狩猟期までに覚えておきたいエアライフル7つのこと
初狩猟期に戸惑わないための7つの準備
この春、狩猟用エアライフルを取得された皆様、おめでとう御座います。
狩猟用エアライフルを取得されたということは、当然、秋から始まる狩猟期(北海道は10月15日から、本州以南では11月15日から)において鳥類または小動物などの捕獲を狙っておられることと思います。
そこで、狩猟期までに覚えておいていただきたい大事なことを少し……。
【その1】最も基本的なこと
ひょっとして初心者講習に合格し、無事に狩猟用エアライフルを取得できればそれで狩猟が出来ると思ってはいませんか?
もしそうならば大変です。エアライフルを所持したときに公安委員会より発行される猟銃・空気銃所持許可証だけでは山野における狩猟をすることは出来ません。
狩猟をするにはもうひとつ狩猟免許が必要です。
そして狩猟免許には、「わな猟」「網猟」「装薬銃による猟」(第一種銃猟)、「空気銃による猟」(第二種銃猟)の免許の4種類があります。
ここでちょっと気をつけていただきたいことがあります。
もし、あなたが空気銃しか生涯持たないつもりであるのなら第二種銃猟免許を取ればいいでしょう。
しかし、これから先、散弾銃や装薬ライフル銃(エアライフルと混同しない為に、一般的な火薬を使ったライフルのことを「装薬ライフル」と表記します)を持つ為のひとつのステップとして、まず狩猟用エアライフルを所持したのであれば、まだ装薬銃を所持していなくても(更に言えば、銃の所持に必要な初心者講習をまだ受けていなくても)受けることの出来る狩猟免許試験では、第一種銃猟免許を受けておく方が後々の無駄な出費を抑えることが出来ます。
それは何故かといいますと、第一種銃猟免許を取っておけば空気銃による狩猟は「オマケ」でできるからです。言ってみれば車の普通免許を持っている人は、オマケで原付のバイクも乗れるというのと同じなのです。
ですから、先々装薬銃を持とうと思っている方は狩猟免許試験においては第一種銃猟免許を受けておく方が試験が一回で済み、費用や時間が節約できるわけです。
といっても、第二種銃猟免許の試験より第一種の方がちょっと難しいです。が、基本的に出題される問題はほぼ同じで、大きく違うのは、装薬銃の取り扱い方の実技だけです。
装薬銃の取扱いの実技については、初心者の方々にとっては大きなハードルのようにも思われますが、狩猟試験の前には、各地において猟友会による狩猟試験講習会が開かれていますので、是非ともそれを受講して、装薬銃の操作の仕方を覚えることが出来れば問題は無いでしょう。
この原稿を書いている私も、知人より「先々のことを考えると第一種銃猟試験を選んだ方が得だよ」と教えられて県猟友会主催の講習会を受け、まだ装薬銃を所持する前に第一種銃猟試験に臨み、無事合格することが出来ました。
さて、無事に狩猟免許試験に合格すれば、所轄の警察署に行き、猟銃所持許可の記載変更(用途変更)の手続きをします。
そうすれば、猟銃・空気銃所持許可証のあなたの持っている銃の「用途」のところに、用途変更が可能な銃について「狩猟」の判子を押してもらえます。
これまでのあなたの銃の用途は「標的射撃」だけだったはずですので、これでようやくあなたの持つ銃が野外において狩猟に使用出来るようになるのです。
しかし、ちょっと待ってください。狩猟免許試験に合格しただけでは秋からの狩猟期に狩猟をすることは出来ません。
狩猟をするには、自分が狩猟をしたい都道府県に狩猟者登録の申請をして、狩猟者登録証の発行をしてもらわなければなりません。
この申請及び発行については、あなたのいる都道府県の農林事務所で管轄をしているので、そちらに出向いて手続きをすればいいのですが、手続きのときに必要になるのが、「ハンター保険にちゃんと加入していること」です(正確には、3,000万円以上の共済または損害賠償保険に加入するか、これと同等の賠償能力を証明することが必要になります)。
この「ハンター保険」というのが少々やっかいなもので、ハンター保険を扱っている保険会社はあまりありません。団体保険扱いなので、個人での加入はまず受け付けていませんので、個人で加入しようとすればインターネットで検索してやっている所を探すしかないでしょう。
ですが、地元(でなくても自分の思う猟友会の会員皆様が認めてくれれば別ですが)猟友会に加入していれば、狩猟者登録をするための手続きを代行してもらえます。もちろん、それなりに費用はかかりますが、自分であくせく苦闘するよりはいいかもしれません。
さらに、地元(もしくはあなたの思う)猟友会に所属することは、猟友会費の負担など出費は増えますが、決して悪いことではありません。色々な猟の情報を教えてもらうこともできます。お付き合いすることであなたの力になってくれるでしょう。
【その2】スコープは何倍?
……で、あなたの買われた空気銃にスコープ(光学式倍率アップ照準機)は付いていますか?
えっ? 付いていない? すぐにスコープを買いに行ってください!!
って笑いごとではありません。近年の空気銃は一昔前のものと比べれば桁違いのパワーになっています。
一昔前の空気銃では30m位で鴨類を仕留めるのが限界(撃ちどころが良ければ50m位かな?)でしたが、今日のプリチャージ式空気銃では100m位までは上級者であれば普通に狙えるほど精度がアップしています。
そこで必要となるのがスコープです。
考えてください。たかだか50cmにも満たない程のカルガモやマガモを、50m以上の距離をおいて裸眼でちゃんと見えますか? そして確実なキルポイントを狙えますか?
どこを撃っても獲物に当たれば獲れると思っていたら大間違いです。
弾がキルポイントを外れれば、たとえ弾が体に当たっても、うまく翼の骨が折れなければ鳥類は飛んで逃げます。弾の当たりどころによっては、その後どこかで死んでしまいますが、まぐれでもない限り回収することは不可能です。
確実に回収するためにはバイタルゾーン(生命の維持に関わる部分)を撃たなければなりません。これがキルポイントです。
一般的には頭(ヘッドショット)や首の付け根(ネックショット)を狙いますが、私のお勧めは首の付け根です。
映画やドラマなどでは頭を撃たれてその場で即死するシーンをよく見かけますが、実際はそうではありません(もちろん人間を撃つわけではありませんが)。頭を撃たれた獲物はかなりの時間(3~5分くらいでしょうか)ジタバタと暴れ回ります。
首の付け根を狙ってベストヒットすれば、獲物は一瞬でグタッとその場に崩れます。首の付け根あたりを撃つことにより脊髄が破壊され、脳からの命令を体に伝えることが出来なくなるからです。ちょうど魚の活け締めと同じことで、はた目に見れば即死のように見えます。
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