟犬飼育の難化といった問題解決を担う。

高出力アンプとスピーカーを搭載し、大音量で猟犬の吠え声を流して鹿や猪を追い散らす。動物駆逐用煙火の発射装置も備え、遠隔操作で人里に近づく猿も撃退。近年はカワウやヒグマの追払いにも導入されている。

  • UD4JH の主な機能
    中型4枚ローター、高性能ジャイロセンサー、フライトコンピューター、高出力指向性スピーカー、動物駆逐用煙火発射装置、LED ライト搭載カメラ

  • 仕様

    • 飛行時寸法:870 × 870 × 640mm

    • 自重:9.5kg

    • 最大離陸重量:20kg

    • 飛行時間:40 分(条件による)

    • 最大作業速度:7m/s

    • 最大速度:10m/s

    • 運用限界高度:2000m

    • 動作環境温度:0-40℃

    • 最大伝送範囲:1km

    • 推奨運用風速:3m/s 以内

大音量スピーカーから猟犬の吠え声を流すと、鹿や猪の群れが蜘蛛の子を散らすように移動を開始する。猟犬を使わない新たな巻狩りの手法としてすでに効果は実証済みだ

一般社団法人無人航空機操縦士養成協会
●所在地:京都府福知山市大内1199-1 ●代表電話:0773-21-1340 ●


狩猟専門誌『けもの道 2024秋号』では本稿を含む、狩猟関連情報をお読みいただけます。note版には未掲載の記事もありますので、ご興味のある方はぜひチェックしていただければと思います。

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