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中国版ゆとり教育(双減)のその後

2021年の7月に中国版のゆとり教育として、党と政府によって発布された、義務教育段階の宿題と学習塾を減らす「双減」政策が、北京・上海など九つの大都市で試行されたことによる現在の状況をウォッチしてみた。

「双減の内容はこの記事を参照」

今回、数名にヒアリングした結果をお伝えする。

(ヒアリング内容)
1.宿題減った?
2.親の対応は減りましたか?
3.塾は行ってる?
4.教育費は減りましたか?
5.何か他に変化はあった?
6.子供の年齢:
7.学校の種類:(公立現地校、私立現地校、現地校国際部、インターナショナルスクール)

【回答者1】
1)宿題減った?
→減った
2)親の対応は減りましたか?
→減った
3)塾は行ってる?
→行ってる
4)教育費は減りましたか?
→減ってない
5)何か他に変化はあった?
→特にないです、自己ペースで勉強してる
6)子供の年齢:9歳と6歳
7)学校の種類:公立現地校


【回答者2】
1)宿題減った?
→ほぼ変わらず
2)親の対応は減りましたか?
→ほぼ変わらす
3)塾は行ってる?
→英語のみ
4)教育費は減りましたか?
→減ってない
5)何か他に変化はあった?
→特にないです
6)子供の年齢:7
7)学校の種類:公立現地校国際部

国際部は主に外国籍の生徒を対象にしているので、今回の双減に影響が少ないようだ。
私の肌感覚としては、確かに塾は減ったと思う。近所にあったお受験塾は、アート系の教室に様変わりしたし、オンラインの英語アプリの広告も一才見なくなった。学習塾大手の新東方は、150の教室を閉鎖、8万組の机と椅子を農村に寄付すると発表した。
ただ、ある現地校に通ってる親御にさんにこの件について聞いてみると、むしろ歓迎しているようで、政策により、塾が禁止されても、大学受験の制度は変わってないし、自分の子だけはしっかりと勉強させることによりむしろ競争相手よりも優位にたてるから、変わらず指導していくそうだ。
このように、政府が目指す、本当の意味で双減を成立させるには、学歴以外の道で成功することができるような社会が必要になってくると思う。
大学統一試験以外での推薦入試枠が増えるとか、職業訓練校や専門学校からの大手企業や優良企業への就職の道、料理人や職人の地位、収入の向上等。
商売をするのに学歴は必要ないし、実際、中国でも商売人は学歴が無い分、ハングリーでなんでもやるし、成功している人も多いと思うが、今の中国では、学歴の必要のない職業であるブルーカラーの地位は低いし、まだまだ時間がかかるだろう。

ライター:中原賢一
KEMBO(上海賢房信息技術有限公司)CEO 董事長 総経理
2000年IT会社でシステムエンジニア。
2003年より中国往来開始、上海でWEB系システム開発のPMを歴任。
2008年上海にKEMBO社設立、中国の日系企業を中心にWEBマーケティング、プロモーションを多数実施、現在はデジタルマーケティングコンサルタントとして、クライアントと寄り添い新ブランドの戦略立案から制作・運用までデジタルマーケティング全般をお手伝いする。また、データ分析、AIは再度エンジニアレベルから研究中。日本ディープラーニング協会E資格保持者。
趣味は空手。2児の父。

お問い合わせ:info@kembo-net.com
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