
[韓国留学記3]隔離終了後入寮
2021年8月から2022年5月の9ヵ月間、私は韓国の崇実(スンシル)大学の語学堂に通っていた。その頃の日常を綴ろうと思う。
長いようだけど、そこまで長くはないような微妙な期間の隔離生活が今日で終わる。
なんだかなんでだか、部屋をさるときは少し寂しい気がしたりした。部屋に向かって、"お世話になりました"
スタッフの方がタクシーを呼んでスンシル大学内にある寮まで送ってもらうよう手配してくれた。
私のタクシーを呼んでくれたスタッフの方は同年代くらいの女性の人だった。(実名を出すことはできないのでヒョンちゃんと呼ぶことにする)
ヒョンちゃんの彼氏が日本人らしいのだが、なんとその人の地元が私ととても近いという事実が発覚した。
こういう場合、人はよく"世間狭いねぇ"と少し皮肉めいた反応をするが、私はちっともそんなふうに思わない。
共通点というか、親近感?とにかくとても嬉しく思うのだ。世間の狭さ大万歳である🙌
そんなこんなで私の待っていたタクシーが来て、ヒョンちゃんとはバイバイしスンシル大学へと向かった。
数十分後、スンシル大学沿いの道路におろしてもらった。
なかなかな勾配の坂道ではないか!
初めて韓国に行った時から、いや、初めて韓国ドラマを見た時から思っていたことだが、韓国はやたらと坂道が多い。
なぜかはよく知らないが、山が多かったからという話を聞いたことがある⛰️
幸いにも坂の上におろされたので、私は下ればよい。
上りよりは楽ではあるが、スーツケースの取っ手部分を離すところころと転がってしまいそうなのでぎゅっと握って歩いた。
とことことこ
ころころころ
とことことこ
ころころころ
寄宿舎の前に着くと大きな荷物を持った学生たちが数人いた。あの人たちも今日から寮に入るのだろう。
事務室の前で手続き待ちの列ができていたので、私もその最後尾に並んだ。順番が来て事務室に入ると、中には三人のスタッフがいて、そのうちの一人のところに通された。入寮することを伝え名前を言った。するとすぐに確認がとれたみたいで、部屋のカードを渡された。
そして私の部屋はこれだ

二人部屋でルームメイトはまだ来ていないようだ。
ざっと部屋を見渡して日用品を買わなきゃなぁと思い、スマホでこの周辺を調べた。
スンシルの最寄り駅から一駅離れたところにDAISOがあるみたいだ。散歩がてら歩いていくかと思い、財布とスマホ、部屋のカードをバッグに入れて寄宿舎を出た。(部屋はオートロックなので出るときは必ずカードを携帯しなければならない)
DAISOは駅沿いの道をひたすら真っ直ぐに歩けばつく。方向音痴の私だけれどきっと大丈夫だ。
寄宿舎を出て駅方面に歩き出した。真夏の季節は通り過ぎたけれど(真夏の頃は涼しい隔離ホテルにいた)暑さがまだ残っている。
長い坂道を下ってるとバス停の付近にいた学生に声を掛けられた。ひょっとして知り合いかと思い、記憶を遡るが全然ピンとこない。思えばそもそも韓国に知り合いなどいない。
「突然すみません。わたしバスに乗りたいんですけど現金がなくて、、、」
「あらら、そうなんですか」
「はいㅜㅜ 今すぐに送金するので現金をいただけないですか?」
「あ、僕外国人で、口座もまだ持ってないんです」
「えぇ、そうなんですか」
そう言ってその人は困ったような表情をした。
(自分にも口座があればいいのに)
というか、別にバス代くらいなら代金頂かなくても大丈夫な気がする。
「いくら必要ですか?」
「え?あぁ、2000ウォン(約200円)ほどなんですが、、、」
「なら2000ウォン差し上げますよ」
「それは申し訳ないですよ、、、」
「いえ、これくらい大丈夫ですよ」
私は財布から1000ウォン札を2枚だし、それを差し出した。
「ありがとうございますㅜㅜ」
私は会釈で返し、また歩き出した。
お金を渡した私の行動は、少し一方的だっただろうか。
口座を持ってる他の人が助けるべきだったのだろうか。
たった今起きた出来事を思い返しながら歩いていく。
むぅーーと言いながら何となく空を見てみる。
よく晴れた空だ。
その空の晴れ具合につられたのか、だんだんと自分のしたことについて、きっとあれで良かったんだと思えてきた。
とことこ歩いてたら、ナイスガイという床屋さんの前を通った。
とてもストレートな店名だな。
あ、そういえば、髪を早く切らないといけない。
隔離中ずっとそう思っていたではないか。
いや、でも髪を切るのはまた別の日でもいいか。
とりあえずDAISOで日用品を買おう。

部屋に戻ってからは軽く掃除をし、布団やらマットレスやらをセットした(寝具系は事務室の前で売られていたものを買った。校内で買えたのはすごく助かった。外で買おうものなら運ぶのが大変だ)。

ルームメイトはいつ来るのだろう。
仲良くなれるといいな。
そんなことを思っていたらいつのまにか眠っていた。
そして新しい朝を迎える☀️