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中国の動画サイトからウルトラマンティガが降ろされた!

ここ数日、Weiboのホットワードに上がっているのが、「迪迦奥特曼下架dí jiā ào tè màn xià jià(ウルトラマンティガが降ろされた)」というワードです。

テンセントビデオ、iQiyi、Youku、Bilibiliなどのビデオストリーミングサイトに於いて、迪迦奥特曼dí jiā ào tè màn(ウルトラマンティガ)を検索した一部のユーザーが、検索結果がでてこなかったり、再生できなくなっていることに気づき話題になりました。

ネットユーザーによると、「シザー・セブン シーズン1」「Re:ゼロから始める異世界生活 シーズン1」「神様になった日」なども影響を受けていたとのことです。

これを受けて、筆者もYoukuやBilibiliでウルトラマンティガを調べましたが、この記事を書いている時点(2021/9/26現在)では確かにティガの映画や本編動画は出てきませんでした。

中国国内の視聴者にとって、ティガはどちらかというと子供の頃の記憶であり、正義、光、夢、友情などのポジティブな要素が多いようですが、今回の件にはいくつかのきっかけがあったようです。

ネットから降ろされたきっかけ

数ヶ月前、ウルトラマンにハマりすぎた子供が、幼稚園で他の子供を怪獣に見立てて殴っていたということから、ウルトラマンを子供に見せるのを禁止したという親からの報告が、世間で話題になってました。

この報告に加えて、一部のネットユーザーは、今年4月に江蘇省の消費者保護委員会から出された報告書と関係があると推測しているようです。

江蘇省の報告書も関係

今年4月初め、江蘇省消費者保護委員会は「未成年者の成長と安全を侵害するアニメ分野の消費に関する調査報告書」と題する報告書を発表しました。

この報告書で名前が上がったのは、人気の高い「熊出没(中国国産アニメ)」や「ペッパピッグ」、「名探偵コナン」など21のアニメです。 これらのアニメでは、一部の内容が低俗で暴力的であり、悪い影響力を持ち、未成年者を誤解させるものであると記されています。

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問題が指摘された21つのアニメ(中国語名)

この報告書では大きく「暴力犯罪」「真似すると危険な内容」「闇堕ち」の3つに分類されていて、21本のアニメのうち半数近くが暴力的な要素を含んでいるとあります。

 その中でも、例として挙げられているのが「ウルトラマンティガ」で日常的に怪獣と戦っているという内容でした。

サイト側の自主規制によるもの

「ウルトラマンティガ」がネットから降ろされたことに関して、関連する動画サイト側の自主的行動である可能性があり、江蘇省消費者保護委員会とは関係ないという報道がありました。

今回の件は法規制によるものではなく、サイト側の自主規制だったようです。

国家広播電視総局の発表

また、24日に国家広播電視総局から、優れたアニメの放送を強く支持するという発表がありました。

発表の内容は、以下の通りになります。

インターネットプログラムサービスプロバイダーが、健全で高揚感のある内容の優れたアニメを制作・紹介・放送し、法律に基づいて真・善・美を推進することを支援し、暴力、グロ、下品、ポルノなどの好ましくないプロットやイメージを含むアニメをネット上で放送することに断固として抵抗する。子供やティーンズがアニメの主な視聴者であることから、「子供向けチャンネル」や「若者向けチャンネル」を作り、番組内容やスケジュールを最適化することで、若者の健全な成長のための良好なオンライン視聴覚空間を作り出すべきだ。

これまでも子供が見るものに対して検閲はあったと思いますが、これからはますます整備されていくものだと思われます。

結局ウルトラマンティガは悪くないと思う

幼少時から親のスマホやタブレット端末で動画を見るのが普通になっている昨今、子供が目にするコンテンツに対して、ペアレントコントロールの機能などを使用して制限されている方は多いと思います。

大人側がきちんと気を配らないといけないとは思いますが、ウルトラマンティガは悪者を倒すヒーローであって、暴力を助長する悪者ではないと筆者は思います。

仮に子供が幼稚園で友達を殴っていたら、ウルトラマンは友達を殴るようなやつじゃないと親が教えてあげればいいだけのことだと思います。

サービスプロバイダー側が子供が見るコンテンツを整備することは、親も安心してそのコンテンツを見せることができるようになるでしょうし、決して悪いことではないと思います。

ただウルトラマンは怪獣ボコボコにするからダメ、コナンは人が死にすぎてダメというのはどうなのかなと思ってしまいます。

そうなってくると、中国で大人気のクレヨンしんちゃんだって、低俗だからダメになってしまうような気がしてなりません。

出典:中国基金报 热搜第一!《迪迦奥特曼》全网下架?广电总局也发声了

ライター:タカハシヒロミ
2000年より上海在住、趣味は空手とダイビング。海水魚のブログも運営。

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