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中国インフルエンサーマーケティングはなぜこんなにもコスパが悪いのか?

上海KEMBOの中原です。中国現地で15年以上ビジネスをしている経験から生の情報をお伝えしていきます。

今回は、中国インフルエンサーマーケティングについてお話します。

中国でオンラインマーケティングをされた方ならわかると思いますが、KOLを使ったプロモーションがとても多い。
KOLとはKey opinion leader の略でネット上のインフルエンサーことを指す。
個人に限らず、メディア化しているSNSアカウントも多い。
タレントのような著名人が商品を持ってる画像をアップしたら
売上がすごいことになったとか認知度が一気に上がったとか、中国だけに限らずよくある話ではあるが、KOLもそのような結果をもたらすとして、オンラインプロモーションでは引っ張りだこである。

ただ、ここで問題なのは、KOLもピンきりであり本当にそこまでの影響力があるかどうかである。広告として使う以上は、重要なのは費用対効果があるかどうかである。

1)多数の仲介業者による多重構造の問題
例えば、日本から中国へ越境販売しているメーカーがKOLを使って商品を紹介したい場合、目的は売上を伸ばしたいというのが多くであるが、その場合、まずは、日本で多数存在する中国向けプロモーションを行っている会社に依頼する。そこから、中国の提携パートナーへ、その次に、MCNというKOL専門のマネジメント会社へ依頼され、最終的にKOLへの掲載依頼となる。これだけでも3社が間に入ってることになる。当然、ビジネスなので、それぞれの会社が、利益を乗せるので、KOLの元値が100万円だとしても最終的に300万円になっていたりする。

本来、デジタルマーケティングの世界では、最終的な目標に対してどれだけのコストがかったのかをある程度予測できることが好ましい。
例えば、100万円のデジタル広告を実施した場合、100万人が見て、その1%の1万人が広告をクリックし、更にその5%の500人が購入や何らかの申込みをした場合は、顧客獲得単価は2000円ということになる。これをCPA(Cost Per Action)という。

結局のところ、高くても元が取れればいいのだが、相場の何倍にもなっている場合、そもそも難しいことはわかるだろう。
また、中間業者が多いことにより、メーカーが意図した内容に投稿をコントロールすることはとても難しく、全く違った内容で配信されてしまったということはよくある話しだ。最近はまだマシになったが、KOLは個人も多く、日本人が考えるビジネス的な常識が通じない場合も多くとても苦労する。もちろん契約書でしっかり取り決めるというのは大前提であるが、簡単な契約書だけで進むことも多く、このあたりは事前にしっかりと確認したい。

2)偽KOLの問題
ここまでは、ある程度しっかりと計画をすれば想定できる事なのかもしれないが、
最もやっかいなのが、偽KOLの存在だ。
フォロワー数の水増し、コメントやアクセス数も水増ししている偽KOLが多数存在する。
中国では、これらの水増し代行業者がいてタオバオ等で堂々と販売されていたりする。提案書上のKOLリストでは見分けがつかないため、この偽KOLに依頼してしまったら悪夢で、実施報告書にはアクセス数100万、コメント数1万とか最もらしい数値が並び、実際にそれもサイト上でも確認できるのだが、なんらかの申込みや、売上等の最終目標への効果はほとんど無いからおかしいと首を傾げるのだが、依頼したエージェンシーも中間業者が多いためか、偽KOLだと思ってなかったりするので、明確な説明も受けられない。KOLとはそんなものでアクセスも多く認知拡大したからいいでしょうと言い放つような会社もあるから閉口してしまう。

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↑偽KOLの例)記事自体のアクセス数や転送数はそれぞれ多いが、転送した人をみてみると、左は一切評価がついてなくて、本物か疑わしい。右は転送した人にもコメントやイイねがついている。

多数の中間業者の存在によりそもそも単価が高い、かつ、偽物も存在するなら
もはやギャンブルである。

偽KOLについては、別の機会に詳細に判別方法等をお伝えしたいと思うが、
しっかりと記事内容やコメント等をみていけばある程度は見極めることはできるし、最近はシステムを使って分析することもできるようになってきた。(弊社はこのあたり研究中である)
また、直接KOLとやりとして多くの実績をもっているエージェンシー経由ならそのようなことは少ない。

このような経験をされた方が、中国でだまされた、お金がかかる割には効果を出すのは難しいと経験談を話していくので、中国ビジネスは難しいという評判がここ数年聞かれる。
もちろん、トータルでみたらそういう事になるのだが、しっかりと中国に根をおろして、専業として経験を積んでいるデジタルエージェンシーは存在するので、きちんと見極めて、依頼することをオススメする。
近いからといって安易に日本にいる自称中国通のコンサルタントや、片手間にやってる中国系のエージェンシーには注意が必要である。

ライター:中原賢一
KEMBO(上海賢房信息技術有限公司)CEO 董事長 総経理
2000年、ソフトハウス、ITコンサルティング会社でシステムエンジニア。
2003年より中国往来開始、上海でのWEB系システム開発のPMを歴任。
2008年、上海にKEMBO社設立、中国の日系企業を中心にWEBマーケティング、プロモーションを多数実施、現在はデジタルマーケティングコンサルタントとして、クライアントと寄り添い新ブランドの戦略立案から制作・運用までデジタルマーケティング全般をお手伝いする。また、データ分析、AIは再度エンジニアレベルから研究中。JDLA(E資格保持者)
趣味は空手。

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お問い合わせ:info@kembo-net.com
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