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「親しき仲にも礼儀あり」は本当だった

読書ノート「Think CIVILITY「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である」 クリスティーン・ポラス 著

何度も読み返したい内容だったで自分用のサマリーと、最近のニュースで思うところがあったので考察。

無礼な人の恐るべき影響力

無礼な行動をとる人は、周囲の人を萎縮させたり、集中力を奪ってしまう。
著者らの研究によると、職場で誰かから無礼な態度を取られている人について調査した結果、次のことがわかったという。

職場で誰かから無礼な態度を取られている人は、
・48パーセントの人が、仕事にかける労力を意図的に減らしている。
・47パーセントの人が、仕事にかける時間を意図的に減らしている。
・38パーセントの人が、仕事の質を意図的に下げている。
・80パーセントの人が、無礼な態度を気に病んでしまい、そのせいで仕事に使うべき時間を奪われている……

しかも、無礼さは人から人へ伝播するため、一人でも無礼な人がいる組織の生産性は下がる。
つまり、当事者のみならず、周囲にも悪影響が及ぶ。
だから、組織の中では、みんなが礼儀正しくあることが重要。

この研究結果からも、パワハラやいじめが、2者間だけの問題ではなく、
組織全体の重要な問題であることがよくわかる。

ちなみに、「無礼な態度」とは、どう考えて発言や行動したかではなく、
発言や行動を受け取った人がどう考えたかであることに注意。

そんなつもりではなかった、ということも含めて、無礼な態度に分類される。

↓組織の心理的安全性も同様な話だった。↓

日ハムの中田選手の騒動に思うこと

ところで、最近、プロ野球でこんなニュースがあった。

日ハムの主砲 中田選手が、後輩を殴り無期限出場停止処分を受けた後、巨人へ無償トレードで電撃移籍した。

プロ野球14年間で様々な実績もある中田選手といえども、一人の人間なので、心身ともに波もあることでしょう。
しかし、どういう理由であれ、チームの先輩からの暴力はこわいです。

以下は仮説で、実際の因果関係はわかりません。
あくまで、読書と関連付けてニュースを見たときに、データを重ね合わせたら興味深い結果になった、という程度で流し読みしてください。

図:中田選手の一軍登録期間と2021年(9/12まで)の日ハムの勝率

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もし、キャプテンも務めていた中田選手が、常日頃からチームメイトに無礼な態度を取っていたとしたら、チームのムードは悪くなっていたはずです。

そして、この本にあるように、周囲の選手が萎縮したり、そのことを気にして集中できなくなるなど、一人一人のパフォーマンスが少しずつ下がっていたとしたら・・・
チームの勝率に影響を与えていたかもしれません。

このデータだけでは本当の因果関係は分かりませんが、事実として、中田選手の移籍発表後、日ハムの勝率は上昇しています。(40%前後→55%超)

偶然でしょうか。

中田選手一人が悪者になっている報道が多いようですが、個人的には、暴力事件に発展するまで中田選手やその周りの選手の異変に気付けず、チームとして関係修復できなかった組織運営にも問題がある気がしてなりません。

「有能」と「温かい」どちらの評価が嬉しい?

話題を本書に戻します。

ビジネスパーソンの印象で重要なのは「温かさ」と「有能さ」。
どちらを優先するべきか?

「温かさ」です。

「温かい」の印象の人には、人と情報が集まる。
人と情報が集まることは、「有能さ」につながる。

人が温かさを判断するのに要する時間は、0.33秒!笑

「温かさ」を要素に分解すると、
相手の話をよく聞く、笑顔を絶やさない、感謝する気持ちを持つ、
他人の良さを認める、責任を果たす、成果を分かち合う、・・・など。

礼儀正しくあるためには、他者を尊重し、与えること。
↓アダム・グラント著「Give&Take」と同じ結論。↓

まとめ

最高のチームづくりとは、メンバーの多様性に寛容で自由であることと、無礼を許さないことを両立することなのかもしれません。

特に、上下の人間関係や異文化コミュニケーションでは無礼にならないよう気を付けたいです。

#ThinkCivility #クリスティーンポラス #日ハム #中田選手 #チームづくり #礼儀

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