「目の前の人の関心」へ関心を注ぐ
読書ノート「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」樋口耕太郎さん
樋口さんの思考が文字化されたことで、これまでよりも深く理解できた。
以下、気づきと、今後の行動指針にしようと思った点をメモ。
【気づき】
▶本当の問題解決とは
・私たちは問題に直面すると、対症療法を圧倒的に優先してしまう。
・対症療法は、目の前の問題に短期間で分かりやすい効果が出て、評価されやすく反対されにくい。
・多くの問題にモグラ叩きのように「対症」していくことは、時間も費用もかかり現場が疲弊する。
・問題解決の第一歩は、根本原因の特定。
・根本原因を見つけることは、時間がかかるが、その価値は計り知れない。
・根本原因を特定するためには「正しく問う」ことが大事。
⇒ 斎藤顕一さんも、似たようなこと言ってたなー。
「問題解決においては、問題をすぐに解決したらあかん!」
「”これは問題だな〜”と思ったら、意識的に“なぜそのようなことが起こったのか?”と原因を考え続けることが大事やでー!」
自分の仕事でも対症療法になってないか、今後は意識しよー。
(関西弁ってうつるなー、なぜそのようなことが起こるのかなー?w)
▶補助金の害悪
・イノベーションが生まれるためにはイノベーターが必要。
・現状維持を優先する気質や社会構造は、イノベーションと対極にある。
・沖縄は米軍基地の存在によって、大量の経済援助を受け続けてきた。
・(顧客と向き合わなくても得られる)補助金を手にした瞬間から、事業家はゼロから付加価値を生み出す努力を止めてしまう。
▶ありのままの自分を認めるということ
・自尊心とは、自分は(ありのままで)愛される価値があると信じていること。
”これまでの成功も失敗も、できることもできないことも、優越感も劣等感も、喜びも恐れも、カッコいい自分もカッコ悪い自分も、自分の好きなところも、そして嫌いなところさえ、すべてを抱きしめる力。”
・自分を愛する力は、あらゆる力の源。
(自分を生きる力、人と向き合う力、生産的な人生を送る力・・・)
・自分を愛することは、完璧になることではない。
・自分の欠点やできないことをオープンに受け止められれば、自尊心は傷つかない。
▶自尊心が低いと幸せになれない
・自尊心が低くなると、失敗を恐れ挑戦を避けるため、創造的でいられなくなる。
・自尊心が低くなると、他人の出方を気にしすぎて、自分らしく生きられなくなる。
・自尊心が低くなると、自分を恥じて無価値だと感じ、他人からの愛が信じられず、他人と心がつながらなくなる。
・自尊心の低さは、自殺、うつ、暴力、攻撃性、依存症、いじめ、などの問題と強い相関がある。
・沖縄は、自殺率や教員のうつが突出して全国1位で、殺人、強盗、レイプなどの凶悪犯罪も全国と比較して高水準。
⇒ 確かに「自尊心の低さ」は多くの問題の根本原因になっているかもしれないなー。
そういえば昔、岸見一郎さんの「嫌われる勇気」を読んだときに、自尊心(≒自己肯定感)と幸福感について考えたなー。
多くの人にアドラー心理学の考え方(他者との競争ではなく協力や貢献など)、おすすめしたいなー。
とはいえ、私個人として目の前の人の「自尊心」に対して、具体的に何ができるのだろうか???
↓
▶私たちが目の前の人にできること
・「その人」ではなく、「その人の関心」に関心を注ぐこと。
”それは、人のために立ち止まることでもある。
馬鹿げたことに見えても、自分が承服しかねることであっても、時計を外し、携帯をしまい、その瞬間の自分の人生を切り取って、その人に無条件に差し出すかのように接すること。
裁かず、誠実に、まっすぐにぶつかること。”
”「自分の本当の気持ちをわかってくれる人がいる」と感じるとき、人は自分の価値を信じられるようになるからだ。
人生でそんな体験を「プレゼント」してくれる人ととの出会いほど、価値あるものはない。”
⇒ ミヒャエル・エンデ「モモ」はこのテーマで書かれていると思う。大人になって読み返して良かったー。
私は、祖父、妻、友人、先輩、同僚、麗王(典子さんと樋口さん)から、たくさんの「プレゼント」いただいたなー。ありがたい!今度会ったら、ちゃんと感謝を伝えよう!!
私も家族や周りの人たちに「プレゼント」できるような人でありたいなー。
▶サンマリーナホテル再生における実践
・実質10年間赤字だったリゾートホテルを買収し、「愛の経営(以下概要)」を実践したところ、とんでもない成果が出た。
> 企業理念を「いま、愛なら何をするだろうか?」にした。
> 仕事のルールを「心からしたいことか?」「(本質的な意味で)人の役に立つか?」の2つにした。
> 人事考課の基準を「どれだけ人間的に成長したか?」「どれだけ人の役に立ったか?」の2つにした。
> 人事情報をオープンにし、パートを正社員登用し、社員の給与を「限界まで上げる」ことを経営の重要課題とした。
> 成果が出すぎて、2年後に60億円(取得額30億円)で売却されてしまった(樋口さんは解雇された)。
▶これからの沖縄
・沖縄の社会構造は、「従業員」「消費者」「経営者」の3者が織り成すバランスでできている。
> 自己主張できない 従業員
> 人の目を気にする 消費者
> 現状維持を好む 経営者
・人材不足、情報化、本土経営者の流入が進むことにより、この3者も変化していく。
・最悪シナリオは、「(本土のような)成果主義的・競争経済」の浸透。
・目指すべきは「人の関心に関心を注ぐ」ことと「人が自分を愛することの手助け」を基軸にした社会。
”これこそが、人が人の役に立つということ、人が人を愛するということ、人間が人間らしく生きる社会ということ、の究極的な意味だからだ。”
【行動指針】
▶問題解決に取り組むときは、対症療法ではなく、根本原因を特定する!
▶寝る前に「今日は人の関心に関心を注げたか?」を振り返る!
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