顔認証決済は果たして安全なのか?
WechatやAlipayでのキャッシュレス決済は日常化しており現金を持ち歩くことは全くなくなりました。
現在のキャッシュレス決済は、スマホでAlipayやWechatなどのアプリを開き支払い用のQRコードを提示して読み込んだり、店側が用意するQRコードを読み込んで金額を入力して支払いするという形をとっています。
AlipayやWechatがQRコードの決済以外に進めているのが顔認証決済で、大手ファーストフード店のオーダー端末や一部のコンビニ店などに導入されているのを見かけます。
顔認証決済は身分証と紐付いており、基本的に外人は利用できない仕様になっているため、残念ながら私は試したことがありません。
QRコード決済はもともと安全性が高く、パスコードなしの少額支払い設定をした場合以外は、QRコードを読み込んだ後に、パスコード認証や指紋認証を経て支払いが完了します。
一方、顔認証決済は顔だけで決済を行うため、SNSなどに投稿している写真やビデオなどを悪用されてしまうのではないかという懸念があります。
ジャック・マーで試した人がいた
アリババの創業者ジャック・マーの顔で3Dのお面を作り、実際に顔認証決済を試してみたという人によると「本人ではありません」と表示され、その後に自分の顔写真でも試したところ同じ結果が出たということでした。最終的には実際の人間の顔でのみ顔認証決済ができたという結果になったそうです。
3Dのお面や写真では支払いができないということは実験によってわかりましたが、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が2018年に発表した報告によると、現在全地球の範囲内で、顔認証技術のレベルは千万分の一の誤差率で、言い換えると正確率は99.99%ということになります。顔認証技術は既に成熟していて、安全性が高く、消費者は心配する必要がないということが言えます。
一卵性双生児の場合は?
一卵性双生児の場合はお互いに顔認証決済ができてしまうのかという疑問に関しては、顔認証プラス指紋認証にしてしまえば、防ぐことができるということと、万が一顔認証でお金が盗まれてしまったとしても、Alipayは全額賠償を約束しています。
顔認証決済は広まっていく
現在Alipayは「蜻蜓(トンボ)」、Wechatは「青蛙(カエル)」という顔認証決済商品を展開しています。2022年の中国では顔認証決済を利用する人が7億人に登るだろうと予想されています。
顔認証決済は携帯のアプリを開いてQRコードを提示する必要がなく、顔だけで決済が可能になります。大手スーパーでは、レジ人員の操作が減ったり、レジに並ぶ時間が減る等の利点があります。
また、4月1日からは広州市内の銀行のATMにて顔認証で現金引き出し、預け入れ、振り込みなどができるようになりました。
キャッシュレスが進み、現金を扱う機会が減ったのでATMの設置台数も減っているのが現状ですが、こうした顔認証に対応した新しいATMが全国に登場してくるのもそのうちでしょう。
出典:未央财经「支付宝刷脸技术被美国破解了?专家做实验,结果直接弹出四个大字」
ライター:タカハシヒロミ
2000年より上海在住、趣味は空手とダイビング。海水魚のブログも運営。
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